やわらかな寝息の燈る喉元に 肌近づけて我が息舫う
臍の緒のかすかな匂いと乾く色 掌のうえで吹き飛びそうな
汗ばんだ額に張り付く細い毛は 彼が残した最期の祝福
受話器を先に置けなかった 三年前
今では先に切りたくて焦燥
ツーツーツー ただの電子信号が
あなたの鼓動に思えていました
手を繋ぎ 温度を感じてふと訪ねる
ねえねこ ....
戸を閉めろ
おばけが来るぞ
今夜また
酒をのまねば
おばけが来るぞ
ワンピース風をあつめて帆にしたら海は海原、海賊日和
高速の防音壁にへばり付く夾竹桃は耐えて咲く花
しにたくて
ただしにたくてこのよから
きえさりたいが
ゆうきもなくて
蝶じゃなく人に生まれたつまらなさ花の誠が分からないから
{引用=
シロナガスクジラの背中にのっかって幸せだった波に夢みる
(さみしくて、さみしくて、ずっとさみしくて、しあわせすぎて、死にたかった)
....
金と銀
龍と桂馬をイカれても
喉笛に骨
咀嚼してみな
群青の夕暮れ削る三日月を吊るし支える宵の明星
あのひとの
ギターをはじく手の速さ
見ているだけで
悲しくなる
雨がふる 傘はないから 濡れている まつげの雫 ぼんやり光る
ネタが飛び
散々だった
弟と
南海電車
今宮えびす
ただのKYそんなヤツだと思ってたキミのメールがいとおしい朝
ぼくはまだいちご泥棒と眠りたい置き忘れたものばかりの園で
衝動を積み上げていく指先に梶井のレモンわたしのオレンジ
気だるさはインクに滲み水底の青い散文髪に絡まる
....
弔いの卒塔婆に似てるタチアオイ梵字の様に花が連なる
六月はあれの締め切りあったから梅雨は未だに大作の季節
引きこもり騎士のサーガを書いていた騎士の修行は諸国遍歴
オークにも女王様はいるのかなきっと見つけるきっと見つける
砕け散るはやぶさの下ひとすじの軌跡をえがきカプセル還る
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに
膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う
束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
緑一色
一気通貫
....
6月の空がジョウロを傾けた小鈴フルフル優しい水遣り
一語訂正しました。 優し → 優しい
看護婦に
なるならそうか
達者でな
医者を選べよ
金になるから
共になり三十二年の今朝の庭紫陽花咲きて陽はうらうらと
夫たちよ妻を愛せ六月の今日の聖句を心に置きて
水無月の妻と語らうこの日々の瞼に浮かぶ蛍が二三
水面には 満月ぷかり 揺れている 輪郭溶けて 何処か寂しげ
足先で ちゃぷちゃぷ波紋 描き出す 歪んだ景色 歪んだ私
桟橋の 縁に手をかけ 覗き込む 水面に映る あなたはだ ....
不二子ちゃん
不二子ちゃんって
追うけれど
心には風
只のゲームだ
今すきやで飯食ふ奴等の眼鏡率は四割四分(俺も含めて)
いま「愛」を「し合って」ゐるのかぼくたちはこんなに裸でこんなに惨めに
火焔式土噐人面裝飾土噐ガラスケースに時は凝れり
....
相談も
ナシに選挙に出馬して
へへへと笑う
我が祖父の馬鹿
県道に 甲羅せんべゐ へばりつく 河で泳いで いればいいのに
明け方の眠りにちかい藍色に 背中をむけて何度もふれあう
「さようなら」黒板に大きく書いたなら
次の日私は小さな記事に
涙枯れ猛スピードでペダル漕ぐ
籠にひらりとはかない恋が
幻を見ていたのよと母が言う
線香の煙青空に消えて
....
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