ぼくたちはその日も
西日が差す
四畳半の狭い部屋で
互いの心を確かめようと
見えない体を貪り合う
毎日のように
きみの乳房の位置を想像しながら
ぼくの陰茎の長さを期待しな ....
(な)
なにもない
なもない
なのはなさいていた
ほかのなにかに
なりたくて
なりたくても
なれなくて
ならなくて
よかったと
なまえもないのに
さいてい ....
町の明かりに
じぶんを問いかけている
やくざが入れ墨に
じぶんを問いかけるみたいに
ぼくの遺伝子がONになる
海を聴いている
茶色いレーズンを吸っている
....
みなさんは 蛾 と聞いたときになにを思い浮かべますでしょうか
自分は最近 ガーフィールド ということを思い浮かべるので、それを漢字表記すると蛾領域になるとわかった。
蛾 領域
ガー ....
雨の底の
底に
俺は沈んで
終わることのない
脳髄のノイズを聴いている
時間は混濁して
精神は
幾年も日向で放置された
古い
毛布のようで
....
雲よ
僕は歌わない
ひびきあう童謡のしらべを
僕らは歌わない
青春と名付けられる
強迫的な力の律動を
雲よ
僕は見ない
抜けるような青空を
僕らは見ない
見るのはた ....
零時近くに 帰宅
気づくと ゴゥゴゥといびきをかいて
眠っている
手をのばせば ふれあう
距離にいる N
Nは ってくれない
あたしの感じやすい
ほこっとしたおやまの先端 ....
盲目のピアニスト
孤児院育ちのボクサー
....
暖かいミルクティーを入れた
ティーカップは首を捻るように
皿の上で少し、傾いている
人生は、少しぐらい
わからない質問のある方が、面白い。
(僕等は日々のテストをクリア ....
僕等は一体いつ頃から
目に映る世界の色を、忘れたのだろう?
カーテンの木漏れ日へと、はいはいしながら
丸い瞳を見開いた、幼い頃の自分。
大人になってくたびれたこの胸から
今 ....
いつものようにキスをして
電車に乗った君の
窓越しの笑顔に、手をあげて
一人になった休日の僕は
駅ビル内の喫茶店で
朝食のパンをかじりながら
ふいに
自らを漂う雲と思う ....
自分のすきなものを
あなたにそっと教える
まるで幸せを
あなたにわけるように
いつかあなたと
わたしのすきなものを
一緒に楽しめたなら
すきなものは
大事なものになる
わすれ ....
君の10年分を昨夜ずっと何度も見ていたよ
眠らずに何度も見ていたよ
生まれたばかりの君を
心細い私
心の弱い私は
君を育てるという大きな壁にぶつかって
泣いてしまった
くじけてしまい ....
町が踊り騒ぎ賑わい人の心に石が投げ込まれる。
雰囲気に酔う事はやめアバラの内側から火炎を放射する。
事の始まりは一通の手紙だ。
役所に届いたその手紙は人々に勇者の再臨を予感させた。
まず最初に ....
ばあちゃんを乗せて
じいちゃんを見舞いに行く
ゆく道の傍らに
塀越しの柿の実が鈴生りだ
ひとつぶずつに
千年と千日の
日差しがはね返る
小太りの猫が座ってたじゃないか
毛の ....
きみはなにもの?
きみは海をおよぐイルカ
ぼくは灯台
昼も、夜もきみの姿を波のあいだに追い求める
きみはそこの見えない海
その海の底には因果律でわりきれない、
数式であらわせないもので ....
誕生日を祝ったりする
成長段階を経てしまえば老化して行くだけなのに
自分の生まれ出た日を記銘して再来させる
これは不思議な慣習だ
去年の今日が今年の今日でないように
刻々と老衰に向かう肉体も ....
配管の網の目に棲む
浴槽にためる湯が 水位を
どうするのかを見ている
うらなりの子のように産みつけた
執念をよびさます
学くんに貸して戻らなかった鍵盤も美和子さんにそっとわたした恋文 ....
淀んだ排水溝の蓋を閉めるように
職員室のドアを閉めたら
薄暗い廊下をすり抜けて
警備員のおじさんとさよならをする
すとんと腰をおろして
バッシュの紐を結んでいる
少し前に出た君が
無 ....
息も乱れ、瓦礫の町を彷徨えば
徒(あど)なく見あげる空は燃えさかり、
逃奔する馬、羊、火を吹くF‐35ライトニング?
目視の肩撃ち式スティンガーに撃墜された、
――あれは有翼の機械獣。
や ....
頭のなかは
君との
卑猥なこと
だらけで
回想
妄想
幻想
繰り返し
あのとき
あそこをこうして
弄んだり
上に乗って
腰をくねらせたり
しまりがよければ
快感突き抜け ....
浄化する現実路線
聖なる賄賂
信じて舞う
瞳を閉じて ひらひら 揺れて 恋
きらめく滴 雪は溶け 水
誰にも知られない部屋に
内側から閂を掛ける
時計の針 ....
どこかぎこちない言葉しか
出てこない気がして
まぶしい朝の光に
あわせる顔がない
ささやかであたたかい
そんな風がいいけど
おおげさすぎるしぐさみたいな
感情もてあます
青い空 ....
誰も
事が明瞭になることを望まない
夜更けに
蝋燭の灯を囲んで
妥当な食事にありつく
静かな眠りにつく毎夜ごとに
吐き出される
それが獣の吐息であっても
夢の中では人の姿をしている ....
もう何年も
目的を見出すこともなく
時間を無駄に撒き散らしてきた
あなた
ここいらで
自分自身を見つめ直してみてはいかが
非常に簡単なことです
自分の暗闇に沈んで澱を積み重ねる
....
たくさんの
たくさんの
たくさんの自分がいる
たくさんの
たくさんの絶望と希望と私
詩人でない私人の私
たくさんの
たくさんの
絶望から生まれた
たくさんの
たくさんの
....
データを
消去する
日曜の朝を
消去する
今日の日付を
消去する
空の雲の形が気に入らないので
消去する
昨日撮ったビデオから
余計な車の通過音を
消去する
ノイズを恐れて自らを ....
「天国へ行ったんだよ」
空気が凍てついた
父は泣き
母は泣き
私も泣いた
小さな体で16年がんばった
私は子猫の時チャチャと名付けた
みんなでチャチャと呼ぶと
家が明るくなると思っ ....
蛍光灯をふたつ
そっと消し
薄明かりの部屋 ひとりホットティー
天井の照明器具に
小さな電球のある{ルビ所以=ゆえん}を知る
化粧鏡に反射するオレンジ色した豆電球
その鏡が ....
曇を燃し
曇を鳴らす
無塵の街
暮れてゆく
滴の原にはじけるもの
風を風にする光
ゆうるりと倒れ 起き上がる影
うた 手のひら うた
雨の左
....
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