私の事実は小説より平凡です
すし詰め電車遠ざかる吊り革自分の足で立つのを断念
沈黙車両老婆の鼻歌窓の外行きずりの雨
爆音に埋もれてる間は強く在れる気がしてた
わ ....
【電】
電流が流れるように始まって終わった恋に何も流れず
【町】
君が住む町をひとりで訪れて君に会わずに帰っていった
【奇跡】
奇跡とは二度も三度も起こらない だけど諦めきれない想い ....
腐らせた愛にくたばれ詩人達 ドーラン塗った哲学になれ
ネギおいめ
背脂おいめ
メン堅め
正油濃いめの
....
石畳歩けば遠い過去になる刻み込まれた歴史の模様
酒を飲み心を緩くした後で君の引力受け入れている
たぶん君ここへ走って来たのかな「愛している」の言葉が熱い
コーヒーの渦に飲まれた ....
気がつくと こんなものが ここにある
いつのまにか
そして 分かち難く感じている
いつのまにか
谷底にこがねの雨がわだかまり見るものは泣き見るものは去る
ゆうるりと暮れあおぎみてまわる虹うた連れてゆくひと連れてゆく
冬の木が冬の木を呼ぶあいだにも白 ....
未だ夕暮れ来ない街在りそうだろう誰も其処へと居ないのならば
福島が日本の首都 秋雨に冷えてゆく炉と冬へと向う
水葬楽、やっていたっけ 集まって うん、私たち未来への供物
飲めないと嘘吐きましたあんたらと一緒におんのがもう嫌やねん
食堂で食べる胡麻和え不味くってため息ついでに冷めた味噌汁
真夜中に乗る千代田線御茶ノ水社会の澱のような僕たち
さみしいと凍 ....
呟いたことばが届ききらぬままふたりの間で凍りゆく朝
からだから夜を追い出せない朝になけなしの理をかきあつめている
....
処女の夢 手持ち無沙汰に持て余す 有神論と無神論
ピアノ線のような視線につまずいて 気付く頃には夕刻の鐘
あの人が欲しいと猫に頼んでも黙殺される血の日曜日
空色のホースの中をのろのろと運ばれていく真っ赤な金魚が
人のいない午後は眠くて寂しくてひよこを埋葬するにはぴったり
淡々と折りつづけ ....
不思議だな少し不思議だ覚えてるいや嘘ごめん誰ですあなた
落下してきたような鳥たぶんあれ青鷺かなと思うんですよ
プルートー愛していない逃げてくれとにかく片目抉りたい也
わからない木々の ....
秋熟れて仄か色付く指先を包む手探す人恋しさよ
わが妻の命令口調なメモ書きがそこら中でまぶしく光る
みどり児と束の間耽るE.T.のごつこ遊びは色鮮やかで
自らの毒撒きし海入りて悔いよ鳰の浮き巣のぬかづき虫は
風ぐるまくるりくるりと目を回すロールケーキに巻かれて眠り
千年のあいだ噛んでたガムあげる兄さま姉さまご賞味ください
瀬戸物の茶碗が砕けてばらばらになりつつ地下を大冒険する
警官にやさ ....
初めてのルージュは少し派手だった年が十個も違う恋人
用意した話題が足りず苦戦する一歩下がって時計気にする
ドーナツを半分わけにしたくない愛の続編書き記したい
あの時の夢が未来へ繋 ....
【ゲーム】
国民がオレだけのためマスゲームなにやらせても満ちないココロ
【堅】
ひとつずつ手堅く勝ちを拾ってく 負けぬ勝負を焦らずつくる
【故】
愛故に君に別れを切り出した 後悔して ....
露の世の流れ淀みも知らなくに水面(みなも)に映る鳥の浮き寝や
改行を連ねて測るその距離を知った時からその背見送り
待ち惚け待たされ惚けて暮れなずむ町に溶ければさびしくもない
さよならと言わず別れた十字路に右も左も後ろもなくて
木蓮や椿のよう ....
いつまでも聴いていたいと思う歌ずっとリピートしている僕ら
きみがほら、流れ星だと電話口言うから慌ててスリッパのまま
曲線は神の線だと昔々きみから教えてもらったような
....
闇深しカフェの空ほど青はなし 炎の画家は現代(いま)を描くか
この世をば伎楽と見るやさもあらん 誰ぞ誰ぞの好む筋書
ようやくとおのがじしのみ苦慮せずにすむとなりなば殺しあいせる
....
苦虫を噛み潰した顔の猫がゐてもうこんな家出ていくと云ふ
肩を抱く敗残兵の胸に棲むあの雲雀は屍になつた
冬の朝数学者の見た夢は水洗トイレの水とともに消える
うつむせのしずかな背には薄い毛となめらかに降るみじかい死たち
閉じられたまぶた、唇、深い息 明けがたの音が通過していく
触れられず 逃げも進みもできないぼくらを死たちはじっとみている
....
雪の下 紅梅の如 鮮やかな縮まる猫の寒(カン)と鳴く口
今日は和煦 明日も和煦かと思い染め 猫毛のや宿命 冬衣(ふゆごろも)湧く
なでしこの我を呼ばわる若し声 早朝(つと ....
フライパン 貝がなければ焦(こ)ぐもせず 沸ける海にてパスタ泳ぎぬ
和せりかな アルデンテなるナポリタン 彩り添うる朱にパセリかな
行くと来と咳止めがたき病み身をや 耐え ....
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