社畜会社員
お互い人見知り
初日不安
店でそっと指を掴まれる
昆虫のケージで連れ帰る
ずっと後ろ姿で拒絶
毛に触れたらジャンプして吹っ飛んだ
ヒマワリの種即食い
ご飯で間合いを ....
好い天気だ。
聖地の{ルビ陽光=ひかり}が混じりつ気なく鳴り響く
こんな好い天気だ。
振つ切れたやうな気圏のまつただなかを
透けた{ルビ南風=みなみ}がかるがると翔び
雀の子等はあどけなく驚 ....
天国と地球の狭間に在り
光の響きに注ぎ込まれていく
ヒビキの速度と一体化しながら
巨大な何かの残響足跡残像
反復され前進し反復され
天国と地球の狭間に冷ややか覚醒して生き
ひたすら ....
このペンが
最後に記す言葉はなんだろう
感謝の言葉だろうか
それとも呪いの言葉だろうか
生まれた街の名前とか
(せんだい、とか?)
好物の名前とか
(カレーライス、とか?)
誰かの名前 ....
庭のウッドデッキに
細長い枯れ枝が落ちていた
薄いカーテン越しに見ていると
その先端が微かに動いている
枯れ枝ではない何者か
無機質だと思っていたものが
実は違っていて
ぬめった ....
ここには注意書きをよく読まずに入ってしまった。ここに一度入ってしまったら出られないと知ってから何年が経っただろう。出口がないこの場所も、今では色んな人の言葉で溢れ返っている。中には持ち主に捨てられて、 ....
何かを感じとることは
夕暮れの空に似ている
冬に 太陽の 向かう
一生に一度きりの時間
きっと 誰にとっても
店を出ると街は夜だ
光のロータリーに灯された
どこに彼らは帰るのだ ....
術師たちが部屋に入ってきてしばらくすると、死刑囚たちの頭に被せられていた布袋が、下級役人たちの手でつぎつぎと外されていった。どの死刑囚たちにも、摘出された眼球のあとには綿布が装着され、その唇は、 ....
手に入らなかったものは
ポケットにしまえない
だから置き場を探すうちに
冷たくなっていく
思いはこんなにも
熱いというのに
君との未来が
空を突き刺す日は来ない
星でさ ....
僕は子供の頃
親から
「自称詩人なんかになると
サーカスに連れて行かれちゃうよ」と
言われてとても怖い思いをしたので
自称詩人にだけはならずに済んだけれど
幼なじみのヨシオ君は
そんなの ....
今夜雨が降るだろう
朝から空が暗く
水の様な風が吹いている
昼には空が見えないほど
雲に覆われ雨で前が見えない
夕方になる頃
空に雲がなくなり夕日が映し出された
今夜多分雨は大丈夫だろう
あの国道沿いの中華料理屋は昨年潰れて取り壊されたわけだけど
更地になった場所に雑草が生えていて「ああ、そうかぁ」とため息混じりに感心したわけだ
全くもって日常という言葉は恐ろしくて
感心ばかりし ....
ブラッククリアの王様が
俺をすっかりダメにしたし
それと同時に
ブラックニッカの王子様が
....
自称詩人に取り囲まれて
危機一髪のときに
自称詩人撲滅隊が
キンチョールを持って
助けに来てくれた
キンチョールさえあれば
自称詩人の百万匹など
一網打尽にしてくれるわ
危うく自称 ....
白と紫の色彩たち浮き上がり振動し
青く涼やか秋のふるふる降り震えて
両眼一点に交わり結び移動しながら
路傍の草花の群れの成長を追いかけ
吹き抜けゆく秋の大きさを跡付けて
白の紫の
光の ....
ワイフが関東へ遊びに出かけたので
近くの店に弁当買いに行った
弁当やおかずを見ていたら
目の前の炊飯器に炊きたての白いご飯があった
そばにはどんぶりぐらいのプラスチックのお椀も
置いてある
....
開いた本に落っこちた
女が煙を紡いでいる
乾いていく魚の目の中の
月が自傷を繰り返す夜に
雷鳴に臓腑はふるえ
雨はつぎつぎ駆け抜けた
沈黙は縫い付けられたままずぶ濡れで
自分の頬を噛 ....
一斉に発信される音を
受信したラジカセで変換し流す音楽が
ドアも窓もない部屋で飽和していき
ベッドの上で潰れそうになるから
カセットテープに録音してはつめを折って
レターパックへ入れても宛先が ....
愛するという事は
まず 自らを愛する事 それが出来ている事が最低限必要である
なぜなら 自らを愛せず自らをゴミのように粗末に扱っていたら
他人にまで同じ事をしてしまう危険性があるでしょう ....
鮫がいたんだがな
とポケットをまさぐる
何もなかったので有るふりをした
洋ちゃんがそれを見て大きなあくびをしたよ
何もないくせにポケットだけがふくらんでいる
....
今日死んだものをひきずって
前に倣う 泥の轍の
なさけない背中が
夢や理屈を運んでくる
ここで落ち合うつもりだ。
一方で雑草も揺らがない礎
リフレインする夕餉のかおりに
正常に ....
この掃除機なんでも吸い込んじゃうわよぉ
過去の嫌なこと 嫌な人 嫌なもの
なんだって 吸い込んじゃうわよぉ
じゃあ
あの人の奥さん吸い込んじゃってください
子供も一緒に
....
(あなたは、)
ひとりきりの部屋で目覚め、あなただけが開くことの出来るパソコンの日付に、奇数をかくにんする。
あなたは窓をゆっくりと持ち上げ、首をねじ曲げて、今日の三人称を、水で満たしていく、 ....
僕のオリーブ色の世界は
涼しい部屋、僕の部屋へ南端を張り付けて
外はいつでも火葬場と、冷たい果物の皮、
神経の通った舶来の氷、醒めた屋根、裏庭の水
(コミュニケーションと、くらい泡((
....
いつ なんどきでも私自身を愛しますと
そう 誓ったのに
自分自身さえ 大事に出来ないの
こんなんじゃ 他人になんてますます愛を捧げられるわけなくて
困っている
わたしは 持病 ....
「腕時計は狂うのに
砂時計は狂わない」
先輩の一言が離れない
「腕時計は直せるけど
砂時計は直らない」
友達の一言が離れない
「腕時計は停められる
砂時計は停まらない」
....
いま生きながら埋葬されている
あなた
血の滲んだ手で墓掘りのスコップを握ってる
それもあなた
あなたのお葬式は
だれも知らないうちに行われる
正しい名が呼ばれることもなく
墓標もない ....
チンコの先から
膿が出てきたので
鵠沼海岸で泳いでいたら
ライフセーバーが
物凄い速さで
近づいてきて
僕を仰向けにして
砂浜まで運んでから
人工呼吸を始めた
僕としては
チンコ呼 ....
時に漂い佇み
名の言葉の
剥離した
何かを
観て
吹く風の霊 纏わり付く概念、融解し
なにか寄り添いなにか抱擁されて吹く
ひたすらに、
脈打つ肉体の悲鳴上げ
魂の激痛 ....
私を眼差す深い森の眼、
漆黒の光輝に充ちた眼、
荒れ狂う閑かさの
森の眼の宿す
青銅の銀の黄金の
力と光と智と
門出を祝し刻まれる、
いやらしく孤独で冷酷な
深い森の眼のさらに ....
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