空が白み 光(い)入りて
病むるわたしの パサパサなること
乾きし土に 滲むがごとく
砕けし岩に 填(う)まるがごとく
友の梨酒の満たさんことを
遠きより訪ねし 蒼く清洌なる友
彼の携 ....
月影が波に映えるのを
見たことがなかった
ラピスラズリの青い夜を
ぼくは知らない
ここじゃそんなの見れないって
ほの甘い幻だって言うけれど
いつか空へと手を差し伸ばし
果てなき闇 ....
たまごの殻が壊れたのはおまえのせいだから
よわむしを捻り潰してしまえ
思い通りに手足が動かない/セアカゴケノクモ
!来るな/寄るな/喋るな/やかましいわ!
※引用・・啼かぬなら殺してしまえ ....
一粒の涙膿む川は遠く使者を迎え入れる墓穴が崩れた粉塵の頂
そのとき雨は赤土を滑らせ剥き出しの瘡蓋が捲れる
二粒の痛みが火柱を磔に叫ぶ愚か者よこの大地から去れと
舞う風を頼りに ....
雨の降る日に一人坂道を上る
先の見えない坂道をひたすら一人で今も上っている
君に会うために
痛みを乗り越えてきたことを思い出す
乗り越えた喜びに浸っても また痛みがやってきて
そ ....
好きにえらんだ器を塗って
まちは
いつも白絵具不足
わたしはわたしを傷つけるかわりに着飾っています
なにをそんなに
もともと予定のある命ではないし
分裂し続けるパズルのピース
はめて ....
君たちはペット飼ってる?
俺は飼っているよ
君たちのはどうせ
犬とか猫とか
せいぜい鳥ぐらいでしょ
俺のは凄いぜ
俺の直腸の鍾乳洞には
コウモリなんていやしない
カンジタの ....
パンがほしくてあなたの店を訪れた
焼けたばかりの優しい匂いにほぐされて
乾きかけの羽をゆっくり風に乗せて
パンが欲しければどこにでもとあなたは
いやそうでもないからだとわたしは
....
アツアツの物が食べたい
だからアツアツにして持ってきて
分かった
持ってきたわよ
そういえばさ 昔こんなことがあってさ
〜〜
冷めちゃうよ
だから俺は言っ ....
周りの山を写す湖面の鏡
虹色の橋が架かり
友の誘う声が聞こえても
ぼくは そこには行けない
木々に守られていた明るい過去
育った家 育った台所 育った学校
父もいた 母もいた 友人も ....
ねえ
年をとっても
声は変わらないのと同じように
その瞳も
地図が読めない
あなたの代わりに
窓を開けると
風に乗せた
紙ヒコーキの行方
追い駆けた日々が
ただ懐かしい
やがて訪れる
旅立ちの時を
....
大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
....
僕たちはみんな、神様から砂時計を持たされているんです。
入っている砂の量は一人一人違いますけど。
その割り当てられた時間は、他の誰のものでもない、僕たち一人一人のものだから、好きなように使っていい ....
頭からもれてくる感覚はありますね。
なんか、ボトボト落ちてくる。
これなんだろう。どこに持っていくんだろうって思うけど、両手ですくい上げるだけが目一杯。
どうしようこぼれ落ちてしまうんですけ ....
一軒家のブロック塀と道路の間に
はみ出したサボテンたちが
楽しそうにからりと佇む
プラスチックのプランターも割れて
土もほとんどなくなり
とっくの昔に忘れ去られているのに ....
すいかとししとうは
林檎の木の椅子に
ニスを塗っているが
すいかの塗り方では
ずっと乾かない気がする
ほんとうは乾くけれど
ずっと乾かない気のする椅子は
目に入るタイプのごみや
落ち葉 ....
無力だと
あの時私は痛いほどわかった
胸が苦しくて息ができないくらいに
彼女の後姿を微笑みながら眺めているあなたを見た
あの時私は痛いほどわかった
無力なのは私なのか
あなたな ....
反射鏡の こちら側から見た世界は
鋭角に 歪んで
鏡台に 腰掛けた私は
危うく 転がり落ちた
睫毛に描いた 何時かの思い出も
米粒に写経した 文字の如く
判別出来なくて
....
40代女性の
鼻の下を
注意深く観察すると
若干だが
青いのが分かる
所謂青ひげだ
(青ひげと言っても
やたらケンカが強い
療養所の医者じゃない)
長年剃り続けた賜物か
はたまた
....
怖い話だが滑舌が悪い
やらない選択肢もあった
君の住む街の地図を買って会いに行かない
たとえ
風化した夢の流砂に足を捕られ
概念の骸に
躓いても
滴る汗や粘る唾液
ではなく
目尻に薄く滲む涙に
遠く虹を映し
地の底に匿された
泉を探し
彷徨う一頭の駱駝が
貴方であ ....
三年前の揺れに閉じ込められた我々は
今こちら側の歪んだ空間からあちら側を眺めている。
閉じ込められたものは善意
解き放たれたものは相手の知れない戦意と
得体の知れない悪意
鏡や水たま ....
行き先のない電車に乗って
あてのない旅に出る
ふらりと飛び降りて
名も無い街をうろついてみる
すると出会う
懐かしい感じの人に
初めて会うのに
いつか出会った気がしてならない
気の迷い ....
もうすでに決断したことを
髪をすいては決断するように
女はその長い髪をなんどもなんどもすいていた
宇宙の青白い光を見つめながら
宇宙の青白い光に見つめられながら
長まわし ....
もう一度
巡り会えると思っていた
例えば
白い窓枠の廃校舎
花壇
の隅に埋めた
解剖のフナ
誰かが拾ってきた小鳥
教室で飼っていた金魚
アコーディオンを弾いていた先生
転校していっ ....
背中から滲み出ていった
粘性をなくしさらさらたあいなく
細胞膜を圧し拡げ
やがて満ちてくる
潮の匂いを
含む泥水
糸は震えず
笛は鳴かない
風が吹くたび
飛ぶ 砂の荒らさ
腰か ....
真夜中に珈琲がきれる
煙草なら予測できるのに
インスタントの残りをよく忘れてしまう
一袋くらいパックがあるだろうと彼方此方を探しまわる
引き出しや鞄の中を探す
語れないひとときが ....
1851 1852 1853 1854 1855 1856 1857 1858 1859 1860 1861 1862 1863 1864 1865 1866 1867 1868 1869 1870 1871 1872 1873 1874 1875 1876 1877 1878 1879 1880 1881 1882 1883 1884 1885 1886 1887 1888 1889 1890 1891
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.19sec.