よもなくば
あはれみ泣きぬ
我が立つ瀬
夜半に朧の
摺り抜くが染み入る
終わりえぬ 逝く夏の魂(ひ)の 儚さよ ただひたすらに 想ふ彼の蒼
親友の孕み女となる便り花舞い散るはいつも奇跡だ
レンギョウの黄に向日葵を想いけり みどり児生まれくるとふその日を
さくら花おもたく露を含ませて我にこそ宿れめ我にこそ宿れめ
....
早く君の 番号覚えむ その為に リダイヤル使わぬ 恋のはじまり
幾万の 波長飛び交う大都会 僕のアンテナ 君を受信す
一日中 {ルビ他人=ひと}と会ってたこんな日は 最後に一目 君に会いた ....
窓の外
下校の学生
帰り行く
罪悪感と
自主休校
はらってもはらってもなおあと三匹 鼻の頭にハエのたかる日
裏庭には 二羽のニワトリ 塩の結晶ふんづけて求愛の地団駄
縁側で俺は孤独なパイナポー アゴはニタニタ シロップまみれ
ポリバ ....
今日こそはと 思い重ねて 空をふと見上げる我
遠からぬ 共に歩む日 待ちわびぬ 昨日抱かれ 今日は別つ
くもる目にあなたをうつし涙してまたくもらせておろかなる恋
くちべにをそっとひいたら罪のいろ赤い色こそ女色なり
約束よこゆびでつないだわたくしをどこまでひきずるかよわき乙女
さくらちる ....
放課後の静まりかえった女子トイレ金魚が一つ産み落とされる
揺れ動く尾びれ背びれに滲む跡肢体をつたう金魚群
奔放に泳ぎまわるや体内の水槽覗き金魚と目が合う
....
色褪せしカエルの背をなでやりつ人差し指はものひきつらす
日暮れれば花弁を閉ぢる花と知らず植ゑてよりわが昼は呪はれ
土くさき夜気につつまれ甦る記憶くるしくのびる根のごと
街路樹の根の垂 ....
一束の薔薇を奪ひし通り魔の手にぎちぎちと青き棘立つ
花を剪るしあわせな朝よそおひて茨に髪をからめとられつ
「ともしび」と「かなしみ」似たり真夜中の明るき窓の下に黄の薔薇
にくしみを誘 ....
倶利伽羅を 越へていづこへ いつかへる 回転数学 流転の鴨よ
芸はこれ つたなけれども 人のみみ 転ばしめむや 鴨の水掻き
神無月 ひとり詠じし 数寄ものの {ルビ禰宜=ネギ}の畑に 月は ....
幻か 宵に桜の水を汲み 待つ彼の人を 夢で抱きて
『 The Dressin’ Sunbeam Troopers’ Marchin’ Band
....
Route 666
パブロフも桜並木を滑り出す花びらの散る女の笑う
中仙道クリームソーダのスコール!インストゥルメンソール!
スミマセンパンダワドコニアリマスカ?同時多発の子午線の夏 ....
誓いしが そぼ降る雨に 儚くも 我が身朽ち果て 消え行くを望まん
うるせえなそれでも僕のたましいはゴムタイヤに詰めた散らし寿司なのだ
もてたくてもてるふりしてもてまくりもててもててもててもててもてて
一日に一本限りのタバコのような君のスマイルのためなら
おひさ ....
ふとどきな大き乳房に出会ひけり丘の上なる村の温泉
湯の中に溶けるがごとく身を沈め女は白き乳房浮かべり
乾きたる身は清めらるおほどかに{ルビ腿=もも}を洗ひしひとに並びて
二の腕の{ル ....
わが歌は毒虫の背に投げられし赤く冷たき林檎のひとつ
階段の踊り場に立つあのひとの胸に抱かれてゐるオドラデク
かの城の地下奥津城の牢獄に我あり愛し君を待ちつつ
流刑地に落ちゆく君の背に ....
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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