嬉々として初夏の陽気を真似てまで我が玉肌を見たいか春よ
暗闇で 貴方を探す 旅に出る けれど寂しき 夢の中
知られざるせつなの音色手繰らんと乳房爪弾く 千鳥の曲
ともかせぎ稼ぎに差の出る年末の父の言い分母の言い分
食卓にずらりと並んだご馳走に目もくれず寝る父のプライド
噛み付けば噛み付くほどに腹の立つ「息子」と「子供」を別にせぬ母
二十年触れ ....
イヤホンはキミや世界や夢なんか無い事にしちゃう秘密の道具
井戸端にすり寄る猫を撫でる人お願いナイフはここに捨てて
眠たげにまわる廃品回収車やっぱ私は持ってけないよね
ごめんなさいドア ....
天狼の眼さえ優しき夕刻の西空高く服わぬ者
夜目遠目街は光の傘のうち見上げる春の冬の星座を
麦と真珠一対の名を見出せし好き人の名を我は知るなり
星影を抱きて部屋で愛しき言い尽くしてよ指 ....
そり返る指先に君はやじろべえ
踏み出す一歩 手と同じ右
車座のささえたよりに 抱き地獄
腰動けどももどかしさまし
鮮血のアンダルシアの石畳首なき人の燻り立つ笑み
(せんけつのあんだるしあのいしだたみくびなきひとにくゆりたつゑみ)
<通釈>空を仰いで目を閉じると、強い太陽で真っ赤な闇が視界を覆う、夏のアン ....
カラダならどんなふうにもなれるのに彼女んトコに帰ってくんだね
心まで見えないと言い寄る眉根 目蓋に落ちる影ばっか見てた
暗いから「貴方だけだ」と言ったのは声が少しだけ似てるらしいから
....
『大丈夫』 と笑うあなたの 笑顔見て
壊れそな顔 涙がホロリ
笑ってる あなたの笑顔の その奥に
潜む悲しみ 隠れた涙
『死なないで』 発したあなたの その声が
震 ....
見上げれば寂しい夢のふきだまりキャラメルの箱のようなマンション
値上がりの前の定期を三月分買っておくような恋をしている
私にもあったの君と同じ頃Aカップに夢詰め込んでた日
携帯を 振れば溢れ出るだろう 君のメールは 日々増える
一歩だけ 君との距離が 縮まった 影重なるまで あと少し
「サヨウナラ」 近付き過ぎるのが 怖くって か細い声で 弱 ....
サンサンと 輝き昇る 太陽に また恋をして 地に咲き誇る
華が咲く 散り逝く命 儚げに 想いは流れて 君のもとへと
気がついて ここはどこだと ふきのとう きらめく空に 大きくのびして
縄締めに撓むふとももにじむあせ
吐息こぼれて {ルビ理=ことわり}知らず
そびえ立つ
私の好きな
金閣寺
輝きよりも
時代に惚れる
雫落ち 陽を感じれば春の日の 乾いた風は包んでく
あなたのようだと言ったなら 微笑む姿 過ぎし日の中 消えてった
言の葉の 落ちる間に また落ちる 沈黙の間に 意志を知る
おそらくの 君の哀しさ 知ったあと 揺れる電車で 涙がゆらり
雪落ちる 空眺めても 凍らぬ涙 君の心の 温 ....
春がきて 天馬のかたわら うたう声
あなたは散るもの あなたは咲くもの
舞う応え 飛び去る天馬 葉の光
散るものたちよ 咲くものたちよ
....
くだらない詩(うた)を唄えば思い出す
あの日の私 君から遠く
夕暮れに 春の香りに 誘われて 振り向けば咲く 沈丁花かも
李下にては 冠たださじと 申すれど 正す冠 もちてこそ言え
馬耳東風 馬の耳に 念仏と 言えど聞くのは 人間の耳
杣人の 分け入る山の残り雪 ゴギ棲む川は寒く濁れる
白く濃く もくれんの花咲きにけり 春陰の里を足早に行く
黄砂止み 一面の菜の花 ゴビの砂漠に春の風吹く
....
いつまでたってもピクミン食われっぱなしでもう慣れちゃったごめんよ
のうのうとこれから孕みに行くのNO.NO.と言うけどそれは嘘よ
ちゃんと愛してくれないと死んじゃうよわたし ....
空寒み ぽっぽとこぼれる 白い息 春への汽車が 出発進行
木の芽ぶく 枝の指さす 春の雲 ほんのり花に 染められピンク
ためらいが 残しておいた 菓子の星
夕日にひとつ 溶けて流れる
幾重にも 包んでしまう ゆびの白
ちいさき粒も 重く冷たく
一言も 添えられぬまま この夜は
....
荊棘(ばら)を摘む掌のなかにだけ朝はある
そのまへの夜そのあとの夜
*
駆けている 少女は服をぬぎすてる
むねにはことば あしあとはきへる
*
....
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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