うぐいすの
鳴く小道を抜けて
老人ホームへむかいます
やさしいばかりでないひとは
同じに小さく座ってる
時になやみ
時にわらい
いとなみはしずかにかわりなく
うぐいすが
鳴か ....
生を強制され
死を禁じられ
予め決まったコースを
粛々と進む
それが正しい事なのだと教わって
僕らはここまで来た
なら、今、僕の目に映る
あの流星の光は何なのだろうか?
人間の意想の圏 ....
君は駄目だろう
どうしようもないだろうね
君は使い物にならない
君は人間じゃないから
・・・この世にはどこか健康で幸福な市民というものが仮定されていて
そこから一ミリでも外れたらまともに ....
味覚のない くすんだ
アッシュ トレイ
干からびた ウォッシュ
レットの細波
ひっくり返った
ドトールの裏蓋から
一本の白煙が滴り
ドラム式洗浄機の
....
ほんぐもりではない
うすぐもりでもない
うすばれともいえない
どくとくのつゆぞらである
でも 紫外線はいちばん恵まれるという
四季を通じて
いつのまにか ゆびがすべって
....
私の恋人はとても天才
だれより天才
だってマーメイドに花の名前を教える。
「グラジオラスの花の色のドレスが欲しい」
「どくだみの花のような控えめなドレスが欲しい」
マーメイド、
君に似 ....
ドレスをどうしようか迷っている、
マーメイド、
私はマーメイド、
たまに琵琶湖に入りにいくの
恋人は機械式時計、
マーメイド、
青いチャイナドレスのマーメイド?
白いロングドレス ....
もし君がいいと
言えば会いに行くのに
もし君がいいと
言うなら飛びつくのに
君からのメールは
ドキドキする
君からのブレゼントは
ウキウキする
ひいては押し寄せる
波のように ....
「視界不良」の電光表示を無視して
向う男たちの背中に
思わず探してしまう 亡き父の面影
崩れていく
秒針を振り切るような速度で
表情も、色彩も、形状も
このジオラマの一部であった ....
{引用=
陰りある微笑みの調べに
すべてをさらってゆく
引き潮
別れの日を思わずには
愛せなかった人の
去りゆく音階
背後から近づく
やさしい足音も
広 ....
地面に
言い聞かせるように
雨が降り続く
無色の
絶え間ない呪文が
街を塗り潰す
紫陽花は
すべてを受け止めようとして
雨雲を黙読し
雨傘は
すべてを受け流そうとし ....
君は言う
もう少し早ければ
こんな事にはなんなかったって
君は言う
もっと頑張れば
こんな事にはなんなかったって
みんな言う
もう少し何とか出来なかったの
後少しがいつも足 ....
ロックフェスで人の見る夢は
一体 何だ
それは道ばたに転がっている
ガムの吐き跡のような物なのだろう
ぼんやりとそれを見つめても
いつかの 自分が吐き出した物であることを
僕には言い表 ....
ガレージキットで
お天気お姉さん五体セット
作ろうっ
でもさ
肖像権とか
どうすんのさっ
まあ
ガレージキットだから
でももし
訴えて来たら
....
ああ、主よ、葡萄酒製造樽の中の数学者よ、
黄金比の幾何学の理想形の球形の塵よ、
此処彼処に蹲る地獄の岩石の似姿よ。
私は殺されて、夢を見ました。
抉れた両目の花が咲き綻ぶ滝となるのを見 ....
夜があまりに長いので
ひとつふたつと数えたのは
ヒツジが柵をとびこえる
ひとみを閉じた景色でなく
あれはそう
誰にでもあるという
こころの風景のいろいろを
喜怒哀楽のふるいにかけて
か ....
あの人が一人で
わたっていったという海峡の上を
ひらひらと
舞う私は一人韃靼海峡で
おはよう 校舎から放射状に伸びて校門を突き破って生えている杉の木と
レンガの上に一列になって羽を畳み損ねているてんとう虫が
機械化された栄子の胸を圧迫する様に私はただ積み重ねてきたレンガを一個一 ....
私の行く先に母がいて
母の行く先に祖母がいる
どうして一方向にしか
すすめないのだろう
幼児のような
おんなのかおになっても
同じ木が
同じ風にふかれて
私たちおんなを
少し ....
ある日、名指揮者は倒れ
コンサートは(指揮者無し)で行われた
ヴァイオリンもフルートもホルンも
それぞれの奏者は皆
無人の台の上にいる
まぼろしの指揮者のうごきを見て
それ ....
空のツリー
その足元に水族館だと
日本人は好きだな
サンシャイン市にも作ったっけ
新名所には水族館
呼び水の呼び水
徒に易くは帰すまじ
展望ついでの家族巡礼
妖しく爽やかデートスポット ....
頭の中で魚が跳ねた
ぴしゃんと深みへ姿を消した
黒い子猫が静かに見てた
風がぱらぱら捲っていった
時間は長くも短くもない
人の物差しはいい加減だ
....
正直にいえよっていうけど
ほんとうのことって爆弾で
破裂したら大変で
だからみんな包んでる
キレイな包装紙はね
心の一番うえのこと
ほんとと嘘のその中間
それがね
文字になるん ....
幸せで満たされた
環境や気持ちを
いつも否定してしまう
昔からの悪いクセ
どんなに大切な人が
私のことも大切だと
言葉にしても
信じきれず
疑って
何度も何度も
不安に ....
むなしい時の逃げ道は
毛むくじゃらの中に
顔をうずめて 呼吸する
命の音が温かい
胸の上でねる命
温かいの中に
終点のない逃げ道に
体をしずめて 呼吸する
森の中
迷い込んだ
暗闇の中
角を折れた
そんな刹那{一時=しゅんかん}に
出遭う
快感
夜がすき
たまらなく
夜のにおいが
透きとおる風の底から
夜更けの窓が見える、
わたしを呑みこむ
星屑の泡が立つ
深海の窓
ありふれた街で息をする、
そのことがたまらなく愛お ....
誰もが弱い
誰もが日々不安
だけど、
生きていくのが運命
与えられた人生を
生きるしかないのだけど
切り開いて
生きていくことは
出来るだろう
寂しさや切なさの中で
....
今日、豆腐は
朝から不在だった
テレビの画面でも
新聞や本などの印刷物でも
その姿を見かけなかったし
豆腐、という言葉すら
出てくることはなかった
妻との他愛もない会話に ....
日曜日の朝に目覚ましが鳴いて
切って
残った酒が非道い
....
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