おちるとも舞っているともひとしれずもえしずみゆく紅葉の海
思い出は美しかったと過去形で静かにきしめ回転木馬
さようならまたこんにちわ結局はどこにも行けない回転木馬
夕べから眠れませんという君に回転木馬の歌を聞かせよう
暖色の山の合間の分岐点開花未遂で冬がはじまる
先輩と呼ばれし秋の公園の噴水近くのベンチにも冬
少年が少女に呼ばれ午前二時 雪の黒さを確かめている
ひとひらの雪を蛍とたとえ ....
隅々までほこりを吐いてこの部屋は呼吸も忘れた屍である
恐ろしき世界のごとき牙かくし小さな鳥を演じる小鳥
天体にばらまくひとみ瞬く間消えゆく星が消えゆく速さ
投げつけた夕暮 ....
丘しかない街の周りをてんねんと呼ばれるきみの自転車がゆく
「本当は円かもしれない」そう言って虹の半円探しだすきみ
ていねいに折り目をつけてあれはシャツ飛んでゆくのはアイロンですね
....
閉じ込めて鍵を閉め忘れたがゆえに青空今日もひろがってをり
低地へと雨がながれてゆくはるか彼方の名も知らぬやま
生活のにおいを捨てて枯れすすき遠くに見ゆる鬼と目が合う
彼方 ....
今赤き風船ひとつきみの手をはなれ空へと浮気なぼくら
胎動を促すごとく数々の伏線蜘蛛の巣顔にかぶれば
ソヴィエトで焚き火にあたっている少女大陸横断鉄道の窓
金魚鉢のふちで指 ....
なぜ飛ぶのなぜ生きてるのなぜ泳ぐのなぜ考えるのなぜ愛するの
寂しいと言って泣きたい寂しいと言って泣くから助けてほしい
コロッケの匂いわたしのふるさとの匂い都 ....
今青き蛇の抜け殻くぐりぬけ廃墟のごとき雨の降るかも
コスモスの群がる丘で赤と青 少年少女が燃やすむらさき
錆び付いたあなたが今夜もあらわれて僕のくちびる噛んでさよなら
降 ....
死火山に松明投げるかのごとくあなたが閉ざした扉をひらく
灯台の下で探すが見つからぬ懐中電灯を持ちしあなたが
ふたりしてベンチに座りブランコの鳴き声などを聞いた十月
畑には ....
環八と早稲田通りの 交差点 自転車 倒れ 車 流れて
人をまくスピードと 息の多さに負けて 逃げ出す自分 と 居座る わたし
バス停の時刻表を写メで撮る女子高生は 盗撮されて
はっと ....
はしごから降りたばかりのきみだから空のにおいが漂っている
桜より葉桜を見てはしゃぎだす僕によく似たバカがここにも
金魚すくい破れし網でいつまでもふたりで恋など追い駆けた夏
....
夜にしか会えないわたしたちだった合わない靴を無理して履いて
クラクション鳴らすあなたの矛先はわたしと彼女のちょうど真ん中
コーヒーを投げるあなたの手の平は薬指から冷めてゆくのね
....
生徒数ふたりの村の学校の日直いまだ解かれざるまま
箱舟に辞書を積み込み忘れたがために無数の言葉も消える
ソドムとゆう街が滅びたときでさえどこかで恋が芽生えただろう
「カイ ....
火閃だぞ左巻き右巻き朝顔のつるはかならず鏡像をなす
{ルビ津波=よだ}の上で焚かれた死体の大文字春巻きのような{ルビ精霊=しょうりょう}流し
....
フッ素皮膜守りたいから内なべを穂村弘でこすらないでね
故障かな?まず電源を抜いてお近くの穂村弘にご相談ください
できるだけ早く(30分以内)穂村弘をほぐして保温
白米の炊き分け方を知るため ....
悲しいかいと尋ねたら
悲しくなんかないと答える
なぎさではイソシギが波打ち際を歩いている
ペルーの鳥だ
ぼくが見た映画のなかで一番なのは
シベールの日曜日
....
ひっそりとまだ残り香がこめかみを叩く気がする墓地の階段
高校の修学旅行で行ったとき登別には初雪が降り
もう2年 ケニードリューのピアノソロ一緒に聴いたワンルームの頃
薔薇百合も花でしかなく私ならひとつの顔で死なない人間
母親の愚痴を
耳の5センチ横に
ずらして聞けば小言も消える
窓見やる
ブルーグレーの網戸と空の
かばう世界の
向こう側
好きじゃない作家の本を読んでみる
好きなあなたが嫌いにな ....
立ちあがり立ちあがっては 階段のその先に続く 段階に酔う
消えてしまうという現象の真実味 味わうことなく消えたかったの
ドーナツを頬張る 珈琲をすする 手 皺 血管にも覚えた愛しさ
....
くちの中がしょっぱくなるまで息つめてやっと吐けたあなたの悪口
週に七度来る夜を自慰で過ごしてもどうせ来るのは次の七夜
CDの傷に自分を重ねたら立ち止まりすぎの理由がわかった
二年前三 ....
いつまでもそうやってそこにいなさいかみさまとみんなはあなたを呼んでいるけど
まだ誰も知らない土地でひっそりと虹の種など埋める秋の夜
悪だくみしてもいいけどもう二度と砂のお城は作れな ....
軒を借る身をも忘れよやはらかき秋雨にふるよわき世心
あんたの短歌はフルーチェの匂いがするね愛しいだけさ
真白なTシャツで作ったフラッグを振る死んでも名前は同じでいたい
眠れないのは誰のせい深夜音楽番組を片っ端から惚れる土曜日
....
イカロスときみに呼ばれた五月から芽吹きだしてる背中のつばさ
滑走路駆けるあなたを追い駆けて追い駆けられて閉じてゆく恋
鋼鉄の翼たたまず夜を待ちどこへ飛び立つ思春期の冬
無 ....
耳を澄ます
この死への欲求は
どこから来るのかどこから来るのか
蛾、列記する「主は愛で火で」書きませり
瓦礫に微睡む朱が浄化する
賛淫美歌、「唖」点の声引火して
肢と肢と火の雨の降るプール
浄化erとポーカー遊戯に数-再度
....
美しい機械とおもう自販機のペットボトルのラベルよロゴよ
上空をヘリコプターが飛んでゆく高層ビルの都心の花は
いまはもうひかげになったビーチパラソルの青赤黄いろの ....
おふとんにくるまって
ただもふもふと
独りのよるもすてたもんじゃない
好きな曲好きな歌手など
特にないです
今はあいつに夢中なだけで
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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