サロモン氏の邸宅は
六丁目の外れに在って
近ごろ稀な和風建築
サロモン氏はインテリ外人
がえてしてそうであるように
日本人より日本がお好き
それでお宅も純和風
白い土塀の棟瓦、数寄屋の門 ....
少年の頃 
食物をせっせと運ぶ蟻さんを 
踏んでしまい 
何故か無性に、胸が痛んだ 

大人になった今 
嫁さんは家の中で虫をみつけると 
つまんで窓外へ逃がすので 
僕も見習い、ある ....
降りしきる、夜の雨に身を濡らし 
{ルビ蝸牛=かたつむり}は真横になって 
塀に、張りついていた 

通りすがりの僕は 
(君は退屈そうだなぁ・・・) 
と思ったが 

ちょっと待て  ....
駅のホーム
立つ場所を昨日と変えて
七月の日差しを避けてみた
イキカタヲ、カエテミマショウカ
そう思った日
身体の中でボタンが押された

大きな力に
選ばれるのを待っている ....


君はまだ
この街の謎に気付いていない
誰かが言った
この街は誰かが見ている夢で
目覚めたら
消えてしまうんだと
途端に
僕の体は透けはじめて
今じゃもう向こう側が見える程
 ....
素直がいいって言われて
月に相談したけど
かたちを変える月は
黙って去っていった

明るくなれよと言われて
太陽に相談したけど
いっそう強く燃えて
はねのけていった

私の今は
 ....
駅までの道にはなかった
信じられない

ホームでは
ゆっくりと背中を押す

きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める

逃げ出すための
手段としては ....
信じられない
から
始まるモノ語り

名作とか偉大とかが
どうにも理解できずに
誰にもならいたくない

イマ
ココ

ココロを
拾う自分は
内側へとすすんでいく
かろうじ ....
汚れている
唾から、
細菌が見つかる
手の平に、
零れ落ちる
ほろほろと役立たずに
いびつな皮膚が、
落っこちている
ふやけて出来た凹凸が
小腸の柔毛のように
吸収している
 ....
あなたに
会いたいとしたとき

埃にまみれた軌跡は
食卓に
あがるだろうか




聖歌を


子どもが泣くことのない世界を


ぴかぴかの台所と
童謡を


 ....
むかし虫は友達だった
ダンゴムシ、トンボ、ミノムシ、カブトムシ
モンシロチョウにアゲハチョウ
トノサマバッタにショウリョウバッタ
アマガエルにアカガエル
ミンミンゼミにアブラゼミ
クマゼミ ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
 



男のひとは女性の下着に恋するものらしい

くしゃっとした
小さな布切れなのにね

でもそれは男の ....
いのちにあらわれる

きけんなものはいろにあらわれる

おとに

かなしくなるとねむたくなるねん

すいがらすてるやつ

そうなりたいそうでありたいそうってなに

ねころんで扇 ....
伝えにゆくだけなのに

なんでこんなに悲しいんだろう

たとえば愛人の

ドアノブにぬいぐるみとゼリーをかけた

伝えにゆくだけなのに

なんでこんなに悲しいんだろう

ひとり ....
岩をめぐる路
月もまためぐる
ひとつめぐるたび
消えては現われる


つむぎ 投げ出し
雨が持ち去る
夜が来ても
暮れのままの息


雨の手足
屋根の ....
昼間の影絵を見つめていた

虫が永遠を啼いている

記憶が引きずりこまれてゆく

風が永遠を吹いている

ひかりに熱が溶けてゆく

あなたに会うまえの幸福だった
そう、
不確かなんだよ。
君はそう言って
だから何度だって重ねなきゃいけない。
とつよく呟いた
それが
あの日の夕焼けのように
焼き付いて離れない
きっと
もう
剥がせない

 ....
平気を装っているだけです
疲れにかまけて弱気を出すと
誰かが慰めてはくれますが
それはそれで尚更惨めです
大丈夫大丈夫まだ若いから
少しくらい眠くても昼休み寝れば
午後も気合いで乗り切れる ....
デブは真実
真実がデブ
デブは汗かくこと
汗かくことデブはきらい
デブは食うこと
肉だけを食い続けること

デブには触らないこと
触るとネチョッとするのがデブ
デブは手を伸ばすこと
 ....
おとなになればみんなケチになる

だからおれはケチではないおとなになった

だから

こころをゆるしあえるのはケチではないひとたちだ

ケチなおとなとはけっきょくわかれ

ケチでは ....
  風が細り
  土が痩せる
  人の心は落ち葉のように
  秋には秋のかなしみ
  寄り添いあって焚き火をする



  闇が冷え
  光がけむる
  静かな予感で街は煌 ....
 
