狂ったようにいくつもの音が頭の中で鳴り響く、魚眼レンズを覗いたように景色は不確かだ、俺はゆがみのみで現実を把握しながら、真っ直ぐに歩こうと今生に根差している、靴底が踏みしめる地面は誰かの血で赤 ....
水きりの音が
聞こえているけれど
川辺には誰もいない
水きりに適した
平たく薄い石もない
けれど
いちめんの石たち
いちめんの石たち
いちめんの石たち
いちめんの石たち
....
月夜の桜にご用心
照らされた花吹雪に心をもっていかれるという
そんな夜はおひとりになりませんように
こんな風に思ったことはないですか
私の不幸せは誰かの幸せの代償で
光がある故の影のよう
どんなにあがいても
この運命から逃れることができない
私の黒い欲望は
誰かを傷つけてしまいそ ....
夜勤の作業台
部品のはんだ付けをしながら
あくびが出る
慣れない頃は眠ってしまって
何度も火傷をした
今夜も気をつけなくては
はんだ付けはやり直しができて
部品の取り替えができる
....
もうすぐやってくるものを迎えるために
部屋の配置を変える
“あるがままを受け入れる” それが存在の呟きだとして・・・
翼は鳥に似合う
「重いものを背負っていますか?」
おせっかいをやいてみる ....
鮭が鮭であるために
何をすべきなのかを
考えているようなら
僕はまだ鮭ではない。
鮭が鮭であるために
鮭以外にならぬよう
上すべりで川上りな
振る舞いを意識する。
鮭が鮭である ....
工場の煙突が
なんだか
昔よく好んで喫んだ
メンソール入りの煙草
マルボロのように見えた
工場はモクモクと
煙突から真っ白な
人間の魂を吐き出して
コンベアの上に
ゴロリ ....
なみだがとまらない
手首でぬぐうと
雨がたたく音がする
ねえ
ぼくのために
マッサージを予約してくれないか
そとは雨だ
想像する
どんな思いをして
....
朝、目が覚めたら
春だった
君は知らないかもしれないけど
私たちは三十億年の昔から、
三十億回にわたって春をむかえている
そして、私たちの体は三十億回にわたって
内臓波動の生命記憶 ....
コンビニの灯りに集まるクラゲを
殺し屋はすべて撃ち落とした
その間にも人は計画を作り続けた
幸せになることはとても簡単だった
書いたばかりの遺書を握りしめて子供が走る
町はずれまで行 ....
ナオミ
明日の午前11時に
成田まで
誘拐犯があなたを 迎えにいくから
電車賃も忘れずに
ちゃんと早起きして行くこと
それから
東京中の名所を リストアップして
メモに ....
別に昆虫の話じゃありません
これは一種の開き直り
あなたは平和主義者ですか
わたしは違います
大仰に言ってみても
所詮 頭と胸
頭で知った理想を
胸にぶら下げて生きること
本音と建 ....
今日の日差しはとても暖かい
だからでしょうか
ほろ苦い思い出がふとよみがえりました
ピンクのビニールバッグを持って泣きながら歩いたあの夜のこと
たった30分だけの家出
今ではバッグ ....
我が社に知的障害持った青年が入社した
長い期間研修で頑張って入社した
彼は我々の新しい仲間だ
18歳の彼は真面目で優しい
彼を見ていると
健常と障害の違いは紙一重だと思う
彼の ....
小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
曇り空だから
そんなに 映えない 姿だったけれど
透過100パーセントで 描いた
背景のような
美しい虹が 掛かっていた
出勤時 車窓から眺めた
一瞬の 煌 ....
二十歳が近づくにつれて
首を絞められるようになった
雨で濡れた道路を俯いて歩く
必死で生きていく
虚しさを感じる
この街のスーパーで働いている君は
僕と同じ街に住んでいるのに
なぜ会 ....
人が言葉に触れれば
それは音を立てて崩れ去るだろう
・・・人間というのは日常性の中に
埋没する為に存在しているというのか
人が音楽に触れれば
それはすぐに ....
わたしは覚えている
あなたはわたしの詩をよんで
あなたはわたしの言葉をよんで
これがすきだと
はにかむように笑ってくれた
わたしは覚えている
あなたは太陽の下で
あなたは吹雪のなかで ....
バルスが祭になって平和
仕事のときは訛っていたよね
そばつゆだったけど飲んだ
南の海原にあこがれる
パルコニーに 向かって
大気は 嘆息を加減乗除しては
永劫にながれる四次元を注いでいる
性急な厳父の「風」の軌道と
....
どこまでも透明な 海流の底
光の道が 幾重にも交差して
青い荘厳な布を 織り上げている
光は 時折 潮の流れに乱されながら
遠く 遠く
まだ予想もできない ....
夜の森に鹿は居て
、もう書けない
春に実った野ブドウを食べている
わけはないと(は、
違った意味で)当然だったはずのことが
そうではなくなり
永劫のような空腹を抱えて
すっかり神経は擦り ....
向かい合わされた二つの椅子の一つに座る
誰かの温もりがまだ残された椅子に
浅く、前屈みに
向かい合わされたもう一つの椅子に
客人が座る
深く、めざめに
もたれ
客人の手の甲に ....
海の色が黄土色だったのを見て
僕はそらが分裂するような眩暈におそわれた
やまももを今朝、摘んでから胸ポケットにいれたことも
忘れ果てて、じんわりと果汁が胸のなかにひろがっていた
目が覚めて ....
高戸橋から江戸川橋の間
神田川は桜に抱かれている
護岸に並んだ二百数十本の幹から
幾千の枝が
それらの枝はその幹の根よりも低く
深く
川面を抱きしめる
ビルとビルに挟まれた都心の ....
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