鏡にも映らぬ自分を君が知る装飾なしの笑顔泣き顔
オレなんてアタシなんてと赤ら顔錆びた刀で不幸合戦
満開のころに降る雨いつもいつも恋に似たものすべてはかない
なんとなく聞こえる卵の殻が今割れた気がする恋人前夜
自転車であなたの街に着く前に五月の風に抱かれるわたし
たくさ ....
雪のないアスファルト踏む嬉しさに駆け出して跳躍 春が好き
こりこりと先のほうから順番にリズムとられる 竹の子が好き
{ルビ冷酒=ひやざけ}と桜とおにぎりがあればふわりと楽しい 御花 ....
謳歌する冷蔵庫の中の牛乳 冷える身体は一人のもので
日曜の午後の桜の眩しさに白昼堂々犬を買います
僕が犬を触ることができるのは夜に牛乳皿を割るとき
君と犬の似ているところ探しては沈む夕日に口笛を ....
風吹かれ 桜の街道 花吹雪
季節が巡る 東京の街
もう僕は死んだと思つて諦めてと置手紙の日よりゾンビとなりぬ
親元に連れ帰されたる若ゾンビ腐肉を隠して社長になれり
若ゾンビ社長となりて夏の日の銀行回りに蝿もたかれり
ゾンビとて妻娶りた ....
君と手をつないで見てる赤い空 春の毒皿どこまで喰らおか
満ちてゆく月を恨みつその日まで素知らぬふりで花摘む逢瀬
かの人を心で百度斬ったとて力なき手は髪を梳くだけ
つい ....
春の陽が眩しい程に映す白着慣れぬシャツと道路のライン
浮ついた季節の心正すよう春雨はじく若芽の姿
やわらかな光がふたつ雑貨店囁く願い棚の貝ぼたん
桜咲く 花の花びら ひらひらと
散りゆく姿 蝶に似たり
まだきみの あさはかさといい かたちといい そばにいてもまだ どことなく
まちがいと うつろな目をむけ 食こぼす あそびだとしても またどことなく
ことたらず やさしさをまた みせ ....
きみがまだ少女の頃はぼくもまた少年だった すれ違う駅
きみと向かいあって話した教室が世界のすべてであったあの夏
きみの吸ってたマルボロライトを吸ってみる吐き出す煙が重い七月
....
風呂上りの一杯がうまいと言った父は二度と出てこなかった
キリンが大量発生した日は知らないものに名前を書いてた
「呆気なく過ぎ去っていく春」と落書きされた犬が可哀想に
....
不安げに緑を歩む鳩の目がふと振り返り鴉になるとき
手のなかの鳥の器に降る震えこぼれゆくままこぼれゆくまま
いつわりの光の模様の窓をゆく姿を持たない鳥たちの列
....
難病の子抱き締める親の写真 綺麗と魅入る我は何者
藻掻いても呼吸できず溺没 気がつけば唯安全な日常
五本指靴下くれた人想い 五本指靴下履いて脱ぐ
舗装された道路覆われた足 ....
自転車をこぐと水車の音がする流れを馳せる冬と春の背
午後の陽の光と音のお手玉が言葉に変わる冬と春の手
こぼれゆく言葉は道にかがやいて見つめつづける冬と春の目 ....
生きている不思議な夢を君は見た?そろそろ君は目覚めるかもね
野山駆け野山駆けられ僕たちは遂に野山に野山られてる
回転扉を閉めれば良いのですあからさまな反射など屈折してしまう
....
ありったけ音を抱えて地に降りる白き懐欲すこの頃
橙のエリアを抜けて掌にふわり綿雪ひやり露けし
{引用=001:声}
なかゆびで喉の尖りをころがして昨日の声の輪郭は何処
{引用=002:色}
風色の蝶つかまえてくれるなら、と少女の瞳にじむ雨音
{引用=003:つぼみ}
....
いつまでも辿り着けないきみがいる村の名前も思い出せずに
寒村に降りだす雪の音階で深いねむりに落ちる 失恋
村々が燃えてゆきます雪の夜ひとつの火の粉とゆう名のあなた
赤い傘 ....
かすみそうこんなところに居ないって知ってるからこそ似合わぬ花を
花のかげ虫とる蜥蜴に欲情し不謹慎に{ルビ柏手=かしわで}をうつ
立ち昇る汗で湿ったハイライト噛み締めたってあなた ....
少し位休んでみたらと全身を包んでくれたハチドキュウブ
スイッチのオフばっかりが見えるのは素顔なんだと思い込んだり
満足が疲労を少し追い抜いたとんだ偽善とランナーズハイ
浴槽の壁にじいっとしがみつく表面張力、こわさなければ
義務感の果てに潜んでいる果実「柑橘系なら舐めてもいいよ。」
すっぱくてにがくてあまくて最悪のあじだったってしらなかったの
その辺 ....
大声で花粉症の話をするおとなになどなりたくなかった
雑踏でふと耳をすます。どれが僕の足音かわからなくなる。
工事の人が標識と同じ格好になった。さっき一瞬。
ゾ ....
点の灯と覗くあなたの真ん中がひとつの線になって見とれる
お互いに気付かないまま時は過ぎ自分の中に垂れる蜘蛛の糸
繰り返し再生している様でした新たに録画はしないとばかりに
思いきり笑ったきみの口のなかで光る銀歯が見える三月
にらまれる動物園の蛇の目に何かを思い出しているきみ
ふたりして手を伸ばしても青空の青の部分に届かない春
赤と青、歩行者 ....
分からない回転木馬黒い陰アイダホポテト ツッコミ損なう
誘うかな誘わないかな日曜日 迷う間に 口が勝手に
コチュジャンの名前に惹かれ買いながら 肉蛸胡瓜分の金無し
メガンテと唱えられ ....
{引用=1:声}
暴ければ骨がみえるようつくしい燃ゆる緋色の声みえずとも
{引用=2:色}
郷愁もあざけってくれ雨粒に色などないと笑う君なら
{引用=3:つぼみ}
花つけず逝ってしま ....
レスポールの重さ肩に喰い込んで動かぬ指をもどかしく噛む
ジミ、ジム、ジャニス、ジョン、おれのイニシャルもJならよかった
スタジオの隅で誰かを待っているネックの折れた6119 ....
胸廓を侵されるなら服をぬぎ猛る桜に沈め嘲笑
「エロガッパ」中の結露に書く顔のガラスをすべる花は涙か
白酒とつまむ花びら香りなどわからなくても胎内に秘む
いつまでも星の見えない東京をピンクに塗った兄貴を和姦
声優の違うのび太は土曜日の昼ドラなんかに癒されている
ジーパンのチャックを開けてメギラマと唱える男子トイレの隅 ....
325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358
【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
0.61sec.