○「相続」
今相続が大変である
ふだん面倒見ていた子どもであっても
たくさんの書類を書かされて
くわしく審査されるということである
現金であっても
すぐにはおろせないという
危篤となった ....
日本海に春の来た時は
静かに 静かに
目をとじてみると
生命ない小石が激しい息吹をもらす
波 寄せる毎
丸くなり
カラカラ カラカラ と
妙に乾いた音たてて
踊り ....
それは凄くて 彼の胸は貝がらだ
完璧な夏に 投棄された貝がらだ
涸れないことをほめるのは
ただ軽蔑するのと一緒だ
彼は{ルビ薬匙=やくさじ}を咥えさせて
蛇も寝なさそうな夢を明か ....
言いすぎたあとは
待つしかない
すでに言葉は
離れて祈っている
あなたの心が
傷ついていませんように
私とあなたは
違うということ
お酒を飲んで
黙って横になっている
....
僕は生きていることで
知っている 何も夢見ることもなく
そして理解している
僕の思ってはいないことを
遠くに見えた橋に
その向こうにあったはずの 中古本屋を
心の目に思い浮かべている時に
....
つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
あがらうことが目的のあなたに
月は微笑まない
星々は拍手をおくらない
にちようび、
脱ぎ捨てられた、ブーツ型の安全靴のように、
ただ横たわっているだけの、
草臥れた、
きゅうじつ、
ゲツヨウビがもういっそのこと早起きをして、
ぼくを履いてくれるのを、
ただ ....
ひらひらはらはら
舞うように余韻響かせ
形態から色彩 逃れ出る
うっすら薄い絹糸のループ
基点失い漂う色彩達の輪舞
夢の奥に横たう
もう一つの現実に
私たち達するならば
色 ....
誰のことも好きじゃなかった
ずっと誰のことも好きじゃなかった
自分のことはすこし、好きだった
みんな、この世の人はみんな2人になって
愛しあうのがいいんだって
い ....
口の中の赤
歯の黄色っぽい白
べろの白っぽいピンク
ぐちゃぐちゃな絵が描きたい。
ぐちゃぐちゃの中に何かがいる。
ぐちゃぐちゃだけどいいねって話しかけたらボールが遠くへ飛 ....
嘗て
青 増す紫陽花の
今
青一色 濃密に
曇天の許、
雨に濡れ 静か在り。
自分の人生をいきればいいのだと
私が受け入れられたのは かなり後のこと
そしてまた きっとまた
見失うこともあるだろう
だから 心に
心に小さな灯火を
....
雨滴、落ち続ける
軒先から
規則正しく
リズミカルに
この部屋の、向かいの家の、
取り壊されたまぼろ実家の、
軒先から 重なり次々
透明な音響かせ
そうしていつか
それら、
....
宇宙人が存在するか、しないか、それともこの話題に興味がないすべての人々よ、聞きなさい
宇宙人がいるのか、いないのか、それとも興味を持たないかを気にするその前に
最悪に備えて行動する必要がある
....
そして私は迷い込む
静かな五月の夜
輪郭を失くした処に
複流し
伏流する時の中で
淡くオーヴァーラップするのは
私の意識と
君の意識か
(私とは)
(君とは)
谺のように出 ....
日本海に春の来た時は
カラカラ カラカラ と
生命ない小石が激しい息吹をもらす
波 寄せる毎
丸くなり
妙に乾いた音たてて
踊り上がりながら 転げこむ
海の碧に惹 ....
らどみ ドッキリかモニタリングか鉢合わせ偶然すぎる君とお店で
IA 奇跡の瞬間 運命の出会い
らどみ なんて互いのストーカーはお似合いのカップルになれるのか
IA 暗闇 ....
撹拌された
街の音や願いが
クラシック風の音形をなぞる
やわらかな丘の群で拾われる古代
おしゃべりな小鳥
衰弱しかないその聲に
仮託された笑みは
発点してしまえばいい ....
窓に触れたグラス
あたたかい湯気は
あまいかおりにみちて
ふるい指のあとだけ
けぶれずいました
扉の向こうはいつも雪
雪がじまんの町だから
子どもらはいつも元気で
....
落葉果樹に比べてミカンは
こう切ればこう枝がでる
とか
果実は何センチおきに
とか
そういうふうにきちんとは行かない
なので
落葉果樹に比べて
ミカンはいいかげんなやつだと思われが ....
透明な呪いの声、
今夜も響く
真ん中へ均衡へと
自在に躍り木霊しながら
血液の流れ、
心臓の鼓動、
神経の空洞、
共感と反感 司り
あなたの顔に触れる
あなたという柔らか ....
《輝く六月》
太陽の光 空に輝き
風がそよぐ 草原は緑
花々が咲き誇り 香りを放ち
鳥たちが歌い 空に響く
夏の訪れを感じる 六月の朝
喜びと希望が満ちる季節
夢を追い ....
それ は 、無言、の内に
、声 、を発する
なにも 語らない 、有機的な 沈黙 、
そういうものに 触れていた
雨に、 打ちつけられて
そうして佇んでい ....
美しい稲妻
割れ裂ける空
ぱっくりと紫に
蕾が花開くように
解き明かされる自らの本性、
哀しいほど透き通る歓喜に
*
その日、
川から上がった河童
街まで遊びに来て
....
落胆を胸元からのぞかせて
あやめ色
切る風もなく
地をつたう眼差しに
まろぶ木漏れ日
翅ふるわせる
仰向けの蝉の腹は白く
罌粟のつぼみ
空き家の庭でふくらんで
子音がとける死んだ ....
・仲間が多い
・蜜はゆずりがち
・見た目より強くないけれどそんな自分がけっこ好き
・あわてるとヘコヘコ走る
・話すときはゆっくり話す
・やばいと思ったら死んだふりをして待 ....
大きな欠伸だ
場の空気をすべて吸い込む
人々は乳児に戻る
はい 始めからやり直し
〇
隣に座る
それしかできない
隣に座っている
それだけでいい
〇
親から子へ 子から孫へ ....
○「ヘア」
若い真面目な彼女が
飲み会帰りにささやいた
「ホカチャンアタシコレデモガクセイジダイハオヤニハンコウシテチャパツダッタンデスヨ」
「ソウ!シタモ?」
「イヤダア!ウエダケデス ....
ジャンジャン横丁を
制服姿の女子の二人乗りが突っ切って行ったのは
もう十数年も前になる
後部に座る子の脚が長いのか
見送ると大胆に
自転車の幅からすんなり伸びる白が左右 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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