思い出の国に目覚める眠り姫
映画を観たり、キスしたり、
その度、僕の胸はキュッと痛くなる
冬の雪夜を仕舞っている
夏の波濤を想っている
儚い薄い殻の外
ひとむれの皐月の襤褸
うぐいす色の花粉を肢に
マルハナバチ
咲き残りの蜜を尋ねて回る
それも昨日のピリカの国へ
曇天の ....
風が吹いている
為されるがままに立っている
貴女
は僕のことを見ていない
空は晴れている
在りのままを見ている
僕
は貴女に語りかけることできない
凪の海
水平線を見ていると ....
僕は石の上に座っていた
あたたかい石の上に
トンビがぴーひょろと鳴いた
どこか遠くで
僕は何かを待っていて
それはいつからだったか
雲の模様を読んでいると
しばらく曇って ....
資金集めに
企画
人集めに
場所の確保
会報に
郵送
勉強会
相談
個人的付き合い。
アンケート
説明会
総会
結構大変なんです。
死の淵に落ちた札束を
俺は拾いたい
恍惚の光る目を持つ同志を出し抜いて
汗を吸って生を吸って重くなった紙幣に己の欲望を託す
全てを失っても胸を張って歩く
愛を ....
くらやみのなかを
めざすところが
ここ
ちいさなあかりを
はっする
ここ
きみがたどりつこうとして
さむさあつさふりきるように
向かうのが
ここ
かえってくるということ
その ....
あなたの想いは雨音よりも美しすぎて
愚かになれないあたしがいる
宝物を守るような指先で触れないで
唇を噛み千切るくらいの強さでいい
傷跡の数を確かめ合うように
体中をひとつひとつ解いてい ....
陽のかたまりが
荒れ地の斜面を流れ落ちる
何もない場所が
何もない拍手に華やいでゆく
指に沈む 爪の長さ
雪でできた肉厚の葉に
花は無い 花は無い
多 ....
ぼくのうなぎさん
うなぎさんは気まぐれ
うねうねうごいて知らんぷり
油をいっぱい吐き出す
海の中をおよいで
しらんぷり
ばんそうこうを貼ったらうなぎさんに
はがされた
どんなに釣り糸を ....
おれは殺風景
がらんどうで埃濛々
だから昼の檻に閉じ込められた
オオミズアオなんか見つけると
こんな錆びついた工具のような手をしながら
そっと 捕まえてみたくもなるものさ
....
私がその色を好きなのではなく、
その色が私を好いているから画面で美しく輝いてくれるのだと
そういう自惚れた考えかたをしていた10代の頃
私とその色とが共鳴しているのだ、と思っている今
....
ちかい
言えなかった言葉が余りに多過ぎて
溢れようとする言葉で喉が詰まる
失わなかった愚かさが余りに多過ぎて
嘔吐を覚えるほどに胃がせり上がってくる
落としてきたのものが余りに多過ぎて
どの ....
スパイラルの踊り場を形成している
郊外の台地にたたずんで
黴臭い俯瞰図をひろげたとき
ベートーベンの交響曲第六番こそ
漂ってはこなかったが
青い無窮の虚空に飛翔 ....
霊安室に母が椅子を並べている
「みんな死んだのよ」
いつこの仕事に就いたのだろう
死んだ体を扱うように
丁寧な手つきで並べていく
手伝おうとすると
「いいのよ、毎日、お仕事、 ....
眼を瞑ると何が見える
瞼越しにLED照明の残像が
やや遅れて
大脳葉で知覚される
残像はしばらく漂い、すぼんで消えたあとは
赤黒い闇のスクリーンに
何かを見よ ....
いつのまにか
中心に据えられて
またいつのまにか
中心探しからは外されて
うん・・・・
ぼくは太陽のようだ
いや、太陽ほど影響力もないから
太陽の子供のようだ ....
もうどうでもいい
って
騙されていく
老いのうたじゃあるまいにさ、
一生懸命だってさ、
しょせんは声を出す程度の、
「その程度の懸命さなら、」
僕はすでに捨て去った!
まだ消え ....
水飛沫だけは一人前の
まるで推進力がないバタ足で
取り付く島を探し回る毎日
学校の水泳授業を
見学してばかりいたツケが
今頃回ってくるとは思わなかった
後輩の回遊魚達には
軽 ....
車に乗り込むと会社に向かう
いつもの出勤時刻
晴れた朝は 陽ざしがまぶしい
光を避けて 道路を走る
段々と 車列がのびていく
大きな車も小さな車も車間距離は同じ
列のスピードに合わせて ....
あてどない希望について語ろうか?
俺達にはもうとっくに失われた
その希望について
もう亡くした夢について語ろうか?
俺が少年時代に夢見た
そして今、その残骸だけを有してい ....
言葉の沃野で
俺は途方にくれる
俺は詩人だ
ただ、自分一人でそう認めているだけの
もし君が世界に認められたいなら
そのノウハウはどこの書店にも置いてある
ただ、そうする事は僅 ....
あるところに
猿がいた
檻に閉じ込められ
外に出たかった
いい子にします。
自由をくださいと願った。
散歩に出された。
そして曲芸の練習した
いつも首輪をしていた。
ある日首 ....
彼はその 小さな両の腕に
美しく小さな光を放つ 玉(ギョク)を抱えて産まれた
そう、彼こそは
明けぬ夜の闇に支配されし世界に
再び光を授けんとする使者である
月のむすめは 彼の誕生を知り ....
セザンヌ展で
僕は 絵を 見ていた
その文学性を 画面の中に感じ取っていた
まどろむ色彩の中に潜む物とは何だろう だけど はっきり言って
お世辞にもあまりうまいとは思えないから
ここの鑑 ....
{引用=
捨て鉢になって、僕達は
あかるいみらい へ 霧散してゆく
あいとかこいとかゆめとかきぼうといった念仏
風の音に紛れて
いつも遠くで聞こえている
....
湿気が脳幹を溶かして、俺の意識は肉体と断絶する、白濁する視界と馴れ合う網膜、弛んだ自我が滑り落ちる先は…僅かに開けた窓から、初夏の雨が滑り込む夜だ、しっとりと濡れていて、透明な存在 ....
ふたつの月が映る時
悲しき心蘇り
あなたの心もどらぬと
再び涙の川渡る
月の浮かぶ湖が淡い光に染まる
指の隙間から
流れ行く黒い水
心を映す鏡なのだろうか
冷たい手の指先から
光が生まれていく
光は体を伝い
抱くように包み込んだ
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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