○「年齢確認」
コンビニで酒を買う時に
いまだに「20歳以上」を押すように
言われる
これにはいつも違和感を感じる
せめて「60歳以上」にしてほしい
○「平和ボケ」
戦争になると
....
wi-fiの切れた風景
ビットレートが滞って
すすんだり、もどったり、
わらったり、する
pngでもjpegでもいいよ
解像度の低い幸福は
夕立のように僕らを襲った
観測は遠 ....
その日は夕方までに出張先を二箇所回る予定だった
庁舎の駐車場を出発した公用車のバン
走る 湖岸道路から
雪化粧した比叡の山陵が見えて
ハンドル握る主幹へ助手席の私はたずねる ....
風に満ち足りて花に憂う
水滴は一夜を幻に染める
夜の静けさに映り
溢れる心の瞬間に今、
あなたは闇を想う
走れとばかり、飛び立つ鳥
月灯りの淵の
電灯はもう
薄目を閉じて
片足で立っ ....
先生は
ただ先に生まれたから
先生なのではない
先を生きているから先生なのだ
上にたつのではない
先を歩く
一番前を歩く
一番雨風を受け 一番苦しい道を歩く
そうして道を開いて ....
軽々しい あわらち 越して拵て
なあ、女々し布石の子の穴はちょうど
青磁の正午ごろ こちらより あちらがわほど
割れてしまった吹き抜け窓に焚き付ける
並て縦に為ると 憐れな紫陽花も桜の実も ....
あーーーーーー
まじでねーわ
女を書くな
おまえが女を書くな
おまえごときが女を書くな
女を書くな
女を語るな
女の胸とか髪とかスカートとか肌とか
そんなんやめろ
詩が嫌 ....
ごみみたいな感性で放てよせいぜい
きらめかないミラーボールに反射する銀のクローバーの中に君が四人いる、IHコンロの音で殺される妄想ばっかりしてる
友だちのやり方もわからないまま
大人になると ....
霞んだ滲んだ奥底から
仄かに姿を現すもの
深い 深い
海の底にいるように
無音のうねり
無音の瞬間
生と死の狭間に立たされて
未だ肉の生命は躍り
....
青りんごは自ら枝を手放して
地に落下した
それは手のひらにすっぽり包まれるほど小さく
人が食べ頃だと思うには到底未成熟だった
わたしにもっといい耳があれば
落ちた理由が聴こえたかもしれな ....
ダンボール箱の中に
座布団をしいてすわる
箱ごと横に倒れる
易しい
後ろは勇気が必要
でも易しい
前は難しい
膝があるから
前回りに一回転して
戻れたらクリア
....
赤茶けた りんごの芯を
みつめていたら
なにもかもが
こわれかけた 白さに
その薄さよ
わたしは
あなたの胸を離れなければならな ....
僕は何でもない思いで
雨の窓を 今日も見ていたのだ
誰も友達が来るわけでもないのに
今日も そこで ずっと
やがて昼が来て それから
ざるそばを食べた 僕は
また 夏が終われば
....
トーキョー あるいは地獄
不協和音の連弾
太陽の上昇
騒ぎあかした疲労の夜明け、
異邦の声の感触 未だ濃密に
朝に眠り夕に目覚めたあの頃、
地獄突き抜け
何処までだって自分は走れると ....
胸間からとおくとおく、袍の指先まで
崩れかけた山肌をなぞっているのでしょう
その眦など、乾いては渇いては
照り返したその頬の、なんともはや
かがりくるう、つむじあたりに、かえして
つぶらのか ....
力動、漆黒に碧く
ぽつんとひとり、
取り残され
「これからオレの半径五メートル以内に近づくな!」
いつもの坂道上る登校途中、
手を繋いでいた五歳年上の兄
突然、手を切り離し私に言 ....
加藤さんが五大大会三連覇を達成する
という快挙を成し遂げた
まだ梅雨は明けきらず
朝からの小雨で唸るような湿気の中
お風呂をはじめとする各箇所のカビ取りは
一向に捗らないが
せっかくなので ....
曇天、厚い雲が切れ
ひろがるひろがる
光の青、
降り続いた雨の
雨滴 葉群れに輝き、
もんわり街を覆う熱に
滴り落ち蒸発し
この世、今
光の青に包まれ
地から空へ 光
クレシェ ....
誰にも見えなくなるほど
高く高く投げられたコイン
誰もが一度見上げたことのある
あの星
一度きりの勝負を
僕と君はした
これは僕と君の世界だけの
小さな戦いだ
誰かが時々
....
夜の風 気持ちよくて
外でコーヒーをのんでみた
ええかっこしぃ みたいで
はずかしいけど
正直
かっこいい気分になった
しばらく飲みながら
ご近所をながめる
人気(ひとけ) ....
○「カミさまの声」
山へ登り始めたら
携帯が鳴った
見ると入院中のK君からである
出ると従姉の人からで
「K君が危篤です 会いたいといっています」
ということだった
急いで下山して病院へ ....
ドドドドドドドドドドドドド
ドドド
ドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドド
ド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドド、ドド
ドドドドドドド
ドドドド ドン ....
空間のなかの構成されていない物体たち*
言語による意味規定される以前の
ただひたすら在るもの在るもの
その立ち上がる実在感
ばらばらと在り
なのに調和し
全体 ....
かのじょとわたしはいつもいっしょにいる
かのじょのみぎかたには食洗機についてる
みたいなひねるだけのスイッチがついている
わたしがからだをかたむけるとわたしの体はゆうれいみたいにすいーっ ....
荒れる粗い音響の渦、
ひたすら待つことの静かさ、
湾曲する漆黒の力動、
遥かな地平を凝視し
私は知らない、
言語の意味の向こうを
私は躍る、
微睡みの覚醒のなか
抽象を離れ ....
桜が散り 紫陽花が褪せ 沙羅の花がひらいた
ひと息のあいだに
あなたの背中が 広くなる
投げ込まれる目くばせに
くすくす笑いの小波に
あなたたちの髪は 伸びていく
結んで結んで ....
呪われた僕を
ケーキで祝う君が
大事そうにポケットから
どこかで聞いたような
誰かの聖書を取り出す
僕を宗教が導いていくよ
宗教が僕の手を引いて歩くよ
夕暮れがさっき過ぎ去った街 ....
午前、ほんの少し
台風があった
鉛筆を削る時によくやるような
些細な手違いが続き
新しい橋の開通式は
関係者とその親戚とで
執り行われていた
濡れた草むらには
観覧車が乗り捨てられてい ....
「朝顔を咲かせてきたの。」
始業時間のチャイム鳴る前、
いつもより遅れて出勤した私は
理由尋ねる彼女へ答えた
君よ 開け
線路わきの道沿いで
私の手が一輪の花へ伸びた
....
地面に伏した死体は若い女のようだった。なぜそうなったのか、もう判断もつかないほどに腐敗しきっていて、鮮やかな配色だっただろう衣服ももう、全身から溢れ出した体液に塗れて汚物のような色味に変わっていた ....
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