臨終の時が迫ってきていた
母と娘で長年過ごした
平屋のあばらやで
床に臥せっていた母は娘に言った
今まで苦労を掛けてごめんね
一生貧乏な暮らしで終わった
自分の人生に付き合わせた娘に
....
psychoanalysis、幾万幾億と仮想せむ裡
獣、纏ふは麝香、六百六拾六匹の二重螺旋、第捌のchakra
伝染性のvirus或いはquantumなり黝山羊を屠る可き
((((((HELLO ....
おれは{ルビ中絶=abortion}を免れた
悪辣の忌仔
数多の咎を{ルビ断頭台=guillotine}の枷に嵌め
十三の階を昇る黑い{ルビ懺悔者=judas iscariot}
giac ....
○「有難い実家」
今度娘が
二人の孫と一匹の犬を連れてきて
10日もいると妹が笑う
実家に泊まれない人たちもいる中で
誠に有難い実家だ
○「中古車不正問題」
急に中古車が
事故車に ....
ふたり分の沈黙を乗せて
笹舟は遠ざかる
意識を過去へ葬るための
ひとつの光の繭となって
むかし使っていた腕時計が
どこかで針を揺らしている
重ねた手が夜の魚のよう
夏の体温に静かに跳 ....
どこいったっておんなじさ
あのまちこのまち
もう少しでなくなる
さわやかな減少の中で
さまざまな現象の中で
大きな音で音楽を聞きながら
泣き言がいつか
尽きるのを期待して歩いているん ....
博士、ふざけているんですか?
電気じゃなくて便器自動車だなんて
まぁ、そう怒るな、説明だけさせてくれ
これは便器に座って走る自動車だ
トイレだから、渋滞をものともしない
今の時代、それく ....
ビックリモーターの報道は
日本車の優秀さに驚く報道だ
百円交換の格安オイルでも走る
更に頼んだオイルや部品の交換を
していないくても壊れない
たとえ部品交換しても
新品ではなく中古品を取り ....
天道虫畑の朝露に
濡れながら
もうすこしできる話が
あったような気がした
痩せ細った夏草の礼儀正しさ
わたしはすっかり
風邪をひいてしまった
少しずつでも構わない
そう思ってい ....
ついにわたしの頭から木こりは離れなかった
そこでわたしは木にいった
「切ってしまうぞ」と
しかしそれはわたしのもっともお気に入りの四季であり
秋だった
....
重なる地層の貝殻は
私がこどもだったときと同じように
だんまってしましまの地層に
連なっている
この貝たちが生きていたとき
夏は夏だったのか
夏と名付ければ
きっと夏であったその季節 ....
草は
大地(ほし)からあふれるエネルギーの現れ
こんなにも草が育つ
私たちの国
水が豊富な
土が肥沃な
明るい
恵まれた土地なのだ
砂漠化が進む
この地球(ほし)の上で
特 ....
蜘蛛 小さな柔らかな足取り
はったハッタと白紙を這って、
殺そうかと一瞬想ったが
なぜか指先 取り留めた
その姿立ち振舞い 繊細に伸びやか大胆に
透明な瞬間 捉えた眼差し視覚 私に語り
....
ちいきをまもる
ぐりりとぐらら
りんせんたいせい
すいかのもよう
ちゅうかんかんりの
ぐりりとぐらら
りそうのゆめは
すぐそこなのに
ゆめのような
うつつのような
....
夏空青く太陽を欲望し
ギラギラ輝き熱す
燃える光の円球、
爆発し続け
眩む意識、
堕ちる
堕ち続け
深みへ深みに
燃える情動の流出し
開く、魂という無限に
異様な意識の階層 ....
十九時半は回っていただろう
仕事帰りでもなさそうな洒落たポロシャツの中年男が
客のまばらなカウンター席で飲んでいた
そこは、いつもなら私の指定席だったのに
仕方なく隣で
梅 ....
君が「孤独」と名づけた場所
そのさらに奥に
小さな部屋がある
くすんだ象牙色の壁紙
いくつかの黒ずんだ木の棚
そこには本 小函 硝子壜
円い置時計 何処かの土産といった風情の
人形や ....
新聞屋は忙しい
その日のうちに記事を書き上げて印刷する
日が明けてまだ暗い夜明け前、遅くとも2時までには配送される
各々集積所から各家庭に配らなければならないからだ
だからといって投稿欄の ....
夏の日には祭りがありまとまった休日がある
夏はいつも遠い記憶を作る
だから夏とは愛であり
私はその中を生きる
かき氷でも食べて涼しくしよう
海辺や川辺でのんびりしよう
夏を壊さないで
完 ....
星が降る夜もある
傘をさして歩いたら
星の熱でビニールが解けた
海にポタポタ落ちるたび
じゅうじゅう煙を上げている
雹もぼたぼた降ってきて
拾いあげて見てみたら
氷の球の真ん中に
....
日差しの刃に斬られ
だらしなく溶けてゆくかき氷の
まだ冷たいスプーンをなめながら
またひとつ星がおちたのに気づく
小豆とぎと河童と
座敷わらしとあと誰だっけ
訃報を連絡するために
黴 ....
熱風に吹かれ
太り始めた半月、
夜闇に浮かんでます
白く白く白銀 空
なんだろう?この感覚
助けて! と、
落ち着き払い
誰かに 誰でもないダレカに
叫んでいるのです、 ....
左手に溶けたアイスクリーム
右目に遠ざかる稜線
風の音しかしない口笛
右足で蹴ったゴミ箱
左耳で聞いた流行歌
海の匂いしかしない溜息
右手は枯れたサボテン
左足は錆びた自転車 ....
その
無名の深み
見つめ聴き入る、
歴史的平面的に辿らず
個体的立体的に観入り
巨大な細やかなもの 突然頭もたげる
歌詞カードは要らない ただ響かせて
脳髄から濃密に魂に ....
ホントに海なんだって
あるつってんだよね車座のばあちゃん連が
あの丘をこえたらザザザ
と、むかし たぶん一度きり
お波とお供からあっとさらわれると云い
舟のり達なら躊躇うわず ....
不動の時、
伸び広がる瞬間
掴み取り 委ね揺蕩い
濃密に青の空、
響き奏で
なぜ僕ら生きているのか
忘れてしまう
いつも
声、あなたの
起伏のない温かな
包み ....
ゲームセンターの活気は
見ているだけがいい
かつてハイスコアを争った
夭折たちの親しみが鎖されている
憧れた景品は
一度もとれたことがない
冷媒は触れると綺羅をすり潰す
....
きつねうどんのお揚げさん
お布団にしたら
甘くてええ夢見れそう
熱すぎないように
ぼどよく冷まして
お支度 お支度。
そんな
ええ夢を見た
久しぶりに
良く寝た ....
まるで息継ぎみたいなすきま、だね。隙間。わざとあ
けた空白に差し込まれてゆく紙きれを、わたしがひら
けるから埋まってしまうこと、見ないふりしている。
余分なもので密度がたかまり、満ち足りているよ ....
これも運命 天の自由
そうか
そうだ
あなたを思う時も
あなたを思わない時も
これも運命 天の自由
悪は悪か
善は善か
それでも
この命に従う
繰り返すのは
命だ ....
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