コンコースですれ違う人に殴られる
それが悪夢の始まりであった
階段を駆け下りる足は絡まって
ひとりふたりとともに倒れる
改札の人だかりの中つっこんで隠れたけれど
尻尾は隠せず
新宿と代々木 ....
シナモンという単語には強引に美味しそうだと思わせられる
と言うのも母ちゃん作のシナモン・トーストが僕は好きだったから
寝転んで椿に話しかけるとき午後の紅茶もすでに冷たし
海のない地表の上を航海す既に明日も干乾びている
夕映えの冬の湖凍りつく阿修羅のごとく人生は鬼
バランスをなくしたきみは ....
北海道みたいにきれいなきみの街 迷彩服で匍匐前進
堤防にきみと二人で座り込む恋と平和を浪費するため
溶けてゆく定めを今は忘れつつささやくように降り積もるきみ
よみがえる王 ....
電車を待つだけの存在になっている
自分に気付く未明のホーム
声が聞きたいときに限ってマナーモードになっているから
余計会いたい
生駒山の向こうに広がる
大阪の夜景が ....
赤錆の朱、剥離す 増す耽情
珠肉工場の壇上でキス
蝋人が ガス燈辞を読み上げる
冬の至りは 機械のコトリ
He等、ギィとCubeに帰る鳴き声は
球体関節の音叉の ....
あたしだけみつめてベイビ腐るほど吐いた言葉でジェットが飛ぶわ
カラコンで見えた世界がくちづけであなたに全部伝わればいい
ねえロミオあたし記憶になっちゃうわトイレ ....
言葉だって寡黙になりたい
そう思っているに違いない
僕は押し黙る
回転音とともに目覚める一連の
緻密な音程を残らず食らう
役職がついたからといって
僕は相変わらず ....
夢のあと消せない恋と涙の味はストロベリーの記憶の隅に
通勤に いつもと同じ この道を
歩いてゆくと 工事中
犬の声 またまた来たか 新聞屋
いつもお疲れ うちの犬
青い月 悲しみ帯びる その光
あの人の 涙よみがえる
暮れかけた とんがり山の 山の端の 光のさして 雪またキラリ
ひいらぎに うつる星空 のぞいたら サンタのそりが 通る気がする
ふわふわのとろ〜りたまごハート形ケチャップに込め簡易式ラヴ
青空は世界の王である午後にやきそばパンを買いにゆくとき
みとれてるあなたの美脚やきそばの麺の細さを味わうように
屋上であなたとふたり風に似る高鳴る胸の火災報知機
焦がれて ....
ドーナツの穴に通した薬指キミは微笑って食べちゃったけど
夕焼けとカレーの匂い誘われて結局君を選んだ僕は
なんとなく恋の病に効くモノを君に聞いてる治る気はなし
潜空し 千の苦痛を 宣布する
タイプライタは 葉脈の隣人
酸性土 咲いた向日葵も 又、声徒
[I'm in a beeker] Sun-蜂-花
聖堂を 四肢の無い男が 後に ....
猫舌のあなたのために作ったわ愛情だけは冷めないうちに
プチっ甘い星がお口でひろがって120円心もほっと
スイートな恋ができたら嬉しいな叶えてくれるきいろの魔法
眠られぬ真暗な部屋で音もなく携帯電話の液晶光る
訃報ってなんだかいつも手触りがないから涙はその時来ない
「食い逃げだ」今日の私は言われそうもしも船橋まで出かけたら
間に合わぬことがあ ....
たぶんきみたぶんきみだと思うんだマリーゴールドみたいな空だ
ハート型に切り抜かれてるきみのむね猟銃くわえる真似をしてみる
きみのため蛍光灯を次々とつけてゆくからどんどん消しな
....
夕焼けに 流れた涙 過去に落ち 微笑みながら 消えてゆく
こんな日は自分以外の誰彼の必要性を問うたりしない
遠い日の約束 あれが最後だと分かってたなら守っていたよ
東から西から差し込む宵闇が君をさらってさよならもせず
....
ぽっかりと 息はわたあめ 冬の朝 空もため息 白い月
万顔の バーガンディーが 百葉の
脈を白して 喫す眩めんと
I see tie 愛したい死に 相対し
十字ヶ丘の 酸がきませり。
黄海をはたはたはたと飛んでくる蝶の背中に銀杏のコピー
燃えている書類の中の拳銃を持って少女は大空を舞う
ぐるぐると螺旋階段のぼってく400メートルの空中楼閣
腐 ....
請ふ恋ふと鳴く鳥あはれあはれなれば抱きしむべし夜に勃つ人よ
我になき器官妬まし怒張せしものに歯を立て君を見上ぐる
我ならぬ生物の一部飲み込むる我は一本の管なりけるか
快楽に耐えて噛 ....
乗る人も降りる人もみな押し黙る小雨にけむる夜のバス停
終バスは寂しからずや乗客は恋人同士と老婆が三人
二人がけのシルバーシートに三人の老婆が肩を寄せ合って眠る
窓ガラス額をつけ ....
少女たち暗黒舞踏を踊る夜旧市街へと駆ける少年
少年が少女の着替えを待っている土の器をふたつ並べて
蜜だらけベッドの上で酔い潰れ蛇足過剰の花をむさぼる
張り詰める音楽室の黒 ....
今日限り 絶ふるものぞと 思ひつつ
舞う金色に 秋の夕暮れ
329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358
【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
0.52sec.