かつて二人は湖を持っていた
水は濃い翠で穏やかに波を立て
畔には湖を取り囲むように
世界から隔絶されるための勇気が植えられていた
その白さが危ういほど 純潔を保った花が咲き誇り ....
眠れることは 良いこと
眠ったから 安心しているとは
限らないけど
寝てる間だけは
忘れていられることが
いっぱい あるから
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・° ....
白鳥は十字が似合うと言う錯覚
一等先の 空を照らす 特攻隊長は
恐れ知らずの 頑固者
雁は どんな形で 飛来するのか
考えたことも なかった
今冬は 随分と 小ちゃい虫ばかりと
遊 ....
腐った夜。隣の部屋で愛を営む学生カップルの残虐性は情状酌量の余地がない。今夜僕はあまりに寂しく気付いたら死んでいそうなのでとりあえずウイスキーをグラスになみなみと注ぎ貧乏ゆすりで下の階の住人の睡眠を妨 ....
いつも通りに立っている街路樹とお店
青と赤の信号も一仕事終えて
夜勤の黄色だけが道路を照らす。
いつもの塾帰りにリュック背負って帰宅中
市役所前の街灯の下
そのでっかい足場に腰を下ろす。 ....
色のついた絵の具を買って
窓に町を描きたい
雲を描いて
煙突を描いて
笑っている人を描く
指先がどこまでも自由になって
僕のつまらない話を聞いては
頷いてため息をついて
また透 ....
時の風をくぐり抜け
現代に戻る
過去に戻る
タイムカプセルで
現代に送られ
過去の戻らせ
陽射しが温かい
今宵一杯いかが
クーラーの下で
読書に没頭する
明日は合気道の審査である
深夜に寝汗をかいて
眠ったのか寝ていないのかわからないまま
眼が冴えた
今年の一月から
この日のくることを告げられ稽古を重ねてきた
その間寝つきの悪い夜は
....
ゴーサイン、そうあるべきでないこと、線路の交差、乗換え案内、小型化、軽量化、構造の繁雑化.....
冗談、胃袋みたいな鞄、鞄みたいな小部屋、小部屋みたいな恋愛、恋愛みたいな冗談。
腹痛、睡 ....
それがまるでさいごだってみたいにせつないかおしてくれよ。
願うだけせつなくなることをなんでもして
*
いろいろな噛み心地のプラスチックを食んでいる感覚
自分自身をつみあげた先 ....
獲物がいなくなった 空の下で
収縮に喘ぐ動物が 叫んでいる
「方向」はどこにあるのか
生彩に富んだ街を歩くと
猫たちは既に女性のものでなく
棺は死人のみを納めてもいない
両の手で社会を ....
始原の時を想わせる煌めく土や眩しい空の濃さが生々しく匂いたち、
かけらは、怖ろしく深い渓谷を穏やかな春に渦巻くつよい風にはこばれて渡る
その惨く美しい花の乱舞を無邪気に、遠くパノラマに見渡して ....
ひしゃげた白い空に
ひしゃげた日暈が架かっている
とりどりのチューリップは群れ咲き
金属的に笑っている
その笑い声の中を
黙示録に腐蝕された心臓がひとつ
歩いてゆく
果たされ ....
壁に壁の絵を描きます
そのうちにどこからどこまでが
本物の壁かわからなくなります
途方に暮れていると
ゴミ収集車が最後のゴミを積んで
走り去って行きます
わたしはあれには乗れま ....
死が
眠りのようだったら良い
いつもの眠りのように
目を瞑り
深い夢の中へ行く
それはとても深くて
なかなか目が覚めることはない
そうして意識だけが残り
肉体は土へ還る
....
錦糸町へ行かなくちゃ
錦糸町南口のエイコっていうスナックへね
あの子に逢いに
何!
好きなバーボンアンドソーダを飲みに行くばかりだけど
かわいいな
ほんとにかわいいな
汗に濡れた肌を ....
付き合い始めてから
決めた合言葉
長さは関係ない
お互い幸せを感じられたら
それでいい
どんなに大変なときでも
笑顔にさせる合言葉
心を結びつけてくれる
水の子ども
鏡にしるしを
つける子ども
今日は 離れて
泡の手と手
ひともとの
すべてがすべてに
あきらかな夢
青と 次の色
半分の径
仕草 ....
何も持たない夕暮れに
二度書きの日の生き死にの
近すぎる礫と礫の声
何も持たない波と波
どこまでも
誰も居らず
どこまでも
羽と羽と羽
空洞の
明 ....
遊びにきてよ
窓はがたゴトゆれるけど
月はさかさまにみえるけど
(誰も知らない夜の色)
遊びにきてよ
雨がふっていないのに
雨がふっているような気がする夜は
(それは一人だってこと) ....
薄曇りの空
昼の明度が低い
苛立ちを泡立てたような
街の雰囲気のなかを歩くと
泡に包まれた静電気が
渇いた頬にぱちぱち当たる
降るならば降ればよいのに
水の腐った匂いがする透明傘を片 ....
例えば時々虚しくなって
何のために生きてるんだろうってなって
そんな気分のまま家に帰って
付けたテレビでは凶悪事件やら
ボーッと聞き逃す僕は偽善者?
頑張れ頑張れ訴えるモデル
疑問を抱 ....
その透き通った影
彼女は微笑みながら泣いている
巨大な満月の中で
バルコニーの柵に腰をおろして
赤ん坊に乳房をあずけて
傍らに香を焚き
路地裏の暗がりに浸された長い ....
寒村にも桜が咲いている
老婆が田んぼをととのえている
大飯原発に向かっている
福島第一のまわりにも
かつて静かな時間がながれていた
田んぼのつぎの担い手は
いまどこ ....
今日も空は黙っている
通い慣れた散歩道
見飽きた変わらない風景
だから
ぼくもひとりただ黙って
歩く
今日も空は黙っている
喫茶店の木製テーブルは
相変わらず堅い
だから
....
まがいものに
きみは
こころほれて
まがいものに
きみは
いやいやをして
だけど、きいて。
しんじるということは
う ....
忙しいと言いながら
忙しそうにしている人がいた
忙しい毎日が嫌だとぼやきながら
忙しいのはなぜかしらと呟きながら
忙しさから解放されそうになると
忙しく何かを探しはじめる
忙し ....
忘れようと
あがいてみたけど
余計に
思い出は
濃くなって
いきました
似ているって
書くものが
似ているって
言われました
どこか
遠いところで
つながって
いるのかも
しれません
そう ....
雪解け
の真みずを飲みほす母は
耳もとに咲いた
花をついばむ嘴で
ちいさな足に
生年月日を刻印する
とんとんと、
角灯を倒していく
降り立った
ベランダで冷たくなった
少女たち ....
私は何もない
手にしたものは
いつも限られていると思う
目には 否定
手には 約束
3052 3053 3054 3055 3056 3057 3058 3059 3060 3061 3062 3063 3064 3065 3066 3067 3068 3069 3070 3071 3072 3073 3074 3075 3076 3077 3078 3079 3080 3081 3082 3083 3084 3085 3086 3087 3088 3089 3090 3091 3092
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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