恋を知り少女がひとり懐かしむ灰をかぶった安寧の日々
階段の踊り場の恋は吊り橋の上の恋よりまことしやかに
12時で魔法は解けて ここからは本気であなたを落としにかかる
ラン ....
水色をまとい眺める水平線南の国は晴れだよ兄さん
マスカラの黒に瞳が見え隠れそんなふうに怒るな妹
空き瓶をカチリといわせ運んだね僕にとっての紅姉さん
紫の水晶送 ....
からんころん 慣れぬ下駄はき参道を
ふたり腕組み 初めての夏越
水あそび はじける笑顔 子供らの
足もと日差しに照らされ{ルビ七色=なないろ}
....
追いたいと思う心理を知り尽くし残り香すらも残さぬウサギ
いつもはね慎み深い私なの 貴方は特別“私を食べて”
「首を切れ!!」怒鳴るクィーン黙々と従うスペード恋は盲目
30 ....
銀色の雨が降り出し
夏、恋も。
The end...もう、傘もいらない
温めたミルクに溶かす甘さなら君のいない夜に忘れたよ
綺麗な色を並べるの ....
今は亡き母の姿を求めては
会いたし会いたしと 老いた我が母
ミシン糸 穴に入らず{ルビ背中=せな}丸む
祖母と似たりし横顔の母
人生は長かりし か ....
母恋し
朝げの仕度する姉は
かまどに火をくべ 涙、乾かす
一欠けの パンを盗んだ妹に
ただ涙出て 拳下ろせず
....
爆弾を我が身に纏って散り果てぬそれを正義と笑わせやがる
見上げればおんなじ色のはずなのに我らの空もイラクの空も
銃口に面と向かったその時に「万歳!」なんてぜったい言えない
....
一点の翳りも見えぬ空の下白さを競う百合とTシャツ
軒下でチリリと唄うびーどろは風に撫でられ恋を煩う
結い上げた髪にかんざし挿してみる すこし淫らなおんなを気取る
誰がため ....
千羽鶴 この日に平和を祈りたし
飛び立て世界へ このヒロシマから
花{ルビ抱=かか}え 父の死に場所 来てみても
そこにあるのは ただ{ルビ碑= ....
耳をふさぐと雨は遠くの国みたい 目をふさぐのをためらいながら
台風の日だというのに 僕たちに降る風はもう諦めている
キャミソール の 裾 を破いてもう少し生 ....
失いし友の最期を求めつつ
訪ねた遺族も また 被爆者なり
ヒロシマの八時十五分 {ルビ時間=とき}止まり {ルビ六十年=むとせ}分の祈り捧ぐ
小さき ....
蝉時雨 「恋し恋し」と大合唱
一度きりだといのちをこめて
戦場の瓦礫の隅で屑拾い 父を弔い 母を養う
婚礼用 その日を夢みオアシスで 白い花摘む義足の少女
「止む得ず」と ブッシュの民は、口にする イスラムの ....
昼、起きて ひとりぼっちの家の中
クーラーないのに 涼しすぎるよ
ぼんやりと 宿題してる 真夜中に
君は今頃 なにをしている?
夏休み はじめて見つ ....
紫陽花は雨ににじんで泣きぬれて色は落ちるかさらに鮮やか(色)
しゃきしゃきのサラダを作って待っているあの子の髪はストレートグリーン(サラダ)
プールサイドこげ茶の君の黄色い ....
髪のハネ 気にせず行ったスーパーで
懐かしき人と出会い 後悔
ホタル舞い ふたりの{ルビ瞳=め}にも光うつり
確かに感じた お互いの存在
{引用=
その日々に名前をつけてはいけないの
}
{引用= 021:うたた寝}
うそつきをあじわいたくて焼きたてのラスクを舌にのせてうたた寝
{引用= 022: ....
優しさが 爪弾かれるも 泡沫と
振り向きもせず 貴方は泣いて
静寂に身を寄せながら 綴りゆく
独白が刹那 雨音に消ゆ
やさしさをうたうは哀しき{ルビ歌人=ひと}ゆえか
いたみを知りてその{ルビ歌人=ひと}を知る
眠れずに聴く子守歌は中島みゆき
何故か重な ....
何も 香、も
捨てられるほど・強くなく
守れないのも
また 然ること。
千切れそうな肌の内では、
ただ今も
広がる影が 漂ってゐる
反逆の中 で
救い ....
まぼろしの握手をすれば手の中に土の味するひまわりの種
夏の夜の平均気温が2℃下がり僕は機械の夢を見ました
青空に君が裸で泣いている 機械の僕は近眼のまま
コーヒーを眼鏡の縁で焙煎し3 ....
授業中 廊下を二人で歩きたい 「お腹が痛い」ホントは嘘だよ
背を撫でる君の掌 思うほど大きくなくて 愛しく思える
得意気に話す隣に女の子 夢の中では何度も殺した
「優しいね」優しいは ....
髪なびく風通り抜けるTシャツの袖つまんだら恋走り出す
真っ白なシーツに夜を預けたら眩しい光に「おはようございます」
「おはよう」とまだ寝てる声で返事する眼をこする手すぐわたしに触れて
....
会いに来て腕一杯の猫じゃらし花束にしてリボンをかけて
うつせみやあなたの上着をだきしめてくんくんくんと息を吸いこむ
小枝とか石だとか夜空情報とかわたしのもとにもたらす人よ
朝風を浴び ....
「不思議だね、みんな死んだらいいのにね」ってビルの65階の夜景
もう少し待って 60年くらい経てばさみしさが死因で死ねる
{引用=6月、梅雨 ....
日に満ちた電車はそっと風になり火照ったほほをすりよせてゆく
夏に包まれた海の底の席で車掌が居眠りしつづけている
唇のはしからはじまる熱気にもあたたかないばら胸に ....
硬くなっただんごを2分素揚げして見知らぬ墓にお供えをする
柔肌のわけへだてない膨らみにみたらしだんごそっと置きます
アメリカのだんごは星で出来てると君に嘘つくダンボールの中
海釣りの ....
踏みつけた木の葉の裏に隠れてる虫さえ愛せるくらいにひとり
冷房のファンに揺らされ落ちる葉のむなしさだけは凍り付いてる
あの雲にかかればあの葉の色だって一撃なのよ だからわたしも ....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏
逝く春の背中押しつつ背中からはじまるアブラゼミの{ルビ時間=いのち}よ
きみがたわむれてた波ならひとすくい両手ですくって ....
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