寂れた街の
忘れられた貯水池のような土曜日の午前に
伸び過ぎた爪を噛み千切っている
零度に焼け焦げる窓辺
表通りでは
ひたすらにエンジンが稼動している
トムウェイツがサーカ ....
―あけましておめでとう
一点の曇りもない幸せを追いかけていた僕は
間違ってたのかもしれないね
毎年届く便りに浮かぶ君の幸福を
僕は認めなければならない
今年もまた寒い中 独りの年を越 ....
苦しみばかりだと、楽しみが際立つが
楽しみばかりなら、苦しみが目立つし
悪意ばかりだと、善意が際立つが
善意ばかりなら、悪意が目立つし
凡才ばかりだと、天才が際立つが
天才ばかりなら ....
ランドセルを背中にかかえた小学生
道路の端で泣いている
「どうしたの?」
(大好きなアニメの消しゴム
側溝に落とした)
消しゴム1つに我を忘れて泣きじゃくる
今一 ....
理想の家がある
子供の頃から思い描いていた
家探しは大変だけど楽しい
色んな家を見て回り
色んな工夫がされてあり驚く
なかなか良い家に出逢えない
築年数や庭の広さなど
良い家があ ....
単身赴任先から月1で
自宅に戻る
妻が優しい
それは喜ばしい
面倒と思われるより
ずっといい
ただ、妖しげな空気が気になる
プレッシャーが凄い
曖昧にしようとしても
視線が逃がさない ....
明るい部屋に棲む薄暗い老女
出来損ないの散文に似た服をきて
皺のよったビニールじみた手には
何が為拾ったか判らぬ小石を力なく握る
愛してきた者たちの瞳にもう愛はなく ....
いつも傍には
君がいることが
当たり前だったのだ
いつの間にか
僕が殺すことが
必然であったのだ
だから後悔することなんて
何も無い
はずなんだ
黒い夜に
ベッ ....
三年半前からやり直したいと
タイムマシンに乗っかって
太陽の向こう側
黒い宇宙に放り出される
そんな悲しい夢で目が覚めて
なぜだか優しい気分になる
そんな不思議な朝もある
人がひとり ....
世界が
果てしないほど分厚い 一冊の書物に感じ
決して読み尽くすことのできないと
絶望する
重苦しさと 心地よさを
同時に感じて
「美しいものが正義だ」と言って
読むべき箇所と ....
当たり前の日々が
とても壊れやすいものだと知ったなら
二百年後も生きているつもりで
庭の草を抜こう
二百年後も生きているつもりで
上手に身繕いをして
二百年後も生きているつもりで
大 ....
ただそれだけのはずだったのに
暗い穴蔵へ落ちたのだった
夜を千倍にして流しこんだような
なにも見えない本当の闇
一瞬の過去を ....
拙くてもぼくは「君との失踪」を書いて、それが
じぶんを覗いた初めての瞬間
いつとはなしに、その詩が消えてからは
じぶんの覗き方も変わってしまった
(水のように流れて、もはや字面には戻れなか ....
今年は大東亜戦争敗戦後
(何で大東亜が変換できないんだ!
この偽善者スマホ野郎!)
すみません、取り乱しました
70年ということだ
従って昨年は69年だったわけだ
69という数 ....
こんなにも胸が躍るのには理由がある
こんなにも胸が詰まるのには理由がある
君がこんなにも近くにいるからだ
だけど恋をするのには理由がない
恋が始まるのには理由がない
ただ僕の瞳 ....
三点倒立精神統一
一回転せよ空色マット
二言目には臍を見ろなんて
四角四面な捕らえ型です
六画で争う互角な闘い
五年一組赤組大将
八方美人な副将従え
七転八倒だるまの如し
九死に一生得 ....
盗まれた自転車が恋を連れて帰ってきた
青空を手にした踵にハイヒール
誰かに優しくしてもらう。
優しさのお返しをしようと思う。
けれど、
その時にはもう
その誰かはいない。
どんなにお返しをしたくても
もうお返しはできない。
日々は流れて
歳 ....
結局殺してしまうなら
愛していない事など明白で
高尚な正論を振りかざす
瞳には何も映らない
そんなものに未来を託して笑う
おまえたちの強かな愚鈍さ
憐れみさえ通り越し
嘲笑だけが満ち ....
「時」はきしみを刻み
「空」はゆるみを映すなか
古来の卒寿にめぐまれて
おらはおひとりさまとなった
自問自答のたわごと それは傷いた
....
その昔ニューヨークに
サムの息子という
シリアルキラーがいたが
よくよく考えると
安室の息子とも言えたなあと
今は思う
何故突然サムの息子なのか?
それは誰にも分からない
ただひと ....
それは鉛の重力で
垂直に私を引っ張るので
テグスに結び付けられた浮きのように
私は
水面に立っている
もうふわふわも
ぐらぐらもしない
磁針のように空を指し
己を標として生きるのだ ....
田舎からダンボールで送られてきた
白菜、大根、里芋に 手紙
走り書きで 手入れが行き届かなかった、という
詫び状が 一通
私が手伝っていた畑 耕していた土地を離れて
間もない冬 ....
詩のようで詩ではない言葉をジューサーにかける
コップにいれた言葉のジュースを圧力鍋へ
ドライアイスと一緒にいれる
気化したドライアイスはジュースに溶け込みシュワシュワする
シュワシュワ ....
長い歩道が
河馬のようにみえる午後
男はあおいホースで車を洗っている
ふたりの老親と数十万程度の借金と
慣れ親しんだ不眠とが彼の歪な肩に載っているが
飛沫のな ....
世の中には 斜めに差した方が
安定する 軸も有れど
軸が ズレてしまうと
行動したいという 心ごと
すぽっと 抜けてしまうかも 知れません。
大地に 確りと 軸を 差していたいです ....
【大草原の星の王子様】
いつしか はだかになれない自負が
少年を呼び寄せたのだろうか
ひつじの絵を書いてと言われて
ツノを書いてしまった
ダメじゃんぼくの星で おじさんの思い ....
一つ去って
二つ去って
三つ去って
それでもまだ何か残るというなら
彼が持っていてほしい
わたしはひとりで空になって
白い大地を這う無限の生き様をながめていた
泣いている
どこ ....
雛が手の中でちいちいと鳴いている
あたたかく手を打ち
ほのかな振動を伝える
握りつぶせば止まる小さな脈動
頭上でちよちよと響く鳴き声
やめろといやだと
本能から鳴いている
露悪的なわ ....
1769 1770 1771 1772 1773 1774 1775 1776 1777 1778 1779 1780 1781 1782 1783 1784 1785 1786 1787 1788 1789 1790 1791 1792 1793 1794 1795 1796 1797 1798 1799 1800 1801 1802 1803 1804 1805 1806 1807 1808 1809
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