手荷物で運ばれなかった身体が
ひょろり空港におり立った
無言でおじぎを交わしたのだが
たぶんお互い
うぶなんじゃないか
汗ばんだ呼吸が
肌を濡らしあう
寡黙は夜のようにかきまわし
....
雨を味方に
ずるずると決めないことを選ぶ
雨を味方に
こたえないことを選ぶ
ずるいね
この文字さえにじませるなんて
気配で抱かないで
私がほしいものを当てないで
あなたの声 ....
.
寄せては返す波のようだと
きみは言う
波をかぶれば返りそうな
小さな舟にぼくらは乗って
それを岸から見ているぼくら
波寄せ来れば砂は崩れ
どこに運ばれてゆくのかわからない
{引 ....
きっと皴だらけになりながら手を洗うのでしょうね 。
季節は夏をまえにして夜を短く感じます。
一昨日紫陽花を植えかえました。
早すぎたのか、なんだかとても弱って見えます。
花びらを壊して ....
運命があるなら
それは
いつまでも結ばれない靴紐に諦めを与えるような
ただの呼称だ
追いつけないレースや
焼き上がらないパンや
届けられない手紙や
呼ばれない名前に諦めを与えるだけの ....
トレモロ、
ふかい積雪のなかに、
なめらかな素足が埋もれている。
雪に焼けていく皮膚が
雪を焼くという反応。
果たされなかった握手と、
連絡の途絶えたわたしたちの氷河期。
pen ....
君がきれいなのは
僕の嘘をしっているから
僕が汚れているのは
君の優しさに甘えてるから
もうどうしようもない僕たちは
それを口には出さずに
抱きあって眠 ....
窓の縦線だけが
くっきりと濃く
あわあわと振れる宙
影の格子の濃さを嗅ぐ
遠くて近い
雑踏のざわめきは
緊迫する耳の内圧につれ
次第に弛緩し浮遊する
易しい無理を
口 ....
さよならが嫌い
帰るとこなんてないから
さよならしてどこにいけばいいんだろう
おうちに着いたらまたひとり
だから
もう少しだけ
一緒にいてくれませんか
雨の日の地下室で
僕らはコーヒーを飲んだ
君はホットで 僕はアイス
隣の二人の会話が大きい
いまならおどろかないから
ひみつの話をしよう
たわいないひとことに
僕がもうひとこ ....
苦しくなったね
言葉がでなくて
誰のせいでもなく
死んでゆくのだ
{引用=--- ラ、ララ ララララーララ ---}
なんで おしゃれ するの
きみは かわいく ないのにね
....
ひとつ、またひとつ
豆腐が落ちていく
月のテーブルから
+
引継書は、深夜
透明に
積まれて
+
陽だまりに
トマトの痕跡
使わないのに ....
{画像=110522224220.jpg}
気が付くと雨の音があって
全てが濡れている。
空気の匂いが濡れている。
自動車の走り去る音が濡れている。
風にそよぐカーテンが濡れている。 ....
昼下がりにお弁当を持って出かけよう
どこまでも続く碧い草原で
スコップを持って半歩先を進む
木の下に何かが埋まっていると信じているのだろうか
あるいは花の下に
机の下で小さく丸まって眠っ ....
美容院の新人の男の子のユビが胃がすくむほど冷たくて
君のゆびの冷たさを
記憶に呼び起こされた
抱きすくめられると不安になって何も話せなくて。
ごつくてすらっと細い指がなぞる ....
昨日が楽しすぎたから
今日こんなに寂しいわけじゃない
嘘をつくのだって
ほんとうのせいじゃない
雲が浮かんでいるのではなくて
空が高いだけ
そうやって
そらをはみ出していく
そうだろ ....
わすれていた
おまえからの電話とか
おまえへのメールとか
手紙とか年賀状とか
「結婚おめでとう」
おれおまえのこと好きだったんだ
ちょっとだけ、とか
そういうことを
そうおもっていたこ ....
雨が僕を降っていく
人々の通りの中を
歩いていく僕の肩を
雨は容赦なく叩きつけ
"地獄"という名の天国を見せてくれる
雨が容赦なく叩いていく
僕の肩に・・・僕の ....
ひとにとって
飲み食いは、必要であり快楽でもある。
と書きだして、交合は必要であり快楽でもある、とちらっと思った。
それはともかく、
旨いものほど、あっという間に喉を過ぎるのはどうして ....
なぜ詩なのか
面倒臭くて つい
手軽な言葉を投擲してしまった
口淋しくて つい
甘ったるい言葉を咀嚼してしまった
<優しさ>の優しくないアクや
& ....
蝶ちょに話しかけたり
ヌガーの包みを集めたりする
きれいなものがすきで
両うでに花束を彫り込んでいた
茶色いひとみは遠くがみえない
さみしいが口ぐせで
不思議に肌は湿ってた
朝と晩と ....
風が途切れ
銀は降り
野に鉱の手を
描きつづけている
冬の雨の指
砂と水滴
夜の右を
ついてくる光
階段は消えかけ
空を指し
夕暮れの匂いが
....
あなたが
うとうとしはじめたのを
向かいのシートで
見ていました
とても疲れているんだと
僕は思って見ていました
鎌倉駅を過ぎたころ
周りに人はいなくなって
僕と二人になりました
....
私の子供に生まれてきてくれて本当にありがとう
君の存在は私がここに生きた証となり
そして君は私のことをこんなにもこんなにも
幸せな気持ちでいっぱいにしてくれ
そして愛してくれ
....
誰も知らない物語
みんなが笑ってた話で ひとり笑えなかったこと
みんなが馬鹿にした話を ひとり聴き込んでたこと
くだらないって 誰も信じなかった話を
今でも信じて ひとり旅に出た
名 ....
丸い海岸線の向こうから はたまた山の背後から
満点の星空に向け 数秒の誤差を生みつつ
絹で編まれた 綺麗なレースが 開かれていく。
アーチを描いて 向こう側に消えていく。
北半球から南半球ま ....
幸せにしてやる
なんて失礼だよね
そんなこというから
雨だってどしゃぶるよね
幸せってなんだろって
考えようとしたのに
叩きつけられてくる
雨に興味がわいた
人が人がの列に
....
ぼくの言葉が
発した時から
ぼくの元から
たくましく
しっかりと
旅立っていって
たくさんの人たちと
心の交流があって
すっかり
内面を磨き上げられて
結果
ぼくと再会し ....
私の物語のなかで
私はきみを幸せにしたいのに
物語はそうならず
きみもそうならない
ペットボトル栽培の並んだ
彼女の菜園を見つめる
二匹の猫が
僕の気配に、耳を動かした
機械式の右手を上げて
敵意がないことを示す
猫はこちらを見ていない
夏の予行演習
あと10 ....
3017 3018 3019 3020 3021 3022 3023 3024 3025 3026 3027 3028 3029 3030 3031 3032 3033 3034 3035 3036 3037 3038 3039 3040 3041 3042 3043 3044 3045 3046 3047 3048 3049 3050 3051 3052 3053 3054 3055 3056 3057
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.02sec.