隣の芝生が青くみえる丑三つ時
いっそ眠れないならと珈琲を飲み
ため息、またひとつ
カモの群がる池の畔
桜花映える日差しに包まれ
川鵜と小白鷺が向き合っている
川鵜
すっかり春だねえ
これから北へ帰るのか
小白鷺
いや まだ田に水が入っていないので
....
どうして私ではだめなんだろうと思うとき
私は私を愛していることに気づいた
なあんだ
私ちゃんと私がだいじなんだ
よりかかりそうなかげは
夜のなかにしずかにとけていった
陽はすでに昇っていても
暁はこなかった
鶏は鳴かないし
朝の静けさもなく
人びとの足音がするのみ
ぼくは酒が抜けず
来るはずのない暁を待っていた
暗い陽の下で
影踏みをして遊んでい ....
鳥になりとうございます どこに国境がありましょう 魚になりとうございます おなじ水面をしっています 山になりとうございます 花になりとうございます ひととしての命ですので
朝に
(おそらく)吃音で始まった体がカタコトのまま、?、月を見上げながら
(もしかしたら、月を見上げている自らを想像しながら)
結局は落下してしまう眼球
ほらね、月もまた充 ....
真っ白のそら
最近は珍しく晴れつづき
今日はあいにくの空だった
広葉樹が葉をおとし
また新しい芽を生やすように
僕らは同じ日を歩いていた
スニーカーやハイヒールや革靴で
公園 ....
友だちのなかの笑顔のわたしは
ほんとのわたしじゃありません
感嘆符ばかりの 上の空の会話
いつも気になるのは スマホのライン
ほんとの自分を置き忘れている
傷ついてなんかいません
....
可聴範囲以外が大事だというが
画面に入り切らないくらい
大勢で歌うアイドルと同じではないのか
毎日比べられて生きている
ボクたちが欲しいのは
比べて判るようなものではなく
比べようもな ....
怖いもの見たさで
見ているうちに
意外と慣れてしまうのですが
現実では
臭いを伴いますから
衝撃は
画像の比ではないです
中学生の頃
女性器はグロいものでしたが
ビニ本を見続けた結果 ....
僕は工場で量産された個性のない品物
僕自身のアイデンティティが欲しくて今日も走る
持ち主が僕をどう扱うか
どんな所を走っていくかによって
僕の個性は少しずつ作り上げられていくから
....
裏切られたと思う人
裏切ったと思われている人
裏切られる
自己嫌悪と 答えの出ない ナゼの疑問
裏切る人に 自覚症状がない
かみ合わない 感情のもつれ
通り過ぎてい ....
(傷口が、膿み始めた。)
誰にも見えない六畳間で。
山盛りの塗り薬をこぼしながら
ぺたぺたと肌に塗っている。
(傷口が、泣き出した。)
細く赤い線を描きながら。
「 ....
太陽が昇っていく
忘れ去られた世界の半分が
影の中に入る夜
ぼくらは
バケツの中の
モップの血を拭う
世界の半分は
争いでできているから
新聞は100万丁の拳銃と
200万体 ....
一人だけホテルに泊まらず
テント暮らしのあなたは
私と同じね
私も中学生の頃
今よりずっと幼く見られたから
子供料金で電車に乗っていたのよ
そのお金で本を買ったり
駅のホーム ....
技術水準だけで言えば
既に私たちは働かなくても食べていける
次の水準になれば
労働という概念そのものが消える
私たちは生きるために必要な要素を
減らし続けてきた
寒くても死なな ....
二月四日に内股の鬼
ひとり足りない合コンに鬼がきた
1円足りなくて鬼が困っている
ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。
ダイニングテーブルに、私ひとり。
ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。
時刻は、夜20;00過ぎ。
硬くなった肉を ....
何かあれば心で語りかけ
父の姿を探すようになった。
残された教えを守り
地道に生きよう。と
父に感謝をするようになった。
(死にたい。死のう。)と思い始めたとき
父 ....
餃子がね
とっても美味しいんだよ
昔ながらの佇まい
町の人達が
あちらからこちらから
電話も鳴って
店先で
生か焼きかを選んで買っていく
ラーメンとかもあるけれど
餃子二人前とラ ....
乾いた笑い
矛盾した怒り
爪先立ちのプライド
耳後が痛む
言語、知恵、経験
複雑に首元に絡み合い
巨大化する
絞めつけられる頚椎
もうすべてぶち壊して ....
黒ブチの
仔猫の彼女がいなくなって一週間
去勢手術を受けるために入院をし
退院した翌日に
ベランダの3階から飛び降りて以来
姿を消した仔猫
キッチンのコンロのある
隅っこ ....
HONDAのオデッセイの後部座席で
ブタは酷く退屈していた
短い足を組み
ボテ腹の上で
指を組む
彼は失望していたのだ
ガイドブックに載っていた○○○はすでに廃墟と化し
○○ ....
流れる水の音を聞いたり
冬の朝の空を見たりするのは
どうしてでしょう
私たちが常々変わることを
私たちは知っているから
かもしれないね
世界でたった1人のために
たった1 ....
よだれをとめられないひとだっている
たたきあう肩がないひとだっている
めぐっていかない星だってある
からだじゅうに小さい脳みそが埋め込まれてるみたいで
走りたい走り ....
――どうすれば、私は私になれるのか?
日々の舞台を演じる自らの
配役について、想い巡らせていた。
老舗の名曲喫茶にて
ショパンの夜想曲を聴きながら。
ぷつぷつ…と、ノイズ混じりのレコ ....
僕は崖の上に、立つ。
崖の上に立てば、あの風が吹く。
眼下の海の{ルビ潮=うしお}を見れば
意気地無しの足は、すくむ。
すくむからこそ二本の足で、僕は立つ。
わなわなと生に震えながら。
へ ....
財布の中の、野口英世と目が合った。
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