銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
――G.J.へ
誕生と死との間に、もうひとつ誕生と死とがあるとすれば、それは君たちが今成し遂げようとしていることだ。二人だけの孤独が誕生し、一人だけの孤 ....
生まれる事のできなかった命や
存在するはずだった天才達
今はもう消えた遺跡に腰掛けていた
二千年前の妖精や
また、
人間には決して発見する事のできないもう一つ ....
木下くんちの子がよる、きゅうに中耳炎になって
頭の中で(虫耳炎)と思って
耳で虫が燃えて
耳で虫が燃えて
ダニみたいな虫がいっぱいいっぱい
耳で燃えてて
耳が熱くて熱くて
焼けてこ ....
誰もいなかった
自分がいるときに伸びる影を
見ていない路地で
動物のそばにはいるけれど
遠くに沈んだ船のある風景
鉄はそこにさび付いた色を残して
カモメの集まる空に
次の季節を知 ....
鳥が羽ばたく空は
線が引かれたように
広がっている
誰かが死んだなんて
信じられない青さで
ゆるやかに広がっている
冷奴のかけら
先細りな箸ですくおうと
したら
もっと小さなかけらに
なって
皿の中に落っこちた
そのかけらを
すくおうとしたら
もっともっと小さな
かけら ....
むかーし旦那にライバルを襲撃させたなんつう
事件があったけど
(そうそう、トーニャ・ハーディングだ!)
それもなかなか難しいから
もっと現実的な方法として
下半身丸出しで演技するってのはどう ....
原因を考ゑてゐる
さうして帰属をも考ゑてゐる。
ビルジングも建物も無ゐ時代にかうした風は吹ゐたのだらうか、
人が造り上げた物と
自らが作り上げたもの
是等を巧く避け乍、 心 ....
おまえの憤りを愛せよ
おまえの憤りを愛せよ
路地裏に放置された
何十年も前の三輪車みたいな
おまえの憤りを
観念的な錆には痒みを覚えるだろう
みんなそうして憎しみを忘れまい ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても
目だけはじっと
私をみていた
まゆみだよ
わかる?
といっても
黙っていた
聞こえる?
と聞くと
うなずいた
声は ....
箱を開けたら
静かなところ
あんなにうるさかった
音を忘れて
今 立っている
あふれるのは
いつもやわらかいもの
何度
助けられたことだろう
今日すら
また救われ
何度もこう ....
あなたはいちども
わたしを愛さなかったけど
あの
朝とも夜ともつかない暗がりに
わたしともあなたともつかなくなったどろどろに
手を抜いたこともなかった
かわいそうに
いつまでも
....
洗濯物の模様になって
取り込まれたテントウムシ
手足を縮めて
ぼく死んでまーす
アジサイの葉に
赤と黒の水玉模様
手を触れれば地面に落ちて
ころころ転がり
ひっくり返ってぼく死 ....
青年は腰布一枚で
十字架にかけられてそこにいた
大聖堂のうす闇が荘厳する
巡礼の密やかなざわめき
ミサの開始を告げる旋律は
共鳴して窓を震わす
そのとき 見よ
高い丸天井に憩いし ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で
澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている
いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
ソチ・オリンピックのテレビ中継で
上村愛子選手の姿を見て
ぐ…っと来た、僕は
少々涙腺を緩ませながら
隣に座る、妻に云った。
「攻めに攻め、金にも勝る、滑りかな」
数日後、シスター ....
セックスからはじまる現代詩
それは、
無駄に多い性描写
童貞のまま月にたどり着いたロケット
セックスからはじまる現代詩
それは、
風景に溶け込めない看板
ギラギラよりラギラギした看板 ....
拾われないまま
触れられないまま
腐ってしまっても
傷つけていい人など
傷つけられていい人など
どこにもいない
だけど本音を言えば
面白くもないのに笑 ....
釣り堀で釣りをするのがすきだ
どこへもいけない水の底で
大きな魚がひそんでいる
敵は慣れたもので
エサが沈んできてもあわてない
口先でふれては
はねかえる糸がエサを落とすのを待って
....
わたしを生んだ
女をわたしは知らない
影も匂いも
どんな音を発するのかも
なにひとつ知らない
わたしを抱いて
わたしを褒めて
わたしを叱って
わたしを守って
....
斜面の彼方
架空の消失点に向かって
きみは加速する
ゴーグルに叩きつけては
後方へ飛び去る風が
喝采にも罵声にもきこえる
そのクレシェンドの頂点で
はるかに強く
心音をたたきつ ....
楽しい、だとか
素敵な時間、だとか。
また
強く感じようとして。
つい
いつもの癖で。
実感がとてもすきなものだから。
青と緑と白と透明はそれをゆるしてくれなかった気がした。 ....
少女がしゃがみこんで
草むらを見ている
ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる
小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
セカンドバックにもずくが溢れている
お経のチーンの余韻の中の中
サイドカーにまねきねこ
やまいだれに閉じられたる春 歌うことを忘れ
清らかさは鏡張りで 叫べども残響を繰り返し続ける
蝕むは己か 己こそが蝕みかと
慟哭の隙間 ふと見上げれば(ああ)桜の空だ
(薄情の罪業に裁きは ....
紅いセンチメンタル
紫の衣に
氷がつきまとい
すべるように
流れるように
悲しげな
彼女のセンチメンタル
真面目にじっと
みつめて・・・
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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