いわれなき
罪だと想ってきたけれど
許してくれると云われた日
いびつな夢も混乱し
想わず『チガウ』と云い放つ
悲しみの
数だけあなたに好きという
ジレ ....
澄みわたる
青空の
静けさは
この胸にしみてくる
しみてくるう
愛用のローデスクは
木製で濃紫
この机の上で
詩や手紙などを書いている
この机は私の生(せい)の一部です
....
○「小遣い稼ぎ」
僕のまわりの年金生活者で
週2、3日ぐらい働いて
小遣いぐらいは稼ぎたいという人が少なくない
ところが我が田舎はそういう働き場所がなかなかない
県都にいる従兄は
今度 ....
人の意思の脆さだけでも
掌で掬うようにして
指の隙間からすべらかに
流れ落ちるその煌めきが
瞬く間に意識とともに
漆黒の澱と成り果てる
それは己の消え掛かった
慕情のようでもあるのだと
....
夜、高台から街のあかりを眺める
一人一人の生活がたくさんの光の粒となって
生命の音を奏でている
このように街が小さな活力の集まりでいっぱいなこと
私はその一つ一つを味わいうれしくなる
朝 ....
朝の砂浜を歩きながら
昨日の自分を振り返ってみる
足で感じる砂の感触は
落ちて行く自分の走りのよう
襲い掛かる波を避けても
避けられない障害はある
....
在るもの在るもの
個々の輪郭、
光景に溶け込み
ながら
成っている鳴っている
意味 剥離し
新たな
意味 未生成
ながら
今宵、この小部屋にて
すべて ....
今日を通り過ぎゆくひとびとを 意味もなく折り曲げ
小道に広がる落ち葉を拾って帰る 死相が耳朶を覆うという
――だれもいないところへ
メタルフレームの一角から、寂しそうなカラダが、だな
私以上の ....
急停車すると
鉄の焼ける匂いがするのね
そんなふうにして磨り減りながらも
あの時のあの人を止めていれば
よかったのかな
もう帰れないのか
生きているのか
上りきった ....
失敗ばかりした
分析などしない
理由は幾つもあるから
その割れた風船を
腰に結んで
風を待っても
飛べるはずがない
この先
過去に戻れなくても
忘れ物はしたくない
だか ....
夢みる眠り
夢みる眠りに
たゆたって
夢みがちな
覚醒状態
夢みながら
去来する記憶
夢みのなか
変成され
未定形な意味に
懐かしさ縁取る
ヒビキ奏で鳴らし
夢 ....
不定形の想いの
崩れるその先には
俺にはまだ解らぬ
謎だらけの轍が
埃を被っていた
誰にも知られぬまま
涙枯れ果てて
叫んでみたって
誰も追いつけぬ
肋を急くだけ
何故だろ ....
駅からの階段を降りると
小さなバスターミナルがあった
植込みか歩道か曖昧なあたりで
蟻たちが作業をしていた
バス乗り場は三番線まであって
各所に行けるらしい
一番線から総合病院 ....
生きるって何ですか
悲しむって何ですか
死ぬって何ですか
信じるって何ですか
様々な感情が
私の胸を去来する
君は一人じゃないと
思えたらいい
生きるって何ですか
死ぬって何ですか
....
みじかい歯 うまく 磨けた
釦 軟らかく 外せる
カレーも かき混ぜよう
餃子 は さっと返す
においは 甘いのに 外は
みずいろ
枕に置かれ さくら
狂を発する ....
市内の猫カフェ
最近次々と増えている
猫ブームが来ている
暖かい雰囲気の中で
沢山の猫と触れ合える
人によく懐く
猫の方から近寄ってくる
何度か行けば
猫は覚えているかのよ ....
○「登山」
登山は
登りが花である
下りは
空気が抜けた風船のようになる
○「心のグローバル化」
自分のことだけ考えていると
行き詰まる
世界は繋がっているから
○「仏道」
....
答えは無人駅に
各駅停車ではないから
いつもは拾えない
長いまどろみの後でふと
車窓から外を眺めると
満開の桜並木
目がくらむ
駅の方では知っていた
ちょっと昔
複アカ使いの奴がいて
それを指摘されたら
文体が似ているのは
息子だからだと言っていた
ついでに嫁さんも出て来たし
友だち(今も見かけるぞ)
というのも出て来て
この夫婦は ....
気持ちはとても疲れているのだけど
なんだか眠りにつく気がしないのは
気持ちが落ち着いていないからなんだろう
だからといってどうすることもできやしない
目蓋は落ちてくるのだけれど
この ....
趣味は自称詩を書くことです
それが言えたら
大したものですね
普通恥ずかしくて言えないですから
自称詩人は兎に角何の才能もないのに
アーティスティックな人間への
憧れが異常に強くて
自称 ....
空虚な空
くうな空
すべて寝静まる
この夜陰、
声 在る
物 在る
光 在る
闇 在る
抉り出す世界のこの
哀しみ歓び
うきあがるうつつ
うきたつひびきせんりつ
....
ピンク富士
銭湯の絵師が夢みるピンク富士バレンタインにぴったりと君が言う 蛇氏
彼女のいる彼の戦々恐々の日でもあるバレンタインデー
チョコもらったのバレテンだから申告してよね、なんて
....
こんな話、どこかで誰かにもしてみたい
心臓の鼓動と
もう一つ
人には心に脈拍があるのです
意識していないとき
心臓がそうであるように
いつも揺れているメトロノームの振 ....
城郭の門前に
控える
兵士たち、
聴き取ること不可能な
冬の大地の振動に
凍え耐え待機し
城郭の門前に
控える
兵士、
あらゆる光景と現の見通し
独り語る、
....
臙脂のばかでかい垂れ幕の、そら 煙幕に垂らして、それはもう随分前からずっと、したしたと鳴らして。帯びているのだと思った。伽藍堂では陽と月は宙には上がらず、私のまわりには輪郭ばかりが 塗りつぶされ等しく ....
○「シラガ」
シラガは
頭から始まって
陰部に移り
眉毛で終わる
陰部のシラガほど
せつないものはない
○「年寄りの会話」
今日も
入院話で
盛り上がる
○「機械化」
....
これといって単調だったのに、星屑のシャキッとした鉱石が歩いてきて、すこしくろい、やや憎まれずの口からでるスライスカッターに皮膚を裂かれていた。鉱石はひぇんひぇん涙をながし、憎まれずは拗ねて勉強をはじめ ....
肥満だ肥満だ
着ていく言葉がない
終わろうとする冬を
あらゆる手で引き止めながら
誰かを信じたわけじゃない
思想を委ねたわけでもない
すべては嘘なのだから、
いちばん機嫌の良い嘘 ....
赤い糸も今朝の
台風でめちゃくちゃになった
僕の運命は
今どこだ?
現在進行系で未完了の弦
絶えず湧き出て溶け落ちる音
緩く、外れて傍観してる
ミルクをバケツいっぱい
ほん ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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