漆黒の
闇の静かさに
潜むもの
余白、一拍
風吹き抜け
傘がない
貴女に逢いに行かなくちゃ*
街はイルミネーション
降りしきる
雨、冬の
開ける海
初めてみた
その広漠 ....
リアルな打合せの
ホワイトノイズで
トイレでサボれた職場
リモート会議で
抜け出せない
エンジン音の
ホワイトノイズで
無言でも平気だったが
アイドリングストップで
コミュニケー ....
{引用=鬱蒼}
鉈で枝をはらう
雑木林に入口をつくる
入ったからといってなにもない
暗く鬱蒼としたそこに
誰を招くわけでもないが
時おりもの好きな通行人が
ちょっと覗いては去ってゆく
....
心がとっても嬉しくて
笑いたくなる帰り道、
夕暮れ時の家々に
あたたかい灯(ひ)がともるころ、
体は少し寒いけど
すぐに我が家へ辿り着く。
悲しみなんて世界には ....
「具体的な考えを聞かせてもらおうか? いや、まずお前の名前だ」
「わたしは、ガージェス・ノルディア。オーバ・ニーチェのナンバー2です」
「オーバ・ニーチェは、祭祀クーラスの作った密偵網だと言ったな ....
事態というのは、刻々と移り変わっていくものである。
しかし、長い間平和な時代が続いたライランテ大陸では、
今回の戦争は、痛手と悲痛とをもたらすものだった。
「戦争というものは、誰が勝ってもおかし ....
「それは出来ません。彼女は大事な人質、いいえ、交渉の{ルビ緒=いとぐち}です。
あなたから、最善の道を引き出すためのね」ガージェスの口は滑らかだった。
「わたしはあなたに一つの提案があります。こ ....
午前八時、
朝の散歩に出る
アパート二階の戸口にて、
冷気、顔面を刺し
意識、ハッと
覚醒し
見上げる
空、
あおくあおく
ただ青く
ふぅと息吐き
この世界の一角、
....
静かさ、束の間
病む身を包み
虚脱、ただ受け容れ
穿たれた時の窪みに
静観し疼く肉、埋める
ケープを纏うような針葉樹林の奥に棲んでいる
刺青を着るここは、ビー玉の空がありますか
鈍色の四肢を投げ出し、もがく姿態のかぎりに
視界いっぱいに、息を吹き返すだけの
ラウンドフレームサング ....
あけるよる
べろんとかがやくたいようの
まなざしにとけ
のまれゆく
ししゃふるししゃふるひかりのうみ
およいでおぼれてすっぽんぽん
むきみでうちゅうをわたっていく
さいはてのちにていみう ....
理科の授業で実験のある時に限って
やたら目を輝かせていた小林くんは
セイタカアワダチソウの
蹂躙する広場で消息を絶った
缶けり鬼の高く蹴り上げられた缶は
とうとう落ちて来なかった
少し遅れ ....
自分の中に芽生えたこの仄かな希望を
大切に大切にしよう
いろんな事を乗り越える事が出来たのも
希望がいつも自分を守ってくれたから
希望よ こんにちは
勇気よ こんにちは
太陽光線よ こんに ....
黄昏の
駅に降り立つ、その瞬間、
瞳にきらめく夕陽の残光
昔から
闇へと向かう道が好き
あゝ、そんな癖、だけが抜けない
棄てるのは
昔を想い出す癖と
....
紅葉は終わりかけ
枯葉となり落ちていく
今日は風が強くて
寒さが増す感じで
冬の入口付近を彷徨っている
枯葉を踏んだ音がいい
何度も踏んでみたくなる
綺麗だった紅葉
寂しく ....
白い巨人、大股で
光の天空、過ります
ゆっくり流れ
両手を開き
夢の形象、生動し
この世界は形象で充ち溢れ
僕らはそれらを嬉々と読み取る
この世の未知なる顕れに
次々時の輪郭、浮き ....
アイソニアの騎士とヨランとは、指定された場所へと赴いた。
そこで待っていたのは、イリアスを攫ったガージェスである。
「ようこそ、騎士様。わたしは、あなたがお逃げになるのでは、
と思っておりまし ....
時刻は、イェルバの時を回っていた。
街は、薄闇のなかに包まれている。密談には適した時間である。
アイソニアの騎士は、ヨランだけを連れて行くことにし、
ハザック・アザンに対しては、屋敷で待機をする ....
アイソニアの騎士の勘は当たった。
ハンザガルテのマチーリニア地区にある、神殿の地下室で、
イリアスを預かっているという伝言が、
アイソニアの騎士の元へと届けられたのである。
その場には、盗 ....
○「教育とは」
上から下へ一方的に教えるというものではなく
子どもとともに親も先生も成長していく活動である
この基本的なことを理解してないと虐待ゃ体罰が起きやすい
○「終活とは」
老いを ....
僕の怒りの延命処置が
それでも終わりへ突き進む
自ら進んで突き進む
姿を見てはやり切れぬ
思いばかりを募らせて
苦情の住民
苦渋の決断
事情がわからん
幸薄い僕らは
幸ある声がた ....
灯り消え
夜闇に
鎮まる
街、家々
わたしは
独り寝の床、
整え
眠薬服し
蒲団被る
人は毎夜、
深い眠りに
恒星たちの
うた、聴く
という
意識失い
光 ....
悪い子の夢
これ以上の傷はもういらない
はだしで冬の町を歩かされて出来た
お風呂蓋のくぐりに仕込んだ水の矢
悪い子にお似合い
固まった血の粒を見てみる
生きてる意味がはっきりと解 ....
遅刻して飛び起きて夢の中で時計を見たら遅刻していて飛び起きて時計を見たら遅刻していたから慌てて出かけて飛び起きて、そういうのを悪夢というのだろうけど、不安が体現されて虫になったような、心から祈りが垂れ ....
詩作の為にパソコンのキーを
右手だけで打っていたら
右手が腱鞘炎になったみたいで
右手首が全体的に腫れて痛い
昨日は詩作が出来なかった
今朝は夜中の二時に起き出して
銀行の口座に振り込 ....
とおくのびていく
声、
ういういしくかなしい
静かさの相貌を帯び
わたしは失なわれた
ふるさとを想う
ふるえながらふるえながら
明日のことは
誰にもわからないから
....
冷える肉にて開けた朝、
青い空はまた初々しく
哀し、
雨降り夕に待ち続けた人
今最果ての地にて生きる
だいこんを抜く
よく太って近年にない出来映えだ
ぢの痛みを我慢しつつ植えつけたから
ご褒美なのかもしれない
この冬は
だいこん、たまねぎ、そらまめ、茎ブロッコリーが
畑で育つ
いつも ....
開け放たれた窓から
少しずつの午後が入ってくる
空港は徐々に丸みを帯びて
羽の重みに耐えかねた蝶が
不時着をしている
机の上には生まれたての雲
いくつか家の事などを済ま ....
今までさ
生きるのしかだめでさ
人様に迷惑しかかけなかったのに
今は皆から憧れられて
私と同じ事を始めるひともなんかいて
全然嬉しくないんだ
全部の声にこたえられな ....
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