両頬に掌そえて読み取った肌のにおいと温度とカーブ
いるはずもないのについつい振り返る前頭葉は未練がましい
端正な顔立ちの君が言い放つトイレの匂いだよ絶対に
円盤の奏者がギターを置いた ....
ぼくたちの出会いを事故と名づければたちまちエアーバッグが邪魔で
消えかかる蛍光灯の真似をするきみの瞬きずっと見ていた
きみのその背中の刺青の蝶を捕らえるために彫りし蜘蛛の巣
....
「昨日はふたつの嘘をつきました今日は今日とて数え切れずに」
たくさんの傘が車道をすぎてゆく雨上がりの陽に影を失くして
風あおぎ枯れ川の春祝うのは帰る場所無き ....
Tシャツの表と裏で出逢うよな夏と絡んで脱がしてみたら?
ドキドキは冷蔵庫から獲り出していつでも君の体温待ちで
透きとおる空の世界でくちびるを奪うそれってバニラみたいね
赦すがいい赦せぬものを赦すがいいおまえがおまえでありたいのなら
できませんどうしてもそれはできませんわたしがわたしでありつづけるなら
かがやきのただ ....
雨の音に紛れてニュースが伝えている関係ないよわたしはわたし
都合よく咲いてくれたりしていますわたしに似てるアジサイのいろ
ガラス戸に夏色ばかりが映っている忘れていたよ次の約束
....
{引用=猫の目のなかに言葉をさがしてた世界がわたしの部屋だけの夜
はてしなく優しいきみが眠るときおとぎ話の幕が開いて
鍵穴を探す深夜の部屋の中小さな鍵の彷徨う{ルビ行進 ....
窓枠の内側だけがすべてなら世界も朝もはねかえすのに
目をとじたままたしかめる左側まだだいじょうぶ黎明の時
暁の別れとともにおとずれるコーヒー2杯の蒸気する朝
ペダル踏むか ....
鬱だよねそう言われると鬱になる鶏卵どっちが先か
埠頭まで歩いていって見渡して今日の埋葬明日の瞑想
黒い空と重たい空気のエスプレッソ苦い気分は胸の底まで
ビー玉を舐めてみて思う冷たさを ....
読み止しの本のページに蒼といふ字をころがせば梅雨の来たりぬ
カフェで待つ我を嘲笑いしストリートただいたづらに人の行き交ふ
雨音がやけに心に響く夜 広すぎる部屋頼りなき我
泣かぬ空みあ ....
{引用=高速で回転している花束を見ている朝の洗濯機の前
小窓からしゃぼんの香り飛び出して空に散らばる雲の石鹸
仰ぎ見る雲は雨雲どんよりと黒い何かをぬぐえぬ散歩
....
店員が「お待たせしました」なんて言い置いてったのは先制ゴール
「来ませんね。」「ですね。」と二人苦笑い待ったご褒美まだ気付かずに
スペースキー押しっぱなしで3時間自供はじめ ....
電話たたむとくしゃって言うでしょ、くしゃって、きこえた?愛じゃないのよ?
複数のエスを忘れてあたしだけ あたしs チョコレートsssくらいいる
はじめてのひとってそれはひとだっ ....
シーソーと電池の切れたラジコンときみのなみだとそしてさよなら
かくれんぼ3つ数えて工場の敷居を越える(サンタはいない)
この町で一番長い煙突が君と僕との待ち合わせ場所
この町と ....
降りやまぬ雨の重さにうつむきし額紫陽花より珠の零るる
泥濘に踏みにじられしすいかずら晴れない空と泣かないアタシ
わたくしが果てたらどうぞお食べなさい林檎の花は楚々とほほ笑む
メキシコでUFO発見されし日に生まれた子らが今日成人す
制服で歩くふたりにもう僕はなれない春に煙草をふかす
「やり残しリスト」を胸に掲げつつあと一年は生きんと思う
目覚めると言 ....
【贋作】『サラダ記念日』
女宛送る手紙に『友情論』を引用してるだあれあなたは
愛告げてしまいたけれど遠景の似合うあなたをしばらく惜しむ
「その歌はよせよ」と君がぽつり言うこ ....
均一な味はひとつも変わらずにぶれる輪郭ゼラチンな夜
摺り足でただただ進む塗り絵縁空白もなく色彩もなく
何かしら泣いて見上げたあの空は3号棟で掻き取られてた
明け方に氷の雨が降り注ぎ僕の帽子は蜂の巣になる
明け方にwww(ウェブ)で出会った人達は全員同じ顔をしていた
ドアが開き誰か来たかと思ったが猫が一匹立っているだけ
「あ、鼻血」 ....
友の恋 笑っているけど 本当は
わたしの初恋 あなたの恋人
友達と 大騒ぎして 見た花火
あの人と二人 見てみたかった
失恋が あんなにつらいものなんて
友よ あな ....
テーマ:そば
とりあえずテーマを決めてみたものの思いつかないそば湯割りしか
きみのこと考えながら食べるそば そばの甘みと、恋の苦みと。
暇すぎてバイトしながら詠む歌にそばの香りがすれ ....
ブランコに51kgぶらさげて光らすための助走をつける
20歳になったら生きる意味がない崩れるための両足で立つ
空っぽになるのに伴う痛みならどこでなおしてもらうんだろう
....
水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏
砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜
8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
整然とあかしろきいろに並べられちゅうりっぷこそ花壇の象徴
ほの甘き蜜を湛えし満天の星空の如どうだんつつじ
きゃあきゃあと囃したてられ頬染めてのうぜんかずらの下でうつむく
....
さぐり合い 気があるんだか ないんだか
それともおれの 勘違いかな??
殺すなら こんな日にして 七:三の 雲と青空 殺人日和
子蜥蜴が 張り付いている 朝の窓 かざした手のひら 赤い血が不思議
指先を 噛んでと強請る 朝の9時 シーツの中の 模擬カニ ....
モラ(子)
−背骨−
黒焼きのサンマの背骨噛みながら十三回忌想う子二人
−ゼリー−
満ち欠けも両手離しで迎える夜{ルビ月花=げっか}固めたゼリーに満ちて
−産毛−
....
卒業後 人ごみの中 きみの声
その背みとめて 逃げ出すわたし
気まぐれに 「君の名は」など 手に取りし
忘れるわけない 忘れられない
夏空に 入道雲の 山、映える
....
生真面目にあいさつ交わすその影にほほ笑み潜むデスク前にて
ためいきは貴方の家庭(うち)に置いてきて私の前ではヒーローでいて
バブル期の企業戦士は家も見ず寝る間も惜しんで女を抱いた
....
日常に溶かしたはずの角砂糖なめてみたけど甘くはなくて
君の手に触れてみたいと思うのは見つめるよりも愛な気がして
目覚めたら全部白紙のストーリー笑わないでよ寂しがりなの
真っ白なあの雲 ....
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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