深夜にカッコウが鳴く
ホトトギスと同類の鳥
托卵が習性とは云え
さぞ悲しかろう
住宅地に陽光の訪れる前に
さぞ恨めしかろう
深夜の睦みが
羨ましかろう
....
自殺するのは人間だけだ
だから 生きたり 殺したりすることは
どんな生物にもできることなのだとわかる
ホリゾンタルな視線にさらされて
少女はストラトハンマーをふりかざす。
三千世界の鴉を殴り殺してなお、
万雷の拍手なりやまず。
凡百な思考はネジのゆるんだ孔からしのび寄る赤錆に侵 ....
恋には形があるからさ
だから、つくれるしさ
だから、こわれるしさ
卒業すれど、何も得ていないわたくしに、どうか教えを乞う事をお許しください
さすれば、三月の風に靡く、このセーラーの紺色の襟も、羽ばたける事ができるかもしれません
先生、不得手のモノは沢山です
....
もう自分は廃人にちかい
親のすねもどこまでもかじるつもりでいる
たとえば子供時代に思った
大人の自分がこうであったろうとは
さすがに想像の閾を越えているのであって
弁解の仕様もない
だ ....
見上げちまった
吸い込んでゆく神秘様
コンパスでなぞるに まだ満たない神秘様
見上げちまった
松果体に月光を摩る尻尾の名残
幸い反応なし アタシは人間 神秘様と繋がる人 ....
かたつむりがね
いないとさみしいよね
木の葉の影の雨宿り
でもね
木のてっぺんにもいるんだよ
きっとね
だって だって
ひなたぼっこしたいから
アリさんがね
いないとさみしい ....
愛してると伝えるにはあまりに近すぎる距離
袖を掴んだら驚いた顔をした
『兄妹のように仲が良い』とは私にとって賛辞ではなく
ずっと{ルビカツ兄=かつにい}の隣にいる ....
この愛を何処に着地させようか
北の空星の朝静かな夕凪
砂浜に残る花火の跡など
私答えのないまま流れてゆくの
あの人の心ひとつ ....
ぼくはわらう
きみもわらう
ふたつのわらいは似ていない
けれどもきみとぼくはいま仲間だ
きみとぼくの痕跡はまったく違うが
たまにおなじ涙をながす
ふたりとも最近猿よりもいささか利口 ....
もう
お別れの時なのですか
君と初めて会った日のこと
君と笑い合った幸せな日々
涙の後の仲直りの記憶
思い出しては
涙を流し
すべては傷となってしまう ....
港で生きてると
いろんなことがあるよ
と、港の猫は言った
港で生きてないと
いろんなことはないの?
と、僕は聞いた
港以外のところで生きてないから
よくわからない
と、猫 ....
ベクトル、それは常に上昇志向
謂れもない理想像
彼らは僕の嫌悪を気付くはずもない
何故なら僕はこれほどまでに微笑んでいるのだ
この世の不条理ってものは
綺麗な心であればあるほど
....
くもりの日
あたらしい音楽を聴いて
約束だってやぶれそうだ
だれかのためにつくられた
あたらしい意味や理由が
不自然に黄色いかげをつくる
そうしよう
捨ててしまおう
君のこと愛して ....
あなたに
とても会いたい
せめて声だけでも
だけど
時計が許さなかった
諦めて
灯りを
消して
ジャンを抱きしめた
テディのジャン
ことばを持たない
ジャン
いつで ....
最初の理由は違っていた
けど、
君に会いたかったから
と、偽りして
夜風に会いに行った
まだ湿りすぎる前の
さやかな君は
わたしを
ほどよい
心地にしてくれた
いま ....
生まれ変わったらもう一度
君に会いに行くと決めていた
だから 男と女でいるよりも
この姿を選んだ
君さえ見つけられれば あとは
その腕に飛び込んで行くだけ
過去の痛みを少しだけ 分 ....
仮面を外すと 崩れ落ちそうな私がいた
いっそ 先に堕ちてしまえば 楽になれる
だけどもっとその先の苦痛へと 私は
容赦なく踏み込んで行く
快楽と解放の匂いが立ち込める
かすかに射し込む光 ....
関係について
一、自分について
自分が生まれるずっと前から
「自分を間接取り巻く関係」は生まれている
あらゆる可能性を秘めたこの身体も
この関係が、とある行動を禁じていく
....
想像以上の心地よさ
抜け切ることも逃げ出すことも
叶わぬまま綴っています
そんな風にいつまでも
いられると思ってはいないけど
どこかで願ってしまっている
自分がいるのも事実
....
それは じき春という
ある季節の架橋
冬籠もりしていた娘が
不憫で
散歩に連れ出したときの
出来事
よちよち歩きの赤い半纏
が ふらふらふらふら
....
黒い卵を俺にくれ
できれば真っ黒な奴がいい
昔、ローリングストーンズというバンドに
「黒く塗れ!」という曲があったな
そう、そんな具合に
俺の手にも真っ黒な卵をくれ
俺はそいつをこの聴衆の ....
きみの
美しく長い舌の上
一面に広がるれんげ畑
雪どけの淡い水が
陽を吸ってさざめいている
僕は、そこで
幾つかのたいせつな思い ....
君に言うべきさよならはまだ
とても遠くにある
たとえば隣にいたとして
蹴っ飛ばしてしまおう
決意っていうのは
別れに使う労力じゃない
きょうのこの日の朝に悟る
おはようを視つめるため ....
母がいる時
我侭で
祖母がいる時
譲らない台所
誰が最初に教えたの
料理がうまくなるには
見よう見まねが一番で
サトウ、シオ
スッパイ過去の
....
一枚一枚
葉っぱをむしりとるように
ひとつひとつ
約束を破った
一本一本
虫の肢を引っこ抜くように
ひとつひとつ
約束を破っていった
それは自らも止めようのない
虐殺であ ....
雷や台風は
学校を休ませてくれる
ありがたみすら感じる存在だった
初めて話す人には
ためらいなく心を開き
すぐに打ち解けられた
虫やカエルなんて
面白がってべたべた
....
鮭缶が
海を泳いでいる
よく見ると
泣いている
帰りたいのだ
ラベルを見ると
知らない国
川を遡上するといい
と教えても
遡上の意味さえ
鮭缶は忘れていた
身振り手振 ....
さわられると
そこからかたちになってゆくような心持ちがしました
口をつけられると
そこから血がめぐるような
はげしさは
はるか向こうでゆれる波でした
ことばは
ばらばらに砕ける音 ....
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