【封蝋】
僞學生に燭の{ルビ炎=ほ}昏し落椿舞臺衣裝の襞のモノロォグ
蝶焦がし新鮮な眸と漆黒の爪もつ淑女へ招待状
剃刀を舐め舐め紅つけし女は薔薇のごとく浴槽に沈む
....
均一な味はひとつも変わらずにぶれる輪郭ゼラチンな夜
摺り足でただただ進む塗り絵縁空白もなく色彩もなく
何かしら泣いて見上げたあの空は3号棟で掻き取られてた
明け方に氷の雨が降り注ぎ僕の帽子は蜂の巣になる
明け方にwww(ウェブ)で出会った人達は全員同じ顔をしていた
ドアが開き誰か来たかと思ったが猫が一匹立っているだけ
「あ、鼻血」 ....
友の恋 笑っているけど 本当は
わたしの初恋 あなたの恋人
友達と 大騒ぎして 見た花火
あの人と二人 見てみたかった
失恋が あんなにつらいものなんて
友よ あな ....
テーマ:そば
とりあえずテーマを決めてみたものの思いつかないそば湯割りしか
きみのこと考えながら食べるそば そばの甘みと、恋の苦みと。
暇すぎてバイトしながら詠む歌にそばの香りがすれ ....
ブランコに51kgぶらさげて光らすための助走をつける
20歳になったら生きる意味がない崩れるための両足で立つ
空っぽになるのに伴う痛みならどこでなおしてもらうんだろう
....
水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏
砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜
8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
整然とあかしろきいろに並べられちゅうりっぷこそ花壇の象徴
ほの甘き蜜を湛えし満天の星空の如どうだんつつじ
きゃあきゃあと囃したてられ頬染めてのうぜんかずらの下でうつむく
....
さぐり合い 気があるんだか ないんだか
それともおれの 勘違いかな??
殺すなら こんな日にして 七:三の 雲と青空 殺人日和
子蜥蜴が 張り付いている 朝の窓 かざした手のひら 赤い血が不思議
指先を 噛んでと強請る 朝の9時 シーツの中の 模擬カニ ....
モラ(子)
−背骨−
黒焼きのサンマの背骨噛みながら十三回忌想う子二人
−ゼリー−
満ち欠けも両手離しで迎える夜{ルビ月花=げっか}固めたゼリーに満ちて
−産毛−
....
卒業後 人ごみの中 きみの声
その背みとめて 逃げ出すわたし
気まぐれに 「君の名は」など 手に取りし
忘れるわけない 忘れられない
夏空に 入道雲の 山、映える
....
生真面目にあいさつ交わすその影にほほ笑み潜むデスク前にて
ためいきは貴方の家庭(うち)に置いてきて私の前ではヒーローでいて
バブル期の企業戦士は家も見ず寝る間も惜しんで女を抱いた
....
日常に溶かしたはずの角砂糖なめてみたけど甘くはなくて
君の手に触れてみたいと思うのは見つめるよりも愛な気がして
目覚めたら全部白紙のストーリー笑わないでよ寂しがりなの
真っ白なあの雲 ....
ひと束のねぎをきざんでこんなには食べれないよと思う、捨てよう。
ぴぴぴっと新幹線の4時間を3秒で飛ぶごはんの写メール
ゴキブリとあたしと夜と生ごみと それしかいないこのへやにはね
....
夢置いて暮れる中空声カラス 阿呆阿呆となくは誰が為
走り去る回送電車に見し人と命を賭して擦れ{ルビ違=たが}いしや
記憶せしその名霞みて迷い道 あるべき日々に眼を凝らすのみ
....
青は赤緑は黄色とおんなじでこの世に生きている事の不思議
寝室に肉食獣が眠るから君は入って来てはいけない
ワイパアに折り畳まれてゆく雨の先を伝って悲しみが満ち
学生もサラリーマン ....
忘れない根に持ちますよわたしは、と言う君みたいな雨のはじまり
残っている洗いざらしのTシャツに君が選んだセッケンの匂い
あたらしい季節へ線を引くような雨あがりの青い空とは
あおい ....
いつ見ても 笑ってるけど 知ってるよ
ちょっとの無理が 少しつらそう
思い出は 美しすぎて なんてウソ
声も出せない あの日の通学路(みち)は
いつもなら 「バイバイ」と言う 別れ際
....
夕立の後には土手に水たまり空蝉集めたあの夏の記憶
透きとおるラムネのなかのビー玉を大事なものと信じてた夏
「愛してる」ニワトリ小屋の粉塵が光の中に消え入る朝に
「天井のしみが魚 ....
こよつきよ
ここにもちから およぼせよ。
夏草ノ原 草ノ海原。
ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ
ノノノノノ ....
あぁ またか また始まった もう嫌だ
わがまますぎる きみのひとこと
あのときの 気持ちはいったい どこへやら
振り返っても 足跡もない
あの嘘を見破るなんて野暮なことしなきゃよかったサヨナラ純情
ツマラナイ女になるなと口癖のように云うから泣いたりしない
ピンヒールの靴を履いたら女王様君はかかとの下で傅く
口紅の色を迷 ....
あの夏を ふと思い出す 今日の午後
かりそめの恋 胸あたたまる
伝えたい 臆病だから しらんぷり
大きくなって 胸が苦しい
勇気出す 携帯握り メール打つ
なんて打つのか 考え終わる
これでよし 想いは込めた 送るだけ
....
パソコンの スクリーンセーバー 見つめてる
花火さみしい 消えゆく花火
昼休み 電気消した 暗闇で
パソコン向かい 詩を詠むわたし
ふるふると ふるえるゼリイ たよりない
裸の心 みたく重なる
今日の月 千年前も 見上げてた
いまも変わらぬ 物言わぬ月
カツ丼を ふたりで食べる いつものように
そして話題 ....
(RT会議室Aでの出来事)
暗い部屋AC機器のランプだけあたしじゃなくて窓を開けたの
新しい部屋は2人も入らないよ1.5人入れば充分
泣くだけのお部屋があるの地下五階 ....
朝もやの白く輝く始発待ち数え集まる雀群れゆく
階段を踵から踏み上がるとき日がのぼるのを見て見ないふり
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