嗚呼朱く赤く紅く
秋に明け暮れ飽くことなし
移ろうものこそ美しい
去りゆくからこそ愛おしい
不変の美は仮庵から
渡り鳥のように飛び去るのだ
文字の檻に閉じ込めるなら
ソレハヒトツ ....
131008
満員のスタジアムからはみ出した歓声が
ここまで聞こえてくる
敗者の立場がないと思うのだけど
彼処では誰もそんなことを気 ....
時速60kmで闇の道を切り開いていく
光のはさみ
僕のはスズキだけど もしこれがスバルなら
僕だけの天の川を描くプレアデスになる
毎日同じ動作を繰り返す人工衛星の群れを引き離して
このま ....
猫がふと
ベッドの上に端座して
スピーカーから流れる
フランソワーズ・アルディに耳を立て
神妙な顔で聴き入っている
「私の青春は去ってしまった…」
猫にもアンニュイがあるのだろうか
....
言葉で
うすっぺらな自分に、1000の世界を作り出す
広がりを欠いた人格に
どこまでもの深みを醸し出す
嘘をつくと つき続けると
本当の自分がいなくなる
本物じゃな ....
あなたが紡ぐ
ありきたりな言葉が嫌い
もっと特別な文法で
誰にもわからない表現で
存在しない擬音語で
わたしをがんじがらめにして
二人だけの秘密になるから
大切に育てていこうよ
ひっそ ....
君に触れた小指の
指先が燃えて眠れない
星空に誓った憧れが
胸に焼き付いて離れない
青い空と流れる雲が
目に焼き付いて離れない
あの日誓った大志が
熱い想いで胸を打つ
今という一瞬が
....
長い間育った母の胎内から
外にでいたあなたの前には
無限の白紙が広がり
あなたの人生が始まりました
あなたを記した最初の文字は
二〇一三年 誕生 男
血液型 A型 RH+
....
遠く
離れたままで
聴こえない
聴くことのできない
あまりにも
薄くのばされた夜
わたしたちは
南回りでまたたいている
天球儀は
魚眼レンズに切り取られ
森の陰影に
ふりがな ....
今日の天気も錆の雨だ。
地下室の階段をのぼっていくと明るい外に出るんだけど、外は相変わらず物静かで動くものすらあんまりない。建物はそこらじゅうにあるけど、かろうじて残された階層に意味のあるカタマリは ....
体脂肪10%につき
5万円を徴収するという
体脂肪税法案が
国会を通過する見通しとなった
国会周辺では
これに反対するデブが
大規模なデブ行進
もとい、デモ行進を行い
道幅を一層狭くし ....
平凡な沿線のこの街に
夕暮れが密度を増してゆく一刻
零れ落ちそうに客をのせて電車がレールを軋ませ
商店街は夕餉の想いに満たされて
帰ってくるあるいは帰ってこない主人を待つ願いも時間が経 ....
妄想から起きられないでいる
寄せ書きに余白が多い
寝て起きたら日常
建築の生み出すリズムは移動する目に心地よい
そのリズムが絶頂を迎えるころ
私の体に驚きを点ずる廃屋があった
塀は義務に反抗するかのように崩れ落ち
庭木は空間をまさぐるかのように枝を伸ばし
....
私が子どもだった頃
十二色のクレヨンの中に「肌色」があった
その色を使って絵を描いていた
黒いクレヨンで輪郭を描いて
肌色で顔の中を塗りつぶす
手も足も全部肌色を塗った
何も考えずに無 ....
まっすぐに
引けたためしがない
まっすぐに似た線なら書けるのに
フリーハンドで書く
まっすぐは
ほんの少し曲がっている
骨が湾曲している
私のなかに
直線がない
失ったわけではなく
....
8月の蒸し暑い夕暮れ
稲光の後で沛雨は
ひとしきり降り
気温は一気に下がった
琺瑯引きの洗面器が並ぶ廊下に
クレゾール液が匂い
雨が匂い
旅人は
青色のベンチに
座り込み
砂漠 ....
目をつむり 耳をふさぎ
『音楽』を聞こう
まるで、この世界には
君の脳内の闇黒以外には何もないかのように
そう、全ての感覚をふさいで
全ての『現実』という名の付いた物質を ....
ここから出られるよ
ワープなんていらないよ
今までそんなもの使ってたのが
馬鹿みたいだね
思っていたのと違う
実際、見てみれば
そこまで大きくない
あの子の願い事が書かれた
短 ....
休みだというのに
僕だけが疲れていた
何もかもが夢の中にあって 確かめられないでいる
子供の頃のように
心の中から 流れ出している
生まれたばかりの頃のような思いが
表参道の墓場へと ....
雨にとけて流され残ったのは、ちぃっちゃい欠片
ウチがウチであるための、ちぃっちゃいちぃっちゃいウチ
たぶん、もう傘はいらん と思う
ある傾斜においてうつむくのでなく
あたまならがっくりと
垂らすせいで
きみの、
頸椎が
くらい空にすっかりひえてむけてしまい
きみの視ないものにちゃんとかぞえられる
都心から二時 ....
秋のまん中で
道に迷って
帰り道
自転車の形をした風に
追い越され
背中の向こうがわが
透けてゆく
ぽつぽつ と
散らばってゆく人影が
視えない帰路へと続く轍の上で
ぐ ....
おまじないを教えて。
しゃっくりを止める時のような。
おまじないを教えて。
この涙が止まるような。
誰か。
教えて。
成層圏の牧場に
幾千匹もの
群れなす羊
どこまでも透明な
追憶の彼方
舞い降りる
黄色い{ルビ木=こ}の葉
堆積する秋
深海の底に届いた
月光のように
青ざめた記憶 ....
幸せの早さはみんな違う。
君にだけ遅いんじゃない。
君にだけ早いんじゃない。
追い付けない事も。
追い越してしまう事も。
きっと。
....
携帯とたくさんのストラップ。
どっちが主役なんだ。
携帯とたくさんのストラップ。
まるであなたと私みたいだ。
どっちがどっちなんだ。
本当 ....
冷え切った風が 星屑を集めて
君は望遠鏡でのぞいた 見えもしないだろ?
見当違いな毎日を コーヒーで温める季節だ
届くかな 痛々しい程のフレグランス
手を伸ばせば 泥まみれ
息が詰まる程 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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