詩が書きたいけど良いのが書けない
常々そう思っていたら ....
駆け抜ける想念とは裏腹に
書き抜けぬ言の葉裏の蝸牛
雪の積もったノートには
あと数羽カラスの行方が不明です
時の刃の上をゆっくりと滑る私たち
やがて「私」「あなた」という二つの断面へ
....
畳の下の
床下の
深い土に掘る穴の底
沈めた箱に
堅く蓋をして
重しを載せる
あの人の上に
土をかけ
床板を
畳を
元通りに載せて
二度と
覗いたりしない
その上 ....
スピリタスをスピリタスで割って出されている
テディベア抱いて奈落の底
ふたりの名を入れたジョッキに生ぬるいビール注がれている
22世紀には猫型ロボットできるかなあ、って
そんなありふれた会話でしか思い出せない
きみのことは
一生ものの記憶にしようと思っていたのに
思いだそうとすると、どら焼きのこととか考えちゃうので
....
揺れる心地よさに
居眠りしていたわけではないが
通過してしまった駅があったという
ぼくを待っていた人に気付かず
遠ざかった町
乗車駅の ....
きみが霜の降りた髪に
はらりと留まる薄紅の色に酔う
積もった時間は
古い層から固まりゆく
春を迎える度に
漆のように重ねてきた
嵐が吹き荒れた季節
その黒髪の一本まで
この手の ....
一番、一番って
言ってるから
無茶してでも
やってやるみたいな
こんなヤカラが出て来んのよ
どう、あの時の
あたしの発言の真意が
分かったかしら
だてに昔
乳首に泡付けた
写真集出 ....
少しだけこのままで
明日になれば
明後日になれば
その次の日になれば
なくなっちゃうかも
知れないから
今は
今だけはこのまま
ぬくもりを感じていよう
君の言葉が泳ぐのは
淀みのない海流
北上しながら溺れるのは
空と
水平線とのあり得ない接点
君が脱ぎ捨てたいのは
どこまでも纏いつく
垢じみた毛皮
切り捨てたいのは
画布に滲 ....
初めてのことを たくさん教えてくれたね
飽きっぽいのかなと思ったら 好きなものが多いだけだった
あんなに高いアンテナを 初めて見た
手に余るものを 大切にしようとして
ぽろぽろ指の隙間から ....
<怖い人>
急によそよそしくしてごめんなさい
とても不安になってのではありませんか
何かしたっけと悲しそうな顔をさせて
とてもひどい人だと思われてはいませんか
私はあなたが怖い
あなた ....
ぼやけた視界に
おもわず無いめがねを指であげる仕草を
いくども繰り返すのも
ひとつの
刑罰のようだ
熱風と鋭い日射し
首の後ろの筋肉がじわじわと緊張している
またも無 ....
缶を一つ 割りました
あなたが うふふと 笑いました
笑顔の空気が 広がったので
缶は パンパンに 膨れました
もっと増えて 欲しいので
踏み潰して 切り離して バラバラ ....
自由気ままでさ
陽気で乱視なナンシーはさ
なにもかもうまく掴めないからさ
大好きな街角を印象派みたいにさ
淡く滲んで歩いてさ
知ってる人や知らない人にさ
軽やかに挨拶してさ
スキップ ....
工場のことを 正しくは季節のない畑と言います 社会のことを 正しくは愛のない家族と言います 法律のことを 正しくは形のない縄と言います 経済のことを 正しくは摂理のない海流と言います 詩のことを 正し ....
解き放つ
空は高く 遠い星の輝きを映している巨大過ぎるスクリーン
広すぎるキャンバスに私のどうしようもない肉体情景をおもいっきり
解き放つ
気持ちの良いくらい 人を殺せる鋭さを持っ ....
代表戦となればそれがワールドカップだろうが親善試合だろうが街は青いユニホームを着た日本人で溢れかえる。サムライブルー。ジャパニーズオンリー。胸には八咫烏。我等をヤマトへと導きたまえ。
居酒屋もパ ....
海のない手のひらの庭
土を踏む三脚の椅子
雪、重なる雪、そのあいだに
燃えるものがあるなら
空白を焚きつける
指先の罪悪を冷たい鍵にする
小さな灯りに目を細める
たったふたつの隠微な ....
小佐保方内晴守(こさぼほうちはるもり 43)は
全聾だったが、自身が捏造した万能細胞を
耳に注射することで3年前から聞こえるようになった
そのことをゴーストライターに論文に書かせ
科学雑誌ネ ....
大人は判ってくれない
どうでもいいような深刻な悩みと
爆走するハートを抱えたまま俺たちは
夜の待つ街へといつもいつも
それには理由がある
夏の朝まだ明ける前に飛び出していくフルーツたちを
....
有名になりたい人が
有名になるために
嘘をつく
嘘のお陰で
有名になる
やがて嘘はバレるけれど
バレたお陰で
もっと有名になる
本人は二度おいしい
と思っている
あるうららかな昼下がり、きみはインターネットにあげていたイラストを全部削除して旅にでたんだ。ほんとに消したいものは他にあったんだけど、それはマウスでどんなに上手にクリックしても消せる代物じゃなかった。 ....
再利用できない屑になる
幸せなドブネズミの尻尾ちぎれている
僕にツっこむときだけ手がグー
ひとりじゃないから
かなたからきこえる
りんとしたうたごえ
あしたのなかまたち
れつをなしてまつよ
新しい扉を開けて
今!
十分に
勤めを果たした風よ
わたしのなかから
出ていきなさい
真直ぐ、迷わず、信ずるままに
うつくしい音を
連れて
うつくしい
音色となって
あたらしい風 ....
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