まだ自転車に乗れなかったころ
ともだちの自転車を借り
田舎の緩い坂道をおそるおそる降りながら
何度も練習していた
不思議なことにあるときすっと自転車が自分のものになる
そんな瞬間を体験し ....
ふうわりと心が軽くなって
空気がすーっと晴れた
私に見えていた世界に
あなたの見ていた世界を重ねたら
驚くようなことが起こった
正解なんてない
間違ってたっていい
だったら
苦しく ....
チャッカマンが屹立している、夜さ
めしべが煙る浜茄子の丘
とおいとこから土砂崩れしてくる老人の糞便
溶解後8のマグニチュードの筆記体
「よれてゆくのだと思う、あかり、わたしの名前も」
良夫の ....
今朝8時8分にトーストを咥え「遅刻、遅刻!」(ふぃふぉふ、ふぃふぉふ)と口にしながらコートを大袈裟に翻して出掛けたのですよ、ばさっと大きな翼のように。いつもと違って。玄関でいってらっしゃいと見送ってか ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
私のてのひらの雨雲を
誰かに届けるために
来たのかもしれない
役割は
私が与り知らぬところに
あるのかもしれない
笑うかもしれない
怒るかもしれない
まっすぐな犬のように ....
カサカサカサ
夜風に集られる紙くず
雑踏を縫って宛なく転々と
たぎる街はハイヒールを遣わして
君を救ったのだ
もう辱めは受けまいて
人間 人間 セックスアピール
寒くないのかその格好 ....
人間の蛮行を悲しむのは
人間だけなのであろうか
諸々の神を世に送り出し
それを受け入れた者達は
神に事の真意を問い続け
贖罪の何たるかを尋ねて
今日もまた祈り続けては
神の悲 ....
盗まれた
この小さな庭に差し込む光の
わずかなパンの欠片を啄む小鳥の
瞳に反射するわたしの
明滅を繰り返す魂の
内側へと続く戸口が
目の前で閉まってしまう夢と
裏返った
あの ....
6026
最後の人間が死んで
機械たちはこの地球を去った
残された都市を歩いているのは
ゾンビの群だけだ
あんなに瓦礫を積んで
何を探しているのだろう?
9158
望遠鏡を覗く ....
真っ赤な花が白い雪でくすんでいる
赤が赤になる前に白がそれを遮り
白が白になる前に赤がそれを遮った
花と雪とが小さな組合を作り
花が風景を焼き過ぎるのを雪が消火し
雪が風景と睦み ....
もうきっと会うこともない
あの日の恋人が笑っている
私の方に手を差し伸べて
愛の言葉を囁く
不随意に緩む私の頬
いつか目覚めるとわかっているから
恐怖も戸惑いもありはしない
今夜も夢で恋 ....
自由に書いていいよ
本当に?
こんなのじゃダメだよね
練習しなきゃ
何を書いていいのかな
こうしなきゃ
ああしなきゃ
自分でしめる
首
取れちゃった
ギロチンだ
溢れ ....
とかく、何も見えないほど濃ゆい霧が立ち込める花畑にて
あたしは、そこに老紳士が絶えず立っているのを知っていた
その老紳士は
タキシードにハットを目深にかぶり、白手袋をして真黒の漆光沢のある杖 ....
ひとがつくるものには
一方通行がある
どうしても越えられないものが
必ずできあがる
やまも
うみも
そらさえも
むこうがわへゆく道があるのに
とざされる
とざしてる
ひとは ....
短い時間 さささのさ
書きたくなるの
子共のことも
オッサンねこも
季節のお知らせや
ぐちぐちだって
悪玉菌の回答だって
ネタいっぱいで書きほうばって ひとりでに
そよぐアタ ....
あ〜あ、見ちゃいましたか
残念です
ここに書かれた文章を読んだあなた
24時間以内に
何らかの行動を起こさないと
この1年ずっと気が晴れません
晴れないどころか
落ち込んで落ち込んで
....
守り子の唄は 灰色の雨に滲む
擦り切れた赤い帯の 風車が回った
竹田じゃ雪に変わって トタン屋根が
静かになる しんしんと寒さだけになる
姉さまは 池に身を投げた
三条のぼんぼん ....
いくら死人に口なしと言ったって
死んで間もない死人はそっとしておけ
代弁なんて口寄せじゃあるまいし
死んで間もない死人をパペットにするな
祭り上げるな自分たちのために
理想の英雄に仕上げるな ....
金メダルはいらない。
銀メダルはいらない。
銅メダルはいらない。
いや、金メダルを作りたい。
いや、銀メダルを作りたい。
いや、銅メダルを作りたい。
いやいや、金メダル ....
手の中に
一枚のレコードがあって
そこには懐かしい音がある
久しぶりに
そっと耳を当ててみる
流れてきたのは
後悔のメロディーだ
汚れたところを
柔らかいスポンジで優しく
洗っても洗っても
濁った色をして
落ちないから
固いたわしでごしごしと
擦っても擦っても
こびりついたまま
お ....
吹く風に逆らわない。
それは吹かれるまま
流されてしまうのではなく、
その風を味方につけて。
風はきっと良い所に運んでくれる。
きっと素敵なことが待っている。
今ま ....
雪忘れ村では
2月3日
一年の家内安全を祈願して
家内に接吻する習わしがある
家内は
一年のこの日だけ
夫から熱い口づけをされて
普段より燃え上がる
燃え上がった家内は
西を向き ....
息は白く
冷たい空気の中に融けていく
軒先の雪だるまは
物憂げに宙を見つめ
作ってくれた子どもの笑顔を
胸の内にあたためている
雪に包まれた小さな町
窓の明かりがボウっと ....
人間関係に悩む鬼がタロットカードをめくる
鬼の金棒をそっと質屋へ
鬼が厄祓いをお願いしに来ている
鏡に向かって
眠気と髭を剃り落していた朝
くたびれた自分の顔に重なるように
ふっと浮かんだ父の輪郭
丸くて憎めない
目の記憶
電車の中吊りは
気の早い春の旅への誘い
オーデコロ ....
愛おしさが蜜の甘さだとしたら
狂おしさは煉獄の熱さなのか
君は
俺を祝福する清らかな天使なのか
それとも
俺を滅する裁きの女神なのか
君はいとも簡単に俺を
天国の高みへと押し上げ ....
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