 
今日、世界は晴れている
引用句を継ぎ足してつくられた飛行場から
貨物便が離陸した
生き物の涙や汚れたシーツ等を積載して

至るところに扉をノックする人がいて
人にノックされる扉 ....
名前がない

出かけなくちゃならないのに
服装バッチリ決まった筈なのに

名前がない

急いで引きだし全部開けたのに
押し入れの布団まで出したのに

名前がない

ポケ ....
小さな頃は
空は遠い存在で
夕焼けに真っ赤に染まるとき
なぜかさみしくなりました

いつから
こんなに近くなった
手を伸ばしてつかめそう
雲がもくもく語りかけ
すいこまれてゆきます
 ....
アナログテレビがもうすぐ見れなくなるってのに
私ときたら 35年も使い続けてきたこの感情とやらを
いまだ上手く操作することが出来ずにいます


物心付く前から 人の嫌な部分をまざまざと見 ....
ガルシン 
わたしの
針葉樹と広葉樹の原生林
広いみずうみに向かって吠えていた
あの人
暗い空から
いく筋もの垂れる塩 そのまま
丸太小屋に隠れる尻を出した男
その狭義の意味での家畜を ....
かろやかに
まどろみながら
さやさやと
淡々と

すぎてゆくときのしらべ

やさしさと
けだかさと

輝く背中
そして明日へ

ほほえみながらはかなげに散りゆくのは

か ....
黒くてまあるいテーブルに
まあるい背もたれの黒い椅子
空は何処までも黒くて
此処は光の帝国だ

暗闇に生えるシャボン玉の七色の渦巻きを見ている
僕が毎日学校に行って普通に暮らして ....
まどろみの中
うつろな表情を隠さず
診察台の上で
恥ずかしげもなく
両足を広げるおまえの
肉襞をかき分けようと
クスコを無造作に突っ込んで
中を見るとそこには
無数に散らばる
光り輝 ....
雪よりも白い糸が
どこまでも続く

途絶えぬ筆記体の線が
サインは何処までも

{ルビ終焉=おわり}を知らない
時々刻々のように流れていく

どんなに流れても
忘れない

君の ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
サロモン屋敷salco5*11/7/18 22:48
虫をはなす 服部 剛111/7/18 22:38
蝸牛の時間 211/7/18 22:24
イキカタヲ、カエテミマショウカ御笠川マコト111/7/18 22:24
itukam...211/7/18 21:58
星に似た命朧月311/7/18 21:31
さいごを逃げる[group]中川達矢5*11/7/18 21:30
保護色[group]0*11/7/18 21:14
赤々と汚れている長押 新1*11/7/18 20:39
白い声madyaw...1*11/7/18 20:39
蝉のいない夏木屋 亞万1*11/7/18 20:02
確信のひと恋月 ぴの26*11/7/18 18:59
春ノ近イ夏ニ通ウ(断片)吉岡ペペロ211/7/18 18:47
伝えにゆく111/7/18 18:44
いない かたち木立 悟311/7/18 18:44
夏の木漏れ日吉岡ペペロ111/7/18 18:43
りょう /ふかくかんな5*11/7/18 18:36
赤い靴メチターチェ...2*11/7/17 19:18
Debu[group]花形新次011/7/17 19:16
道徳吉岡ペペロ111/7/17 18:39
かなしみの四季草野春心4*11/7/17 17:45
news paperたもつ311/7/17 17:33
名前がない!Seia211/7/17 16:28
空が私に近づいた朧月211/7/17 16:23
リサイクルできますか、このどうしようもない感情を涙(ルイ)111/7/17 14:19
ガルシン わたしの非在の虹011/7/17 13:14
ドライたそがれ龍生011/7/17 12:28
星に願いを透明な魚311/7/17 11:59
生誕するもの寒雪0+11/7/17 11:51
小石丸subaru...11*11/7/17 11:11

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