干瓢巻きは
難しい
お客様にお出しするまで
手間も時間も
職人の真心も
たっぷりとかかる
干瓢は戻す前に
海苔よりいくらか短い板に
巻きつける
余りを切り落とす
そうすると煮た ....
ふしぜんなくらい明るい
かのじょの笑い声の高さが
かのじょの悲しみの
深さです
だから
夜になると
かのじょは
ベッドのなかで真顔になります
ふたつの瞳は
だれもしらない
....
私が求めているものは
ずっと変わらないのに
喉を上手く通らない
効き目のわからない薬みたい。
ねえ
これで、何度目かな?
頭が痛くてたまらないなら
そのへこみのところから ....
はなしても はなしても
もどしても
つきかえしても
それは、三回
魔の三角
いずれはおなじ
いずれもおなじ
そのうち戻ってくるだろう
お金持ちの子供で
休日のたびに
他所にクルマで
親に遊びにつれていかれた
月曜日
学校に行くと
どこにも遊びに
つれてもらえなかった
友だちがいる
親が仕事で ....
ほんとはゆかりんやほっちゃんの話をしたかった
ほんとはラブプラスのはなしをしたかった
ほんとは自分のはなしをもっとしたかった
ほんとはもっと彼氏のはなしをしたかった
ほんとはもっとアニメのはな ....
垣根越しに
老女の艶やかな手
切ないほど甘い
いびつな頭をもぎとって
埋められた犬のため
息を光に押し出した
枯れた莢を揺らすように
踏むと何処かで誰かが死ぬ
枯葉の音に冷たく ....
ローマ字で二文字の
幸せをもとめて街へ
電線に引っかかり
風にかき回されて
パリパリに砕けて
サラダにかけて食べられる
底にたまった薄まった汁
一つ残らず管に集めて
遠くへ投げたら
....
今日のことは指に任せて
一日のことを愛していく
翌日のため生き残る誰かの声に歌うのだから
さあはじまるよ、と誰かの声で
懐かしさからつくられた美しさに埋もれていないで
日向の集 ....
しずか
と表現された沈黙は
「し」「ず」「か」
と音になって響く
だから
無音であることは
音を飛び越えることは
速さの中にしかない
普段ぬめりついた空気を意識することもな ....
meと鳴く君のことを
追いかけてはいけなくて
つごうの良い、どこか、を僕は選択する
その先はきっと猫の世界
ただその先をじっとみている君の
その視線の先を僕もみている
世界に ....
空白は僕にも描けど
空白は誰にも訪れぬ
笑って過ごせば一日も
笑って過ごせぬ一日も
陽射しは
木立越しに
柔らかく
瞼に寝転がる
微睡む地上へ
生きて ....
誰を
待つ
待つ と言って
だれを まつ
何処まで
行く
行く と言って
どこまで いく
だれと どこまで
ただ手を広げ少し後ずさるだけでいいのだ
そうすれば離れられる
君を手離すことができる
わかっているのに
僕の両腕は温かい君の背中から動かない
僕の両足は地面に釘づけされたように動け ....
吸ってしまったドの音は
かみなり雲の腹下りだったら怖い
今日はどんな音楽聴かせてくれるのか
頭上の空の黒鍵盤と白鍵盤
しかし飴と紙芝居で喜んだ昔と違って
百年先までシミュレーションし ....
いつかの冬に置いてきぼり約束した未来
2014年の日付でジョン・レノンのサイン
夜明けがはじまる靴紐を結ぶ
支離滅裂なので思いつきを
マインド・マップに
だけれどもそうした行為が
生かされているかといえば・・・
もっと単純で良いのかもしれない
一つの思いに突っ込む
勇気が必要な事案もあって
腰 ....
このなみだは 罪の量だけ
この苦しみは 欲の深さ分
終らないのは 此処が地獄 だから
・さよなら
さよならという始まりがある。あったって誰かに聞いたことないかもしれないけど。樟脳の香りが指先に伝わるまで、ゆっくり肘から駅のホームの端っこまで手を振っていよう。
....
*
昼、目が覚めた時のシャンプーが、甘ったるい香りを躰に貼り付ける。毒蜘蛛が私の身体を食い破るなら、私はそれを水に流そう。パンと水を、私は食べよう。
*
数を数える度に、右から ....
電車は独り言のようにガタゴト音を立てながら
ホームでその長い体躯をはっきりと示す
電車は駅における食物連鎖の頂点であり
闇も冷気も人々も
みんな電車に食べられてしまう
電車は一斉 ....
弱い光のひとつひとつが
羽になり また花になり
触れることなく消えてゆくとき
熱を終えた鉄のような
緑の音を降らすとき
歪んだ金に ふちどられた声
ほどけひろが ....
ピアノがないと ピアノは弾けない
フルートがないと フルートは吹けない
チェロがないと チェロは弾けない
トランペットがないと トランペットは吹けない
私に何が出来るのか
私は何も出来ない
....
文字には 心が現れると 言うからね
本当は 洗わなければ ならぬ様な
心模様にだけは なりたくなくて
紡ぐ 言の葉 あと幾つ 重ねたら
あなたに 届くのかしら って
小さ ....
眠れない
一日中薄暗い
六畳の部屋で
無理矢理に
寝る
常に起きて
目覚めていたい
なんて
若い頃には
願ったものだ
今では安らぎを求めて
眠るのですが
たいていは
....
〇に産み落とされたきのうが
まだ未熟児のうちに、あ、
(ママがいないママはどこ
届かない「あ」、
あの頃、にはコインロッカーで暮らす
「1」の話が電車の網棚や
あるいは座席、足元
あ ....
焦げ付いたワインレッドの残り火が
目に焼き付いた
角を曲がる時ほんの一瞬見上げた空
次の角まで行った時には
もう消えているのだろう
建物の傍に続く歩道を
急ぐともなく歩いた
けれ ....
みそかそばのテンプラをひっくり返しながら
正月を刑務所でくらす金物屋金蔵を箸で摘まんでいる
名字は金物屋 名前は親の手抜きの金蔵
店の名前 これも手抜きの金ちゃんうどん
夫婦で軽トラのうど ....
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