空に溶けゆく
この想い、
不可視な繋がり
確かに生動し
不思議な
思考という他者
与えられ
文字、言葉 限り無く異邦のもの
紡がれ織られゆく
この想い、
不可視の湧出
....
雨音でかき消されるほど火の粉は爆ぜ 身は凍えたままだったが、心は解けていくのだと知る。今更に 四方の壁は渇いた声で嘲笑う、自由を得たのだが根が這えたよう躰が重い。
「それでここにきた、」
汚泥 ....
登場人物たちに
声援をおくる
勝って欲しい 成就して欲しい
今度こそ報われる 諦めることなく
選手や 片恋
老いたぬいぐるみ
鼻に生じる脳みそ
夢として描かれた
....
{ルビ時間=とき}が滑りおち
仄かに凍りそうだったあの頃があらわれる
何かが永遠だったあの頃だけが
今も 時々 溶けては流れ
どこまでもあっという間に 過ぎてゆく
その時々だけが ....
五月の風景を眺める
僕らは虚空に散らばった
葉書たちに思いを馳せる
孤独に怯え、胸を締め付け
心臓は早鐘を打ち鳴らす
命の繋がりに歓びを感じながらも
いつか来る別れに慄く
揺ら ....
○「寺の総会」
責任役員は
近所のオジサンである
久しぶりに顔を見たら
あの世から出てこられたような様子だった
○「携帯三マナー」
人前で話さない
食べながら話さない
小便しながら ....
わたしが消えた場所
わたしが立ち止まってる場所
家族の様子を
窓の外から見てる
生きてたことを
無かったことに
初期装備でまた
砂舞う荒野に
発熱する前の寒気
人 ....
横断歩道の上の白線は
決して真っ白であったためしがありません。
必ず、幾多の轍が、靴の踏み跡が刻印されています。
もしも、真っ白な白線がひかれていたなら
ぼくは、その上を這って渡りましょ ....
僕の話をしようか
僕の話は、たとえば
レッド、グリーン、イエロー
いろんな色の林檎から一つだけ
きみの心臓を選んでくる
そんな話さ
カタチはいびつに置いていかれるから
僕 ....
卵がない
と言うのとまったく同じ重たさで
愛してない
と言う
君は
軽やかに靴を脱いで
眠りはじめる
鳥たちは
詩の滅亡、と言う
巣の作りかたを忘れてしまって
帰る場所がないの ....
ガレージのシトロエンに火を入れる
ダウンタウンの高層が切れて
海の気配がする
カーラジオから溢れる愛と宣伝。その反転
銀河のハッピーセットを買って
rocketshipに乗ろう
あの胃 ....
スギナ
麗し
風
初めて
お会いした時と
同じ
仏頂面で
同じ
淡々とした
口調で
同じ
音階で
持ち込んだ書類に
加筆し
持ち込んだ書類を
突き返し
持ち込んだ書類を
後ろのボックスに ....
だらしなくおならする
なんでだろ
ふしぎだな
ぷぅぷすっぶりって
よるがふけるほど
ぷうぶすっぶりっと
アーリマンとルシファー
間でバランス取る私は、
大地に根付きながら
宇宙に ....
君に出会う前の僕は
腕を組んだまま
解けない闇を抱えていた
今の場所から進めない時
君は上から光を当てずに
僕の心を工事してくれた
傷を見ても
深さを知ってる人の声は
僕より ....
飛び立っていく音響の群れ
ぶちまけられ飛散する色彩たち
対象欠いて踊る躍る、
貫通する直線に引き裂かれながら
深まり自立していく思考
虹の双曲線の巨大な異様
わたしの眼は何処に行った? ....
夏
生きたいと
ただひたむきに汗流し
熱風切り裂き走り切ったぜ
冬
死にたいと
なんど希ったことだろう
心凍らす無力な純粋
秋
疾 ....
あたし
くるっちまいそうなくらい
ホンキのこがねいろの恋を
してしまっている
みたいなんだよなぁ
わかりやすい夢を
ひとつふたつ蹴散らしても
やすらかな陽気な日常を
....
つめたい
匂い、縁取りは
複数のかけら
こぼして
きらきらと、して
積もったことを
そんなにも、きれいな
両手で
拾うように
きみは、
言葉は、薄く
ひかっただろう
け ....
世の中でMMORPGなるゲームジャンルがある
自由に振る舞い、マナー要求はあれど概ね過ごしやすい広大な世界
そこで、大勢の勇者が、文字通り何千何万回と世界を救う
一つの世界にいるよ ....
鏡を見ると寝ぐせがひどいので鏡を見ないことにして表へ出て注目を浴びたあの頃が懐かしい。
すっかりそれが当たり前の景観になってしまって巷はそんな私で溢れかえってしまった。未来に私はいる。
ぎりぎりま ....
露出した涅色の空に、金平糖にもなれず流される星屑だろうか、今年も拾い集めては又恙なく過ぎていった。
これは芽を摘むもの、握り潰すこと、さんざん同じことを忠告する御神籤のご利益でできる。鶸色の喘ぎ ....
ひだまりの中に佇んで
樹々の芽吹きのささめきに
聞き入るように目を閉じた
少女の髪をゆらす風
めぐりめぐって誰の頬
ことば尽くしてこころを失くし
破いたノートの切れはしの
ひらりひとひら ....
すましてる
あの子を指で
弾きたい
恥を知らない
はい
ごもっとも
共働きじゃない
ふたりとも
病気なの
いわゆる
見えない病に
おかされて
それでも
神様に愛されて ....
熟年離婚が珍しいことでなくなっている昨今
時には美しき老夫婦愛を垣間見る一瞬がある
登山を終えていつもの温泉に寄った
5.6人の先客があった
熱い湯につかってのんびりしていると
一人のおじい ....
熟年離婚が珍しいことでなくなっている昨今
時には美しき老夫婦愛を垣間見る一瞬がある
98歳のおじいちゃんの奥さん93歳が
数日介護施設で過ごすこととなった
お泊まりを無事終えて帰宅すると
....
殺したい
殺したい
殺したいと右手が唸り
思い切り壁を殴りつける
ふりをして ほんのあと1センチで止める
この細胞の残酷さ
眼差しはボクサー
棒切れのような身体からあふれ出す狂気
頭の ....
時計の針が進みゆく沈黙の中
海岸に漂うレモンの香りに惹かれ
彼女は目を閉じて深呼吸をする
彼女の長い髪が風に舞い
海と一体化するような感覚にとらわれる
死の影から逃れられない運命を嫌がり ....
或日 遠い湖北の外れ町
心を病みどこへとも行くあての無い
たびの子が街からやって来た
幼すぎるその子に
ある禅寺のご住職が暫くの宿を
貸すことにした
親元を離れた日 ....
バーの中でウイスキーを一杯
ボクサーのような男が、血の滲む傷を舐める
ジャズの音色が深い哀愁を誘う
女がショートスカートで踊るが、彼の心は冷たい
絶望に打ちひしがれた男は、無力に生きる ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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