人間は個として
およそ同じ体積の中で
古い身体を処分し 新しい身体を作り 生きている
樹木というものは
死んだ古い身体の上に 新しい身体を重ねながら
体積を増やし続け 太く大きくなってい ....
わたしのデスクから斜め四十五度の視界に
ペールブルーの空がのぞく
けだるさを隠しもしない
ぬるま湯のようなオフィスで貪るのは
春の新作とか、要領を得ない愚痴とか
とにかくもふんわりとした ....
木々の枝葉が大きく揺れる
熱風が吹いているのだな
濃緑の群れが青空に
美しく浮き出すようになびく
熱いうねり 風景をかき混ぜ
世界が立ち現れる、
引き伸ばされた瞬間の光景と ....
ベランダで洗濯物を干す
私の耳にずっと
とどいている安穏な響き
それは近所だけれど少し離れているため
うるさくもない 建設中のマンション工事の音
手が空いて 見下ろす ....
目の前に大きな山が聳えている
あんなに高い所まで登れるんだろうか
と思っても
一歩一歩登っていくと
必ず頂上に着くから不思議だ
どうしてわざわざ苦労して山なんかに登るんだよ
という人がいる ....
わたしの洗濯機が洗濯を始めた
洗濯機は洗濯する音だけを立てて
幼い頃わたしが溺れたことのある海は
こんな音は立てなかった
玄関からだと遠回りですね、と言って
洗濯機を運んできた男の人は
....
大の字になって
仰向けになって
なにもかもから
解放されるって
そんな気分を
味わいたいと
そうは思って
でもなかなか
できやしない
そんなことを
そう簡単には
できやしない
....
最近 冬が好きになった
と思ったら
10年以上前にも 冬が好きになった と書いてた
これは
冬はヒーター入れてあげるのに
毎年秋に「あー 冬くんのかー ややなー」てなって
結局「冬 ....
もの在る霊性
感じ取る夜、
荒涼として熱い歌声
響き渡る、
凍結された脳髄に
もの在る陰から
また もの 現れ
夜陰の雲の割れ目から
透明な呪い 振り落ちる、
この白 ....
まるで横顔の女だ
睫毛の長い、髪の黒い若い女が真直に背を凭れ眠っているのだろうか
一瞬通り過ぎた車窓に、何を隠そうとして、いま、不意に見せたのだろう
これによって古く細い町並みは直線を ....
ジャニーが生きてたら
伝えてよ
あんたは変態と
昔、北公次が暴露したときは
マスコミこぞって無視をした
ホモ達ならそこのところ
上手く伝えて
ポリコレ立てにして
応戦しようにも
....
病み患う少年の
皮膚の裂け目から
沸き溢れる膿、
「うう臭いなあ」と言いながら
自らの口にて吸い取る
白い少女、
想い出す。
あの娘は少女のまま沼に沈んだ
あの娘はその白い ....
都市は病んでいる
と書いて見せ
私達は辛苦の最中にある
と言って聞かせ
日常に埋没したなにか
を探しては
月夜の喧騒と静寂の間
をさまよって
どれだけ尽くしても
どれだけ時間 ....
悲しい夢から すこしだけ引きちぎって
明日の夢に混ぜこんだ
切ないメロディーそのままに
きみはただ 涙に濡れて
差しだされた傘
背を向けて入る
傘は渡されて
僕と入れ替わ ....
✴︎サルルンカムイ
丹頂鶴って、アイヌの人たち神様て呼んできたんやね。
湿原の神!高貴やんなぁ。
池を模った浅いプールで一羽が まかれて有る小魚を
黒い足先添えながら長 ....
クラブで踊りたい
度数の高いアルコールあおって
熱すぎる台詞を くれりゃもうしあわせ
わたしは肌をやわく見せる
誘っているの 誘ってないの
それくらいで見逃して 今夜
私のほうがそこま ....
私は何者でもない大人から
どこにでもいる大人に
成長したよ
初めて触れた彼女の素足は
子供のように小さくて
すべすべとしてなめらかで
指が六本あったけれど
幸せを運んでくるための
六本目なんだと
そう言ってくれた彼女の笑顔が
愛らしいことこの上な ....
閉じかけた本の中に、切れ切れのラジオの電波に、街路にこだまする無数の生業の中に、隠れている、隠れている、引き攣った神経の残響に、レールを軋ませる列車の速度計に―伝令は駆け巡る、宛先も無いのに、沢山 ....
トラクターについてくる
テクテクたくさんついてくる
イモムシくわえて
ムクドリ真顔
真顔で忙し
本気の焼肉バイキング
不可解に捻れた獣道を作り出した、薔薇線の手招き
青々とした雜葬の絨毯を噛みしめ、これら花瓶のお囃子
夢見るピエロだ
裸足の花園だ
中空廃園だ
ぼぉたちの綿毛ら 黄昏時の川の流れに。 ....
人々、生活の人生の速度 生きていく
此処に一つ、秘められた生 在るにもかかわらず
人々、生活の人生の速度に 費やしていく
此処に一つ 秘められた生活 在るのに気付かず
相克の一瞬、葛藤 ....
町の外れに歩道橋ができた
町道の行き止まりのあたりで
民家はほとんどなく
小さい子供がいる地域でもない
町長の公約だから
それだけでできた歩道橋だった
町長は毎朝早くから
歩道橋の掃除を ....
斜光が
千年(ちとせ)の
斜光が
赤々、
街道沿いの
植木を
染め
やっと夕暮れ、
道端に座り
さっきまでずっと
哭いていた神様、
その陶器の肌のような
豊穣な涙に ....
幻想が消えていく
私の人生を彩っていた 夢の中の人々
私のために 私が作った 私の家族たち
さよならも言わず なんだか笑顔で遠ざかる
私は泣きながら立っていた
窓 ....
時を隔てて人は変わる
人が変わると街が変わる
街が変わると想いは募る
変わるのは人の心なのかそれとも街なのか
思い出は深く胸に刻まれ
けれども風景は変わっていく
思い出してごらん
....
自由詩の「枠」に苦しんでいるから
定型詩ほどわかり易くないからこそ
常にとらわれている型に苦しむから
詩人は毎日を自由に生きることができる
と、思っただけのことを書いてみた
響きの世界で
すべて直観する
透明な呪いの声、
定着した意味突き破り
生の死の恐怖の向こう岸、
ひたすら哄笑し新たな扉開ける
日々の快楽に安逸に忙しさに溺れる人々
透明な呪いの声、
....
島々が海の表情和らげるただ青いだけではない多島美
あの歌を聴けばあの頃蘇る匂いも風も空気に混ざる
コーヒーの苦味はいつも大人びて経済誌よみ頭が痛い
ベトナムの中部に出来たリゾート地新 ....
その澄んだ表面は
世界は 翠の侵蝕 または神域
一冊を綴じた、現実から外れていくそのものが
解いたセーターよりあおぞら、
扉が閉まり身だけを残して
フルーツパフェより魅力的でなけれ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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