切り取られた一枚の記憶が川下へ流れては沈む傍らに
日暮れを思い起こせば深く胸に刻まれた年輪の危うさ
地上より高く聳え立ち
波は大きくうねりながら目蓋を伝い近づいてくるけど
‖溜まりに浮かぶ ....
仕掛けではなくて
普通のオフィスである
優しい表情でいた男が
背中を向けて振返ると
窓の方を向いて
皮膚が蒼白くなり
眼が鋭く光る
その顔を見た途端に
心臓に短刀が刺さる
逃げ出して ....
ある用事があって久しぶりに
母校の大学の図書館を訪れた帰り坂
どこかから何かを燻らしている様な
芳しいとも苦っぽいとも想える
懐かしいような想い出したくない様な
薫りが否応もなくぼく ....
ひらり おちる
消しゴムのかす
えんぴつを研いだ時の
木の破片
真っ白なノートに書きなぐった
たくさんの言葉たちが
笑う 泣く 笑う
書いては消した 小さな唄
ちっ ....
雨が降っている
雨が降っている
天気は西から東だから
夜中頃には飯田橋に届く
雨に願いを
雨に願いを
僕の夢は叶わなくていい
君の全てを肯定しよう
雨が ....
たいようの直下で
あおあおとした稲妻を注ぐ空を見た
母が困り顔のまま少し笑う
午後二時の積乱雲
影が濃度を増して
昼間の星が透けて見える
どこへも行かれなかった星座の線のような
稲妻 ....
誰かに表明できる素晴らしき自分がある人らに
羨ましいと思うと同時に 妬ましくも思ったりさ
なんて貧相な感性なんだろう
世界は素晴らしき灰色に満ちてるって言うのに
この醜い感傷を定義する名詞 ....
歌声をたよりに 君を探してた
夢だとわかっているのに それでも君を…
点々と続く足跡は猫みたいに小さいのに
その向こう側に君がいると確信する僕
足元が滑って まるで地球儀の上を歩いてるみた ....
なかまとあそんでると
かぞくが
たいせつになる
かぞくとすごしてると
なかまが
たいせつになる
ひとりでいきてると
どちらも
たいせつになる
まようなあ
し ....
小さな家のベランダに
くつしたが干してある
大きなくつしたはお父さん
中くらいのはお母さん
ちっちゃいのは赤ちゃん
足の家族
川の字に並んで
風に吹かれてる
ドアの前に立ち
ポケットに手を入れ
家の鍵を探していた
古い玄関灯が
暗闇の中から
鉢植えの植物を
浮き立たせている
ふと見ると
合同な三角形で
濃い白色をした
蛾のたぶ ....
バンドネオンの演奏を初めて生で聴いた。
黒い直方体の蛇腹を拡げたり縮ませたりしながら、
左右ともに30以上あるボタンを押して演奏するその楽器は、
習得の難しさから悪魔が発明した楽器と ....
私はもうすっかり
おかしな人になって
それからずいぶんになる
何しろいろいろあったり
あるいはなかったりしたのだから
無理もない
夜中に煙草が切れた
もういまやこれだけで
おかしな人と ....
木々が風に揺れている
甘いだけじゃない新緑の香り
輪郭のない幽霊みたいな緑いろ
こころの美しい象さんのようだ
木々から逃れられずに身もだえている
それを見つめることを ....
死んだら尼信の本店の普通の9155473に
六十三万入ってるから
....
母の日がすぎて
枯れるしかないカーネーションが
花屋の奥に隠れている
ありがとう も
ないよ ね
今さら
なんでもない日に
ぼさっと訪れて叱られようか
母にとっての子供でいた ....
ノイズをもってこい
おれを食ってくれ
鳥が死んだんだ
だれにも知られずに
メロディーはいらない
ノイズをもってこい
思想はいらない
おれを食ってくれ
庭師は庭を焼いたんだ
....
ぬかるんだバス停で
いやらしい下半身を
露出した時計
ポピーの花束を持って
佇んでいる
金属製のモノを
口に含むと
すぐに射精し
その異物を手に吐き出せば
様々な言語の断 ....
ここにあるのはただのがらくた
偽物で繋ぎ止めた
僕の透明な城
見える奴にしか見えない
はりぼての城
僕はそこでしか呼吸ができない
僕はそこでしか物が見えない
僕はそこでしか声を出せな ....
お金とのめぐり合わせ
悲観に胸を打たせず
雇われ芸人のように平らな道で滑る
お金よりも大切なもの
そんな美徳 3拍子で振り終える
マーフィーを書き写す がむしゃらな上り坂
頭だけ ....
深い 深い
濃い 濃い
広がりなのか
狭まりなのか
ドロ ドロ とした
トロ トロ とした
ゆら ゆら とした
ゆっくり と ウネるように
点はないけれ ....
村の外れの道祖神
何時からそこにおわすのか
村の平和を守るため、
悪霊妖怪退散の
結界 男女二柱
天津麻羅の矛を持ち
猿田彦と天宇受売命(あめのうずめ)か
村の外れの道祖神
苔生 ....
薄日
午前と午後のはざま
直径8mmの無数の穴から私は
偽物かもしれない平穏を覗き見ている
こんど メールを送ります
そういっていなくなってしまった人たちや
畳に敷かれた二枚のお布団のこと ....
僕は知ってたよ、僕は人の好意を受けるような資格のある人間じゃないって。
ラーメンのスープのように濁った世界。
宇宙では、星雲が、ごうごうと唸りを上げて時間に踊っている。
掃除婦のおばあさん。あな ....
全てが忘れられ
全てが過ぎ去っていく
人々はその事を
時々忘れたような顔をするが
やっぱり全ては忘れられ
全ては過ぎ去っていく
それでも君の笑顔だけは
僕の心に残っている
裏道で春を売る女たちの笑顔
謳わない金糸雀の末路を知る
深夜一人で自慰にふける大人
街中の虚ろな目をした子供達
皆が悲しい詩人だった頃の話
優しかったからキスをした
激しかったから抱き合った
気移りしたから首を絞めた
温かかったから抉り取った
それで一生私の物になった
ボロボロの毛布を子どもの頃いつも持ち歩いていた
それは僕にとって母であり祖父であり分身だった
手放したのは中学の時で好きな子ができたから
今大人になってあの毛布の ....
隣室から響くオルガンの音で目が醒めた
そこには何もない
ただ 君と過ごした時間の跡形だけを そのままにしてるだけなのに
やっぱりオルガンが鳴っている
ノックをしたら 音楽は止むだろう
....
ベッドの上に宇宙を広げる
彼との間に導線をひき
私は今を塗り替えた
暖かい闇に包まれる
どこかで唸る救急車も
私だけは、ほっといてくれた
難解なテレパシーで
彼は私に詩をくれる
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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