(一行詩集/ ハァモニィベル「一行の夢」 )
【一行*夢】
*
一行の人生が、いま、谷底へ向かって続いている。突然、愛という文字が、両 ....
どんなに心から誠実でありたいと
口にしたところで
薄っぺらで何も伝わりはしない
誠実さなんてものは
都合がよい時にだけ好まれて
都合が悪い時には疎まれるからだ
重視されるのは どう ....
人は人生を
(因果因果)と
押して行くんじゃなくて
(果因果因)と
押され続けて、
生きてゆくような気がする・・・。
一
貴女にだけ焦点があたり
貴女をひきたてるためだけに
周りはほのかな額縁になって
動く絵画が私を石にする
二
机の隙間は敵地の運河
岸の高台には王女の横顔
幾多の ....
死ぬ場所をどうするか
出稼ぎ組の私にとっては重大な問題である
私は、どこで死ぬのか…
高度に進んだ医学界では
見つけた患者をベッドの上以外で
死なせるようなことは許されない
秋に、 ....
ねえ、ママ
あなたはとてもきれい
口紅をぬらなくても
つめが赤くなくても
きれいね
しわしわの指
わたしをなでる
とても、きれいね
中国人かブラジル人ばかりの街でプッシャーをしていた近ちゃんが死んだ
パニック障害の薬を齧りながら
大麻、クラック、LSDを顧客中心にさばいていた
高校球児だった近ちゃんは学園一足 ....
とても綺麗な彼女にだって
鼻くそのひとつやふたつ
たまることぐらい
当たり前なのに
許せなかったのは
僕が余りに幼すぎたから
僕に好意をよせてくれているのが
なんとなく分かっていたく ....
猿の反省こそポーズだけだ
飛行船追いかけて知らない町
卒業証書の筒からマーブルチョコレート
ことばに変換できない
内に断層の捲れ上がる感覚
{ルビ穿=うが}たれた二つの池が風もないのに細波立つ
千も万もの透明な手足を生やしては
縋るものもない空の空を
死にもの狂いで掻き毟る
....
魚臭い市場の雑踏で迷子になった
US MarineのGIがこわくて泣き出した
東シナ海をわたってくる風に明日をゆめみた
ジェット戦闘機の爆音に空を見上げた
悲しくつらい過ぎた時代は
....
私は卵を毎日産む
優秀な鶏
多くの同胞と同じように
一羽ずつ
ケージの中で大切に守られ
整った環境で
健康に育てられ
栄養が 無駄な筋肉や
要らない羽にいかないで
卵のみに集中するよ ....
俺は今夜も酒に呑まれながら
(ヒドイがぶ飲みで)
....
地の上に
小さな月が幾つも転がり
海への径を照らしている
黒い瞳の
ななめうしろ
銀の髪に
ゆらぐうなじ
海を越えては
また戻る
とどまらぬ羽
....
薄氷の奥で
四肢を必死に伸ばして
もがき続ける
姿が見える
手を伸ばせば
直ぐに届きそうなのに
否 その距離が
縮まる事は 無い
幻想の向こうに
....
子どもの頃
大縄跳びが苦手だった
自分の順番がきて
入るタイミングを計っているが
なかなか飛び込めなくて
戸惑っていた
後ろから
早くと背中を押されて
飛び込んだら
いつも縄を踏 ....
とてもスケベな夢を見ていた
余りにスケベ過ぎて
どんだけスケベだったか
忘れるぐらいだ
ただ、チンコが久しぶりに
ビンビン、ビンラディンだったので
確実に超ど級のスケベさだったと
断言出 ....
ありえっこない夢語ってる
それを肴に微睡んで
ありきたりを吐き出していく
わかりっこない事背負ってる
そこを皆で持ち寄って
ああでもないしこうでもない
酔いしれながら満ち足りる
....
夜の帳がおりるころ
窓枠をめざすもの
ベッドの下をめざすもの
テレビの画面を目指すもの
外気を求めて出かけるもの
温もり求めるもの
夜の帳がおりるころ
こ ....
女たちがまた
向かっていく 風俗街 そして
何も言わずに入っていく ピンク色の壁の中
薄暗い店の中は いつも 寂しい
そんな風にして 出かけていった
寂しい男も夜になると集まってくる ....
ぼくらに見えているのは
それが跳ね返している色なんだ
きらきらきらきら
きらきらきらきら
それに跳ね返されている色なんだ
真実は真実をはねかえす
愛は愛をはねか ....
エビデンスがないと怖い症候群
言った言わないになると困るから
記録を残すんだ
エビデンスがあると怖い症候群
一緒の写真を使われると困るから
記録は消すんだ
エビデンスに気がつくのが ....
人魚姫は泡なのです
哀しみの泡なのです
追いかければ
追いかけるほど
溶けてしまう
運命はスノーボールの中みたい
たくさんの手
たくさんの瞳たちが
彼女の
沈んで ....
「土地と家の権利書を盗られた」
しまった場所を忘れたのだ
「炊いてあったご飯がなくなった」
自分が食ったのを忘れたのだ
忘却は、現在の妄想を生む
生きていたときには
あれだけ不満の ....
花が散ってしまったことを
貴女はカレンダーを見て知る
「今年も会えなかった」
ただよう匂いに引き付けられて
蝶のように舞う貴女の姿を
来年は見られますように
緑が顔を出しは ....
あまった時間なんてないのにもてあます
反省なんてしたくないから探す/言葉を
文字にすればゆるされるとおもっている
今が過去になると決めている
明日の自分を想像できるけど
少し夢をみる ....
行ったこともない月の話なんか聞きたくないし、
会ったこともないモナリザに見とれたりなんかできない。
目の前に広げられた教養と呼ばれるもののすべては、
世界のネタバレだから知りたくない。
....
排水パイプの中で沈殿した昨日が嫌なにおいを立てる生温い春の、腐った血液のような時間の行進だ、おれは目玉をぐるぐると回しながらなんとか収まりのいいチャンネルを見つけようとして夜明け前から躍起 ....
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