うまれた、てのぬけがら
まれにうまれたてだから
とりせつはやさしく
僕にはもう名前が無い
暗く湿ったどこかで
ただ吐いた息を吸っている
#72659
僕は罪を犯し
記号になった
ジョン・レノンが死んだと聞かされた時
ぼくは漕艇部の部室にいて
着替えをしていた
目の前に灰色のコンクリートの壁があった
目の前に灰色の無機質なコンクリートの剥き出しの壁があった
ジ ....
「愛してる」と「大好き」を使わない恋文を要求されている
首振りっぱなしの扇風機が家族旅行の留守を守る
再放送で観たから君が思う歳ではない
藤沢美容院のことを
地元の人は
FBIと呼んでいるが
院で切るなよ
との批判の声も多い
お母さまの名は 木蓮 冬の終わりをつげるのが役目
枝葉よりも先に花を咲かすような人
母は春になると つぼみのうちから 木蓮を愛おしむ
坊やの心は卵のままの まだ ねんね
坊やが 見るのは ....
私は社会の片隅で、とうの昔に
絶望しているはずなのだが
僅かにまだそこにいたいという
気持ちは残っているのであろう。
呼んでもないのに春は来て、
新芽は生まれる。
泣きはらした艶のない目も ....
例えば愛されることが
順番制だとしたら
わたしの番は
一億二七〇〇万番目
いつか必ず
いつか必ず
そう信じながら
年老いて
死んでゆくのでしょう
けれどもわたし
本当は
一番が好 ....
老眼の眼をほそめ、針に糸を通して、彼女が
器用な手つきで繕いものをしている。
ほつれた糸は無いもののように。
ただ、ひたすらに繕ってゆく。
それは家族や社会、そのいちぶとしての一本
の糸であ ....
たぶん悲しい
元気がないのは
たぶん悲しい
元気がないのが晴れるのは
嬉しい
渦中にいたら
いつになるのか分からないけれど
そうやってひとは
少しず ....
ある少年がいた
何処かに
旅に出たくても
そう簡単には
身動きのならない
身の上で
金もないし
健やかでもないし
勇気もないし
運もない
ない ....
荒城の月
孔雀の足音
真紅の着物
震える大気
滲む汗
白い目
砂埃が舞う
水分が蒸発する
黒い塊が蠢く
耳元で囁かれる希望のような嘘
蝸牛の時間帯
摩天楼の木漏れ日
....
たったの一国にて認められて
暴虐の限りを尽しています
「パレスチナ」は地名と
そこに暮らす人々を表す
ガザ地区に押し込められた
人々はいったい人では無いのか
....
誰でも
それぐらいもっている
そんなのは
犬小屋の奥にでも
押し込んでおけ
近所のポチの
許可を得て
真夜中
あたりが深海に
変わる頃
手が何本も
ぶらさがっているような
巨大 ....
そうです、メッセージは読まれないでしょう。
あなたの詩を理解するということは
別々の方向に過ぎ去って行く
計測できない距離を
測り続ける
寂しみ
世界のほとんどの事が理解できない、
....
今日の日に、まだ誰にも踏みしめられていない土が香る。
私は一人、森の小道を往く。
だんだんと緑の匂いも強くなる。
ふと私には聴こえる。あいつはもう辞めさせた方が良い、と。
ああ、忌々し ....
私はいつだって
自分が神で
この世界を創っているような気でいる
全てのものは
私の想像力から産まれた
あの美しい山脈も
宝石みたいな熱帯魚も
私は神で
あなたは人間
霧雨に吹 ....
湖心の月を両手に掬い
暗きに変わる残光を口に含む
煌煌と揺れる円を見つめ
重きを増して深きに沈む
焦がれ続けた太陽は
私には少し眩し過ぎた
もう、なんにもいらないや
もう、なんにもいらないや
楽しいも、嬉しいも、悲しいも
どうせ全部消えてしまう
寂しいな、寂しいな、寂しいな
電池の切れかけた目覚まし時計の秒針が
8と9の間で震えている
目覚まし時計はもう鳴ることも時刻を示すこともできないが
私にはどうすることもできない
目覚まし時計の側には
薬と孫の手はある ....
ルーシ
君の夢見た世界を
今僕は
半笑いで眺めているよ
ルーシ
僕は一度死んだ
俗世の食べ汚しが
脊椎に溜まったんだ
ルーシ
こうなってはいけない
ルーシ
君の歯並びはガタガタだ ....
邪悪とは
ブランドもののスーツを着こなしながら
遠くの貧乏人を殺すこと
エアコンの効いた部屋で
あるいは1000万円の車を転がしながら
遠くの貧乏人を殺すこと
自分の利益のために
他 ....
算段立てて
最後は徹夜のレポート
三枚刷って左をとじた朝
まぶたが
間にあった
満員電車に
街へ運ばれるあたしの
まぶたが
まぶたが
お昼に食べた菓子パンが
お腹で小さくな ....
ふつうの愛はいい加減で
おかあさんは適当に生きている
なんにもうまくいってないのに
こんな感じでやってきて
うまくいってるんだと思い込んでいる
父にはなぐられたことがある ....
茫々と生えた
摘むのは指だ
はさみで切る
のは好まない
炎天下にての
作業は辛いよ
摘む者と
積まれる者の
間では
茎が柔らか ....
君はちょっと人より黒目が、大きいね
君はちょっと人より睫毛が、長いよね
今夜も、薄ら目を開いて眠り
夢見る二才の君は
人より染色体が一本多くて
まだ喋らないし、歩かない
ちょっと風 ....
ベッドに寝転び
CDプレイヤーに
夜寝る時の為のCDを
カチッと嵌めて
再生ボタンを長押し
ピーという微かな音がしたら
部屋の灯りを落とす
枕の下に
CDプレイヤーを入 ....
ふだんは優しい女房が
時折、般若の顔になり
言葉の弾丸は
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
柳のような面影で
げっそりとした
僕の髪を靡かせ
遠い彼方へ通過 ....
1900 1901 1902 1903 1904 1905 1906 1907 1908 1909 1910 1911 1912 1913 1914 1915 1916 1917 1918 1919 1920 1921 1922 1923 1924 1925 1926 1927 1928 1929 1930 1931 1932 1933 1934 1935 1936 1937 1938 1939 1940
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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