西日でぬるくなった床に
灰色のハンチング帽を落とす
埃の膜がふんわりと散って
光の白い模様を描く
リュックサックをベッドに抛って
窮屈なコートをハンガーにかけ ....
灯りに集まった虫達は死んでしまったけど、灯りはまた点くし、虫達には沢山の子供達が居るだろうから僕は明日も掃除が出来る。
貴女の舌をください
と頼んだ
清々しい朝の匂いのする舌だった
僕は衣類を脱ぎ捨て
土中のもぐらになって暮らしはじめた
い 一笑一若(いっしょう いちじゅく)
一味(ひとあじ)ちがうよ 来年年女
ろ ロバのバン よべどさけべど のろまなバン屋
は 馬簾菊 バテレン来襲のごと 過ぎし夏
に 仁王 ....
世界の果てには物語が待っていると思っていた
幼い誤解そのままに生きてきた
物語は僕自身だと知らずに
沢山の街を通ってきたし
最後の列車にものった
季節が変わるのを ....
小さな冷たい森の中の
白く可愛らしい喫茶店で
少女が朝の紅茶を飲んでいる。
少女の華奢な肩の上では
うぐいすが首を傾げて
こくり こくり
居眠りしている。
1人の ....
高い空から
ゆっくりゆられ
ゆっくりゆられ
落ちてきた
ひとひらのゆきのかけらは
頬をひやりと撫でて
消えていく
耳奥のずっとまだ奥の
しぃーんとした
....
小さな虫が
私の絵の中で死んでいる
6号カンバスの隅っこで
描きかけの絵の具に肢を取られて
チタニウムホワイトの上で死んでいる
ささやかな着地の代償として
ささやかな苦悶に果て
ささやか ....
熟成した
ありがとうの肩越しに
平坦な
おはようとおやすみの隙間から
垣間見える結び目
熟練した
ごめんなさいの背中に
平熱の
いってきますとただいまの文字間から
透 ....
アマゾンの絞殺し屋といえば
大蛇アナコンダを思い浮かべるかもしれないが
本当はもっとすごいやつがいる
アマゾンのイチジク
それはジャングルの生態系を支える基幹植物のひとつ
細く弱々しい姿で巨 ....
のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば
近代日本の夜明けを描いた作品のあとがきとして書かれたこの詩をわたしは好まない
坂という使いふるされたイメージとひか ....
新しい朝が来るまでは
楽しい話をしよう
まだ吹いてる風
苦難
君の街に辿り着くまで
浅ましいだなんて
言えなかった(誰に?)
傘に隠れたフリだけ
癒えなかった(何で?)
....
メールが
かえってこなくて
きらわれて
いると
わかって
もう
にどと
てを
にぎったり
できないのと
わらっても
わらいかけても
くれないと
わかったとして
それは
き ....
夜にざわめく
海原にちいさな風
ひかりを求めて
さかなたちが踊る
爪月のほとりに
熱がつづく
眠りを急いて
夢を強いて
はこばれるすべて
行き来する波
呼吸のやりとり
は ....
雨がやみ
雪になり
枝から径へ
つづく足跡
縄をちぎり
空は帰る
縄は燃える
蒼く 燃える
雪のむこうに
海があり
さまざまな色の火が
流れゆく
....
これから人生を刻むモノ
蒼く澄んですがすがしく存在する
そして世界は君らのものさ
ためらいもなく廻して欲しいのだ
世界を宇宙を
1歳だよね
瞳輝いているね
....
いち日に三人とシーツをみだし
またそのたびちがう人を思いうかべ
いったい
こんな液体の行き交いが
なにを意味しているのだろうと
かんがえてみてもわからない
わたしのあしゆびは冷えきって ....
目が痛い
目が痛い
泳いだあとで
目が痛い
見たものは
忘れてきた
脱いだ服は捨ててきた
欲しいものは
手に入れてきた
でも
目が痛い
水を飲んでも
まだ
痛い
....
お前が純粋な魂を持って
この世を渡った事は誰もが知っている
だが余人達はそう受け取らぬ
彼らはその汚れを正当化するために
魂の純粋無垢を信じぬのだ
・・・お前が純粋な魂を ....
暗闇の中
無限に続いている動く歩道がある
歩道だけが薄く 薄く照らされている
右、暗闇
左、暗闇
時折 巨木や巨石が
左右に生えては消える
時折 川面や海原が
左右に流 ....
心臓が止まったら
私は死んでしまうらしい
動けと思わなくても動くけど
止まるなと思っても止まる時は止まる
私は心臓をコントロールできない
心臓は身体の核
過剰に動くと辛そうに血を送る
....
あれは、夢か現か幻か。
風が強いあの日。
いつもと同じように帰るぼくのイアフォン越しに、
低く掠れた、重低音。
大人の男の声で何かを啜り、飲み込む音を聞いた。
何事かと周りを ....
窓を開け放つと風が発泡する
それも少し前の記憶
目が覚めている領域に
睡魔は
棲みつく
眠ればこっちのものだ
ヒトの器を残して
記憶は更新され
忘れがたきモノ
は
核廃 ....
「時」のしもべは
カラオケが得意だ
それは
そう病の遠吠えか
うつ病の嬌声か
「空」のあるじは
ハミング ....
宇宙飛行士が浮遊する
あてもなく
母船と彼をつなぐ命綱は
へその緒で
きっと彼は赤ん坊
これから
地球へ
これから
誰かに
会いにいくのだ
親父はけっこう自由だ
無いものは金と彼女だけで時間だけはある
幼稚な恋愛ごっこにも疲れてしまったし
Amazonで買ったダンフォーゲルバーグばかりが慰めなのだ
自分を縛 ....
しょくぱんみたい
なんにも塗ってないときは
そっけないぽそぽそです
赤いジャム塗って
どきどきおしゃれでしょ
はらはらオレンジマーマレード
波打つバターは貴婦人風
そこにある ....
きらいなけしきは
きのうにきえてった
街の夜は
妄想を許して
どっかにきえてった
自転車のタイヤ
自転車のタイヤ
ふたりのふりして
言葉と言葉
接続はゆがんで ....
半分どこかへ
わすれながら
歩いてきたけど
最初だけ意味がなくて
終わりぐらいには
価値ある何かに変わるなんて
錬金術なんて信じない
久しぶりに
はなしに来たよ
暇だったから ....
私は死んだ
生きていない そして
生きていた頃の夢を見ている
幻を 歩いている
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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