その人は 軀がうすく
流れをまとい あたたかくして
偶然まとまった
誠実な想いや 花のかおりなど
求めなかった
誰にもひらかない
固くひき結んだ 白い口を
譲らなかった
遠ざ ....
壊れた時計を
見えない
誰かが動かしていて
磨かれた姿を
にせた貝殻
月に凪ぎ 水辺に浮かぶ
街ですれ違う
あの娘と似た服がきらい
掴んだ鋏を布にすべらし
回転する午後は
苺硝 ....
駅前で少し遅めの「朝定食」を食べる。
ご飯、焼鮭、大根おろし、味噌汁、生卵、漬物という定番だ。
客も少なく静かなテーブルに座り、ゆっくりした朝を過ごした。
バス停がある時代を生きている。僕は ....
凍るような過酷さではないが
生温く
湿った
べとべとの逆境に
ずっとおるように思う
そういうときに急に
冷たい風が吹いたらどうなるか
一個いっこ
すごいこ
一個いっこ
たくさん
フワリ スー
(チリチリ ピリピリ)
スー フーー
(チリリ ピリリピ)
どのこも どのこも
さあ おきて
フワリ スー
....
突き抜け逸脱していく
響きの渦巻き
木霊する声を聴く
ひたすらしずまり
とおいちかい魂から
あらわれとどけられ
柔らかく逸脱していく
響きの渦巻き
木霊する声を聴き
ながら
....
彩度0の原石
落ちて欠けたものでは、無く
乗せて砕いたのだったら。私も私も
歩度と斜度に比例して、野端に咲いている
対して水を差される 澱んだ、
濤声も雨音も
....
風は 白い 影を曳き
瞳は 蒼い 雨を揺らす
何も食べず
総て与えず
ひとつづつ奪わない
衝動は
気づかぬうちに偽ると
息でも傷つけ
あたたかいのに
不安で悩ましい
心には ....
過去も未来も
遠いところなんてものもなくて
ほんの少しの場を
くり返し くり返し
生きているのかも
眠るたびに
改ざんされる
フロッピーディスクほどの宇宙
私は何にでもなれるし
....
哀しみのうねり
貫通する力線
波打ち壊れ
時、裂け広がる
明かりが灯る
遠い遠い場所
静か浮き上がり
力動に包まれ
僕はたたずむ
此処が宇宙、
この小部屋が
渦巻く宇 ....
激戦は一週間続いた。しかし、ラゴスからの援軍はなかった。
アースランテの主力部隊は、ファシの宮殿に押し寄せる。
クレール・ア・ラ・ガランデは叫ぶ、「マリアノスはどこだ?」
だが、宮殿内にはすでに ....
今、ラゴスの首都ラディアに向かって、
ファシブルの早馬が駆け付けようとしていた。
アースランテの軍勢がファシの城壁内に侵入してから、
ちょうど二日目のことである。
しかし、ラゴスは未だに静 ....
ハッジズは一向に進まない攻撃に歯噛みをしていた。
(ファシブルの魔導士たちがこれほどの力を有しているとは……)
「前衛部隊はどうした? 前衛には剣士たちが当たっているのであろう?」
ハッジズは息 ....
6時30分の雨が降る
死者としての百億の昨日とひとつの今日、
全ては過ぎ去る。
そんなことはありえない、と人は言う。
どうして?、と僕は言う。
だってありえないんだから、と人は言う。
....
家の周りは田んぼばかりだった
今はアパートが建ち減った
今年も田植えが始まった
田植機は一切使わず
手で植えるのが楽しい
このまま
田んぼが減っていくのは
寂しくて仕方ない
....
今度
おいしいコロッケ
たぺよう!
この、ぺ
点々か、丸かよく見えなくて
適当に送ってくる
たぺる系ライン
いつも おいしい
雲が空のように見えた
走り書き
眠たいだけが取り柄だった
バス停が点在するこの街で
列車の駅を見つけた
小さくて冷たい
それだけの駅
草の夢で躓いて
命を生きることにも
少し ....
熱いゆげをわけて
ちりれんげですくって
ふう ふう 吹いて食べるのです
舌の上にのせた豆腐が
かすかに香って崩れる時
ふと時間は逆戻り
勤め帰りのスーパーで
....
さささと
身動きできずにいるが
怒りでもなく
悲しみでもなく
ただただ驚くばかり
さささと
判断できないことも
さささと
反応できないことも
なんでもかんでも
さささと ....
石のように冷えていた
わたしの心 を
貴女は温めてくれる
荒れ狂い 悪魔にも犯された
私の魂、剥き出しにして
貴女に曝す、この瞬間
貴女は何を言うだろう?
貴女は何を歌うだろう?
....
風に吹かれて
永久の風に吹かれて
しずかに
寄り添いながら
時を過ごす二人は
遥か遠くから響いて来る
白く透明な呪いの声、
耳を傾け聴き入り
燃える魂の均衡、
造り上げる
....
「マリアノス様もお悩みでいらっしゃるのですね?」
ガイゼル・マーガセルは言った。事態は刻々と変化している。
今は民兵も含めた兵士たちが、なんとかアースランテの軍勢を足止めしている。
しかし、翌日 ....
ファシの街が落ちるとすれば、一週間は持たないだろう。
すでに、戦いは市街戦へと移っている。
ファシブルの兵士たちの練度は、それほど高いわけでもない。
ここでも戦いの行方は、魔導士の活躍にかかって ....
魔法石とは、魔法素子が集まった結晶のことである。
魔法石は、常に魔法素子を蒸散させている。
しかし、過剰な魔法素子の蒸散を防ぐために、
通常は弱い結界をその周りに張り巡らせているのだ。
マ ....
大切にしたい気持ちと
したい気持ちはいつも交じります
割合を変えながら
行ったり来たり ゆれてうねり
波が生まれます
波に押され 波にのまれ
私は大きな洗濯機の中です
純粋で ....
錦市場を 腕すら組まず
真昼にふたり 立ち飲み屋
店でて貴方と そぞろ行く
ひそかな胸の 高まりを
抑え歩いた 京のまち
寺町京極 商店街
貴方手にとり ながめ見る
....
ピカの思い 忘れない
田中はまだ17歳だ
カフェの部屋で沖縄にいる
女の子だ
カフェの部屋は沖縄の密集地域にある
ビルの4階で経営している
というのも予約制である
このカフェは
◯◯有限会社の社長のカ ....
まや
夕方、アイロンをかけていると
背中のすぐ後ろまで
海は来ていた
昔と同じ懐かしい波音が聞こえる
泳ぐことは得意ではないけれど
波打ち際で貝を拾ったり
足の指の間にある砂が
引いて ....
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