僕の中に小さな女の子がいる
無垢な目に鋭さを湛え
頭には白い花のかんむり
僕の中に女の子がいる
僕は彼女に恋をしている
それは君じゃない
君 ....
人と人が出会うように
男と女が出会うように
心と心が
出会い
お互いに触れて
重なり
子供が生まれた
彼らはその子を心と名づけた
生まれたとき心は水のようで
差し込む光は透過しな ....
.
ここはもう揺れはしない
神々の住む丘に囲まれて
赤煉瓦と疏水の流れる大地
東からの旅人を穏やかに迎える
.
あなたのぬくもりに充たされ
た部屋ふいに目覚めるわたし
スクリー ....
林から叫び声が聞こえる
木を割いたような声である
お客は驚いて
あれは何だ
何が叫んでいるんだ
と尋ねてくる
いいえ
鶏を潰して
いるだけです
控えめに答えると
お客は安心した様子 ....
いつも自分を赦せなくて
だからせめて貴方に赦してほしくて
唯、赦されたくて
オーブンレンジが
動くときに聞こえる音に似たうねり
楕円的な渦巻きの軌道
高いところから落ちて破損した
もう聴くことのないCDとそのケースみたいな一日
テレビの ....
いいことをした人を教えてくださいと
先生はいいました
ほめるためにそれはありました
悪いことをしてはいけない
それは知ってても
自動的になる悪にはだれも抗えない
君が待ってるその場 ....
今なら変われる気がするんだ
空が青だったから
今なら変われる気がするんだ
空が青だったから
ただそれだけなんだけど
ちらっとだけ見た
ほんの一瞬優しく見えた
気のせいかな
涙なんて ....
水の
こぼれ落ちる音が、すき
みずしらず、な
はずもないのに
わたしはまったく
かなしいさかな
・
水が
なくのを
聞いたことがない
そのくせ
わたし ....
北に面した 小窓で
サーカスをみせてくれた 1翅の紋白蝶
南に開いた 大窓で
スクランブルを見せてくれた 一羽の野鳥
どちらも 一瞬だった
「生」の ....
あの温度のなかで
溶け合いたい
すなおな声出したい
それを聞き合いたい
溶け合いたい
あの温度のなかで
指が触れると濡れている
質問に頷かせて愛おしむ
....
萎んでいくゴムみたいに
消えてしまって
僕は煙草を
持て余してる
いや後輩にね
刺青させて下さい
言われてね
刺青だったら良いよ
って言ったんだ
価値など無いし
価格も無い ....
誘導された庭園で、不意の深呼吸。
どういうわけか
頂いた気分になれずにいた。
吐き出そうとすればするほど
それだけ加算されていってしまう。
吸い込み口としての宿命を捨てるための知恵が ....
慈愛に満ちた器の中で
小さな生命が動いている
朝陽浴びる日を
抱いてくれる愛の手を 求め
器の中で静かに開かれる日を待っている
慈愛に満ちた器の中で
小さな生命は逃げ回っていた
己を ....
サマーウェイスティング
また 夏がめぐる
夏休みは
夏のお休み
ただ それだけ
街灯に蛾がへばりついて火をふいて
落下した
螢みたいに
蛾は脂を燃やして落ちていきながら
....
それでも星は羽ばたいて
ぼくを夜のそらへ 浮かび上がらせる
雲間からのぞく 朝のつぼみ
いずれは押し寄せる光のざんがいから
隠れているのに
戦うために、
青年は武器を持つ、
背中には、
十字架を負う、
張りつけられてはじめて、
罪となる誰かの、
背中に乗せられた、
たった一つの都市すら
発する言葉を
失ってしまった
....
はやく死んで欲しいと思うのは
長生きして欲しいと思うのとおんなじです
長生きして欲しいと思うのは
はやく死んで欲しいと思うのとおんなじです
どうせ価値ある一瞬です
コ ....
掬い上げられた水は
もう指の間から逃げ出すことを
考えている
地球の重力から逃れて
日に日に遠ざかっていくお月様は
とうとうその背中さえ見せず
呆れ顔のスフィンクスは
もう人間た ....
何時もと違う電車の中
開かない扉にもたれ空想の中
明日の事 もう どうでもよくなって
何時もと違う電車の中
知らない景色にもたれ空想の中
昨日の事 もう どうしようもなくなって
....
隔離棟の冷たさと
大家族の真夜中と
テロリストの孤独と
若者の不満と
飛び立つ白鷺と
絵画の儚さと
西日の美しさと
私の影と
時計の針と
揺れる心と草舟とカーテン ....
今日の気分に合った曲を
散らかった車内に満たすんだ
携帯の着信が聞こえないほど音量を上げて
廃れた街を走り抜けて
思い出の無い道を進む
「未来は変わってゆく」
スピ ....
どんな悲惨も
無よりはましかなと思って
野良猫たちの生を
肯定してきたのだけれど
汚いったって
臭いったって
生きてるってのは
そんなもんでしょうって
でもソマリアの餓えた ....
優しい君はきっと言う
「貶める事なんてないよ」
僕は知ってる
そんな君に甘えてる
有るんだよ
そうする理由も
そうする意味も
繋ぎ止めていたい
惨めなやり方でも
優し ....
ネクストバッターズサークルの新井が
ホームランの夢を見ているとき
マウンドの岩瀬は
スライダーの握りでサインを待っている
バッターボックスのマートンが
ほほえみながら地面をならすとき
ダグ ....
一枚一枚
念入りに引き寄せてから
そのあと
一枚ずつ丁寧に羽織っていく。
「この蕾の中には、何かいるぞ」
思惑が、どんなに咲き乱れようとも
羽織は既に
この通り
完了し終えてい ....
白妙の開襟シャツを
風が吹き抜け
猪目山には
夏の雲が浮かぶ
ピンで留められた
7月のカレンダーは
はるかな尾瀬の
遠い空
固い凍土に覆われた裏庭で
キャチボールをしよう
....
原さする原
鳴く原に降る
雨の文字
手のひら
火ともし
まぶた うつほ
指ひとつ 空を隠し
ゆらゆらと潜むもの
巨きな 花のかたむき
片目をつ ....
空いてます
ぼくのとなり
とても広くて
あなたのわがままはすべて叶います
来ませんか
ぼくのとなりへ
ちょっと高くてこわいし
階段もないけど
その右手も 左手も
ぼくに差しの ....
満点の暑さを引き連れて
夏はやってきた
蟻の大行列は
トンネル深く沈み込んで働くことを諦めた
公園の噴水は
温水となってまわりに放出し始めている
花々は枯れ始めた
....
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