とおくのびていく
声、
ういういしくかなしい
静かさの相貌を帯び
わたしは失なわれた
ふるさとを想う
ふるえながらふるえながら
明日のことは
誰にもわからないから
....
冷える肉にて開けた朝、
青い空はまた初々しく
哀し、
雨降り夕に待ち続けた人
今最果ての地にて生きる
だいこんを抜く
よく太って近年にない出来映えだ
ぢの痛みを我慢しつつ植えつけたから
ご褒美なのかもしれない
この冬は
だいこん、たまねぎ、そらまめ、茎ブロッコリーが
畑で育つ
いつも ....
開け放たれた窓から
少しずつの午後が入ってくる
空港は徐々に丸みを帯びて
羽の重みに耐えかねた蝶が
不時着をしている
机の上には生まれたての雲
いくつか家の事などを済ま ....
今までさ
生きるのしかだめでさ
人様に迷惑しかかけなかったのに
今は皆から憧れられて
私と同じ事を始めるひともなんかいて
全然嬉しくないんだ
全部の声にこたえられな ....
肉の苦痛に、薬飲み続け
意識の乱れに、酒呑み続け
ええい、ええい!
すべては消え去っていく
すべては過ぎていく
無常を貫く一本の矢、
それだけを掴みたいのだ
そのための日々の ....
イリアスは、このガージェスという男には逆らわないほうが懸命だ、
と判断した。この男の言葉とは裏腹に、
彼はいつ彼女を殺してもおかしくないように思われたのだ。
(そして、グーリガン様をも手にかける ....
「傍流の傍流?」怪訝な面持ちになって、イリアスは尋ねた。
「そう。ライランテの支配者には、アイソニアの騎士がなれば良い。
わたしは、その中の一部の領土の支配者となる。
祭祀クーラスを排斥して ....
「わたしに……女王になれと?」と、イリアス。
「今はまだ、その時ではありません。しかし、
アイソニアの騎士がライランテ大陸を平定した後は、
あなたはその女王になるのです」と、ガージェス。
....
荒々しい
牙、剥き出す
夜の闇に
わたしは待っている、
再び閃光走るその時を
たましいに沸き立つ、
イメージを
竣立し輝く岩峰を
荒々しい
牙、剥き出す
この夜の闇に
....
○「一日」
人生は一日一日の積み重ね
一度しかない
いつまで持つかわからない命を
どう使っていくかに尽きる
怠けて過ごすのも一日
目標を決めてチャレンジするのも一日
不平不満を言いながら ....
物心つかない君は
まだ産まれていないまぶしい時間を生きている
この時間はまだ世界の胎内にあり
君はこの時間を記憶できない
君の楽しく充実した一日は
光り輝く断片の中に遺失され
君は毎日 ....
肉体の滅びに
生きれる時間、限られて
意識進化にやれること
日々、持続し忍耐し
内面深く未知を掘る
物、在り
静か鮮明に
漆黒の闇に浮き上がり
何か絶えず語りながら
認識される瞬 ....
寒さに怖気る身に鞭打って自転車で買い物に行った
セブンイレブンに寄ってからドラモリまで往復すると
5キロを超える距離になるので結構な運動になる
紙巻タバコを二つとパック入りの味噌汁を一つと
コ ....
あこがれ、
朝に目覚めて
濡れ光るアスファルト、
無数の影、映し
進む時間
傘、さしたり ささなかったり
遠い山並み、蒼く連なり
冷たい風吹くなか
人、忙しい営みに生き
傘、さし ....
何人追いこしたって
何人にぬかれたって
前にも後ろにだって
いっぱいいるよ
もういいじゃん
ぬかそうが
ぬかれようが
そんなことに
いちいち
こだわっていたら
身が持た ....
今までになく
キレイになりたい!
かわいくなりたい!
と、
美容に熱くなっている
私がいる
既婚になってからって
いう
意味わかんないタイミングで
登場した気持ちに
ビック ....
おち葉
ひかり 透明にしてきた日
まっ直ぐじゃいられず
影も欲しかった
くるくる舞った
金網かぶせの
十字路 貯水槽ぷかり
星はひとりでなったんじゃない
誰かにまるめてもらったもの ....
意味が剥離して
淫靡な亀裂、
多淫な破裂、
花咲く陽光の丘に
記憶の忘れ物
じぶん、行方不明
深い眠りに
意識は跳躍し
眠りのなかに
覚醒する
聖なる次元、
巌の輝き、
直 ....
役付けの先約、ふしだらな川に流す
彼方の名前を心臓に射す
儚くも あんたは! あんたは!
今! 一歩
足跡はすでに過去を示唆する
今! 未来を焦がれる囲いに縋ってそれで
過 ....
一分一秒がおしい
あんなに待った 新学期だもの
かがやき五割増し
教室のノイズ
たったひとつだけ清潔な胸元
あたたかな気持ちと苦しみが告げる
それが夏のおわり
愛おしい
遠くの ....
サクマのドロップ缶には
カラフルなドロップの
挿絵が描いてあって
ほかのところは金色のメッキで
平べったいブリキの缶の上の
小さな丸い蓋をポンッと外して
傾けるとコロコロと音をたてて
....
昨夜
夜中にどうしてもコーラが
飲みたくなったので
自転車でコンビニまで出かけた
タバコを買いに
朝、また出かけるのが嫌だったので
遠くの別のコンビニまでハシゴして
フォルテを二箱と ....
頑なな寒さ、訪れ
肉の冷徹、巌の如く
今日は曇天にて
その裸体を曝す一本の立ち木、
通り沿いに在り
擦れ違う人、背を丸め
街の電飾、青く一層輝き
私の意識は今、明晰にして
季節 ....
○「まだ か もう」
「まだ」か「もう」で
ぜんぜん違う
僕の気持ち
○「歌謡曲」
歌謡曲は時代を映す鏡
三船和子さんの「だんな様」を
聴いて
つくづくそう思った
「私の大事なだ ....
お月さんよぅ
誰も見上げてないよ
平凡な様子だからかな
月蝕の時と同じ月なのに
毎日同月
ややこしいな
(ちがうよ)
誰かしゃべった?
お月さん?
毎日、別の月だったんだ ....
二〇二二年九月一日 「フィリップ・ホセ・ファーマー」
ぼくの大好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの本が Amazon のネット古書店で、1円とか2円で売っている。なかには数千円のものもある ....
俺も彼と同じで
結構なヘビースモーカーなんだけどさ
どうにも最近
寒いせいかノドの調子が悪くてね
痩せ細った病人みたいに咳き込んでは
挙句にはコントみたいに声が裏返っちゃってさ
それがなん ....
蠍
蒼い蠍のブローチは
母の思い出
宝もの
魚藍に集めた梅の花
隠して生まれた
宝もの
蒼い蠍は見続ける
移ろい変わる
我が家族
ときおり夜中に
目覚めては
父 ....
休みやすみしつつ倦怠感と闘いながら
洗い物と米研ぎを済ませて、ご飯を炊いた
後は卵を一個茹でて、茹で玉子にして
レトルトのカレーを温めるだけだ
今夜の夕食は、茹で卵乗せカレーだ
昨日、使 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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