総勢五十名の審問官が横一列に並んだところ
壮観であるとおっしゃった
かの君
ウツボ座の椅子は非常に座り心地が悪く
座り直すたびにずり落ちる王冠はまるで
重力波へくちばしをくりかえし
く ....
アパートの軒下で
猫が雨降りを眺めている
虚ろな無関心な
人間の目をよそに
瞳 黒々と濃く流れる血
いつか雨降りと一体化し
遠い海鳴り宇宙のそよぎ
軒下の猫 夢みてい ....
見えない陣が静かに張られ
消せない悔いを学ばされる
通学の青にも馴れた頃
無菌にされてゆく教室で
午後の解答欄をはみだした
もっとひろい紙の方へ
未来をつかうことば達を黙 ....
波がそよいで
靴底に、沁みる
遠い水を{ルビ浚=さら}い
海が伝う。
{引用=あの日}
そっと {ルビ掬=すく}い
手の内にきえる
一瞬、少 ....
わたし
この世界にはこの世の中には凄腕の表現者どもがわんさか居て
彼彼女の評価されない作品がこの何十年だけでも山とあるのに、
何故ネット内の身内でちちくりあってるのかがわからなかった。
今にし ....
フランキスを戸惑わせている事柄がもう一つあった。
それは、ライランテ大陸の東方にあるヤーコンの諸国家群の意向である。
彼らは、アースランテと足並みをそろえようとしていた。
そうして望むものは、も ....
フランキス・ユーランディアは戸惑いの表情を隠せなかった。
それを見て、イリアスが口を開く。
「貴方の面貌を察するに、交渉は上手くいかなかったのですね?」
「ふむん」フランキスは目を上げる。「貴女 ....
世界は僕を賛美する
僕は真っ白な天使ゆえ
人の道の頂点にいる
なのになぜだか
世界は僕を蹴落として独りにする
まるで僕は薄暗い日の当たらない所にいる
人の道の最下層にいる
人はみ ....
光が奏でる
響きの旋律、
雪面に続く
野兎の足跡、
延々と輪舞し跳躍し
今日、隣のおばさんは
今の若者が結婚したがらないこと
嘆いていた
怒涛の波 押し寄せる
その前触れ ....
寝息が包んでいた闇を抜けて
小さな呼吸は
始発電車よりも早かった
眩しいからなのか
朝を薄目で盗んで
それを混ぜるための
パレットが欲しくなる
乗せるものが無くても
軽くて透明 ....
ユー、見せちゃいなよ
ユー、触らせちゃいなよ
ユー、口でされちゃいなよ
ユー、口に出しちゃいなよ
ユー、パンツ脱いじゃいなよ
ユー、クリーム塗られちゃいなよ
ユー、入れられちゃいなよ
ユ ....
突き抜ける、
独りの個の限定された
知覚を感情を世界観を
声 響き渡る、声 突破する
混沌とした音響のなか
人間社会というザワメキをウナリを
私という存在に真っ直ぐ突き刺さる
貴 ....
ピーマン ナス トマト
カラフルでピカピカ
夏の野菜
元気印
ピーマンとトマトは大丈夫
でも
ナスは大嫌い
それがなんと
なんと なんと
ナスをたべれるようになりました
....
円を描き循環しながら
増幅し強度増していく
ヒビキ、
思考と感情の交錯と分離
繰り返し互い支え合い
一つの聖なる確信の次元へ至る、
ヒビキの放ち刻印する
光の故郷、
覚醒する意 ....
漆黒の円に
閉ざされていた街が
内側から
破裂する時、
光を眼差す魂
戦いを放棄し
己の行為を愛する、
ひたすら
地元走るローカル線を無人駅で降り
山裾へのぼる細い道で足を止めた
通りすがりの一軒家
茂る枝葉を被った鉄の門
奥に木造の二階建て
軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている
....
扇風機から炭酸水が漏れている
甘い味はなにもないのに
蟻が数匹集まっている
手触りのする布で拭いて
以前から繰り返していた
冷蔵庫を開ける
三丁目がある
良く冷えた救急車が
大通りを走 ....
夕方 お散歩にでた
屋根をみた
すべりそうな屋根
安心の平らな屋根
凸凹な屋根
屋根から屋根へ
お散歩 お散歩
夕方の屋根は
どれもみんな
さみしさがのっかってた
....
ひどい噂だよ
君に降りかかる
言葉は見ちゃいられない!
すべての悲惨な言葉は
嘘だよね?
誰かが作って、誰かが使った
それだけのことだよね
巨人が振り下ろす拳が
僕と君の
....
誰にも故郷があって
それが心の拠り所と呼べるものでなくても
またその地を踏んでみれば 何か思うものがあって
私はなぜだか 駅に降りたら涙が込み上げてきた
帰ってこれたことが ....
気がついてみると、あの頃にようには心や脳
が動かなくなったのか、とかなんとか。そん
なことはないはずで、身体と心のあちこちが
ゆるんで、ちょっとやそっとしたことなんか
で胸が高鳴り、涙を流して ....
雨曇切れて覗く青
前行く女のまぁるい尻
優しい柔らかな進化の残り香
残された時はもうそんなに
長くはないよと風の精霊
私という魂を吹き抜ける
土に埋もれた狂人の顔
その赤裸々な闇の独 ....
今もあの鉄階段を憶えてる
カンカンカンカン
大きな音を立てて俺の革靴は
地上二階建ての外階段
広島の郊外都市
潰れかけの旅行代理店
自社ツアーがあん ....
たぶん、”世界-1”と記したって”世界”が分岐し、
もう戻ってくることはないのだと言いえないとも言えない。
どうせ、明日もたぶん地球は自転してもいるが、公転も
しているのだから。
....
空へ空へ
伸びる茎
光を光を
求めて
枝分かれして扇形になった
それは
小さな木々のよう
草はらに
明るい森を成している
海の向こうからやってきて
異国の地に根をおろした
覚 ....
夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網
身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り ....
仏壇のロウソクに火をともし、それから線香をあげて、
いつも手を合わせて、そのように月にいちどは戻ってくる、
いもうとが、父の日に花束と缶ビール1ダース分をプレゼントしている、
天気の ....
灰色の空
ヌメヌメした空気
人混みに溺れる
溢れてくる
無数の円、
次々と次々と
その内の一つ、
次第に大きく巨大に
純白に侵され満たされ
接触する、
何かに
ナニカに
風景破壊し瞬間の光景、
閃き開示し
....
かたつむりの王は
水辺で嘆息する
今回も失敗であった
ヒトに寄生することは容易だが
操ることも難しくはないが
あやつらは海に帰って来ぬ
一方、地上では
一人のマッドサイエンテ ....
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