男ばかりが
かゆいわけではない
それを
フェミニーナ軟膏の
存在で知った
19歳の夏
息子が同じ歳になったのに
私はまだ
フェミニーナ軟膏に
囚われたまま
フェミニーナ軟膏 ....
少女の頬に
ほんの少しの血が
乾いて お祭りの
化粧のようで
当たり前のように
気にもかけなかった
からりと晴れた 暑い午後
地中海の香りを思い出して
悲しくなった
....
「 」は暗い
ただ暗い場所
一歩進む毎に
自分が壊れる音がするのに
立ち止まる事も許されず
黒い泥の上を這って より深い闇へ向かう
....
きみの言葉を教えて
ぼくの言葉も教えるよ
きみの暮らしを教えて
ぼくの暮らしも教えるよ
迷わされている ぼくら
誰かの悪意が作った道
惑わされている ぼくら
....
出る杭は打たれる
っていうじゃない
あれって
打たれちゃうから
出ちゃダメよって
ことじゃないんだよ
出すぎちゃったら
誰かがちゃあんと
打ってくれるから
それまでは安心して
....
軽い重さを背負いながら 独りで坂を上る
軽さは風のように 重さは物語のように
行方は光と闇に分かれ 両方とも人がいる
白い旗と黒い旗が 船に刺さり 古くなる
ミイラが云う 苦しみは生きてい ....
待合室には薄暗い死角があり
その奥から話し声が聞こえてきた
飲酒だとか喫煙だとかで
入院中に規則を守らなかった男が
強制的に退院させられて
形の上では患者の治療拒否とのことで
紹介状を持た ....
窓から通りに停めているトラックの荷台に
トマトを投げる
ここらは駐車停止なんだ
このように常に自分には病識がある
通りに車を止めているトラック運転手が「何をしてるんだ!」と怒ってきたら
....
オナニーをしても
すっきりせずもやもや気分続行で報われないのは
本当は
たった一人の人を探しているからじゃないだろうか
仮に
宇宙が無だとするのなら
地球は有であり
俗世だ
絶え間 ....
風が風で
風のままに風で
風以外のものすべてを
風に透している
焦げた港
暮れの青と水
人音の無い径
海に満ちる耳
空が空を剥がしてゆく
銀の彫像 ....
縦の渦の目
夜の窓をすぎる
虫の声の羽
笑む火の口もと
縦の渦の目
縦の渦の目
双つの花の目
早朝を泳ぐ
未満と未明の
機械的なまばたき
双つの花の目
....
人々は人生という「道」を
何かを手に入れるための
「通路」としてしか見ていない
人々にとって人生とは結局、
何かの為の通過点に過ぎず
手に入れられるものだけが全てだと
....
あなたは美しい響きで
さよならと言いました
もう会えないかもしれない
と
思った
思ったよりミンミンゼミが鳴かなかった夏の終わりに(1998)
....
たのしいことした
悲しいことばっか
面白いこと探した
カネのことばっか
二日酔い
良くない
酒やめて
肺気腫は
こんなことでも
やめやめ
たばこもやめて
探してる ....
窓を這う
ゴーヤの日除けに
蝉の声
首に巻いたタオルで
額の汗を拭く
夏の昼下がり
冷たい麦茶と
生ぬるい扇風機
微か ....
マシな言い訳が耳を掴む
さえない日々の影にかたちがない
都合よく堕ちるサヨナラの螺旋
検診前なので、節制中
恋愛前なので、節制中
節制クラブ、部員募集中
糸色 意図的 色々と
軽く 韻を踏んだつもりに なりながらも
ミシンは 踏めぬから
人には 踏まれぬようにと
歩き 続ける
これぞ 雑踏
雑多なコトを 考えながらも
大雑把に ....
眠いと何も考えられなくなった。だからこうした。どうした。
誌が。
難しい。
分析を。
誤解を。
女の裸。
絵を。
見て。
見ていない。
他人を。
....
まどろみの中、ぽつりぽつりと存在する人が去った。
去った後にぽつりぽつりがまどろみの中。
ぽつり、
ぽつり、
存在するなんて難しい言葉。
言葉は難しい存在。
言葉は ....
「ここから飛び降りてください」
と立て札にあったので
飛び降りたら
死んだ
見るものもずいぶん見てしまった
夜の枕の中で
そうは思っていても
赤い彼岸花がぐぐっと首を伸ばし ....
あの星のように
輝ける人は
振り返らずに
歩いて来た道を
信じているから
進めるのだろう
強くなりたいと
願う心に
当ての無い夜は
....
思い出の一瞬と音楽は
空気ごと吸って吐くものだ
それらを肺のフィルターにかけるから
その摩擦で胸は詰まる
連動する 目蓋の裏の幻灯機
スクラップブックに貼られた
走馬灯のフィルムの一部 ....
蛇の足も役に立つもの
告白とは一言であるから
あまりに自然なので
いつかあなたを守りすぎ
あなたは真っ直ぐになってしまい
傷ついてかけて、隙間に砂が詰まる
呼吸はとても大切 ....
生まれた、とパチリ。
立った、とパチリ。
ともだちができた、パチリ。
ケンカをした、パチリ。
たくさん泣いた、パチリ。
好きな子ができた、パチリ。
身長がのびた、パチリ。
ピアノがひ ....
瞳の奥底に隠れてこっちを覗いている
裸の抒情の手足を縛り上げ
哭きながら何度でも犯し続けよう
石切り場から運んできた
重い想いを凪いだ風に浮かし
寛容な字面をことごとく摩耗させて
のっぺら ....
さざ波は
わたしに命じる
海を見よ、と
耳元で命じる
ひかりに添われて
きらめく波は
銀の爪
藻も砂も
上手にうばう
銀の爪
さざ波は
わたしに命じる
海を研げ ....
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