傘は良い
そっと隠してくれる
面に出てくる表情(かお)を
優しく流しながら
雨音で歌いながら
いけない恋のわずかな
跳ね返りも
落ちてしまった雫が
濁っても
明日には乾くから
 .... 
鮮明に君のことが好きだから
言うしかないと思ってる
空が割れて星が降りだすように想ってる
純愛という言葉から遠く離れて
抱き合いたいなんて思ってない
透明に触れてふたりで溶け .... 
低い雲がたなびく
雨空のなかで生まれたばかりの冬猫が
ふんわりと尻尾をまるめながら
きっとこの春のどこかで
ゆったりと昼寝をしているように
彼女はまだ目覚めない
もう夢のなかでは
序 .... 
―瑞雪―
季(とき)それて花道に白々と瑞雪
菜の花を潰さぬように撫で落ちて
花風の隙間から敷き桜になるはなびら
ひらりはらりと
散り急いだのは
心根白く多くの支え万物良縁頂けま .... 
コサメが降ってきた。波板の上で踊りだしたようで、だんだんうるさくなっていく。
開けていた窓を閉めようとすると踊りがやんだ。どうやら、見られたくないようだ。
大きな風が吹きカーテンを揺らす。たぶんオ .... 
だんぼーるのなかで
ないていた
しろいこねこ
かわいいって
だきしめてもらいたくて
ひっしにさけんで
このあたりはだんちだから
どこもかえないなんて
しらずに
よびつづけていた
 .... 
自分の嫌いだったもの
今もわりと嫌いなもの
1.数字
2.電卓
3.電話
4.会話
人生の二大誤算だと思ったもの
こんなにも電話だらけな毎日と、こんなにも電卓たたかなきゃ .... 
なにもないよりは少し傷つくほうが生きている気がしたりするのかな 
柳に風が
いつまでもやまないので
僕はここから離れられずに
時間だけが コチコチ
鼓動だけが ドキドキ
規則正しいリズムを鳴らして
柳に風が
ただ吹いているのを見ているだけで
 .... 
満杯になったゴミ箱
を
床に転がった
僕の目
が
見た
からだ
は
相変わらず
床に転がっている 
笑顔でいるだけじゃなにも変わってくれないんだ
大きな声で言えない好き 
そこに破壊がある
目的は周りを吹き飛ばすこと
とてもシンプルなこと
ここに原因がある
とても複雑に見えること
純粋が積み重なったこと
感情が絡み合ったこと
そこに絶望がある
と .... 
金沢八景駅の改札口で
待ち合わせた
きみが先に来ていて
人混みの中から
僕をキョロキョロ探していた
僕はその姿に
ちょっとだけ感動した
今まで、こんなに待ち望まれた
ことあった .... 
背中合わせで月を見ている 
さぁテレビの前に集まって
チャンネルは適当で
僕からお茶の間の皆様へ
ささやかな刺激を送るよ
脇役はもういいや
たまにはスポットライトを浴びたい
緊張してないと言えば嘘になる
慣れて .... 
白いうなじに
光を多く含んだ
雨が一滴流れていく
きっとレモンソーダの味が
するだろう
誰かが確かめるには
早すぎる
純粋な輝き
バスを待つ少女は
バス以外の何かを待って .... 
ねえ、ねえ、知ってる
なあに?
呪いのUSBメモリーって
呪いのUSBメモリー?
そう、パソコンでその中にある
よしこって名前のファイルを開くと
うん
林家三平の動画が始まって
うん
 .... 
あのライオンが
曇り空で眠っている
たてがみを
ちょっと立ててさ
呼んでみたけど
片目だけ動いた
西のほうに泳ぎながら
しっぽが雨の粒を払っているんだ
君にニックネ .... 
ガスマスクをつけて
しっかりとつけて
逃げ出そう このオフィスから 一刻も早く
自動小銃を手にして
しっかりと手にして
逃げ出そう このストリートから 一刻も早く
 .... 
私から
まっすぐ
届け
この想い
私から
まっすぐ
響け
この鼓動
あなたから
まっすぐ
届く
その想い
あなたから
まっすぐ
響く
その鼓動
曲がるこ .... 
あたたかな詩は
やさしいてのひら
わかっているこころ
わたしを撫でてください
見知らぬひとの
年輪を刻んだ気持ちが
{ルビ真風=まぜ}だとして
風速は三メートル
命綱を茶碗に
 .... 
てのひらからこぼれるままに
ことばを拾う
忘れていた物の色やかたち
あてはまる隙間のない断片をかかえて歩く
なつかしい風景に返すためにあたためる
星々をめぐる
それは散在する島々のよう .... 
姫と姫
遊びは灰緑
梯子を外した
冬の高さ
あざやかな水色
うたは遅れ来て
ひいらぎ きさらぎ
目を 衣を 脱ぎ捨てる
雪とくちびる
穂の上の神託 .... 
わたしの世界はわたしのにおい
海のにおいがすると
雨がふるんだよ
電車をおりると海のにおい
海のにおいは
地元のにおい
家のにおいはコーヒー
音楽室はコーヒーとパ .... 
{引用=−−フレデリック・ショパン「夜想曲第十番」に}
  石膏の雨は
  落ちてきて 割れた
  さっき みじかい嵐は
  苔いろの器を引っ掻いていた
  渦のような部屋の 何 .... 
他人が赤色なら
身内は何色なのだろう 
生肉のままでは 水分が多くて煮えないからと 
腹を裁かれ生血を取り出し 三枚におろされた、肉 
塩分があらかじめ多いからと 再度合成調味料を 
流し込まれ みりん漬けされる 
新鮮な生 .... 
冬枯れの桜並木 
まえを行く人の うしろ姿が冷たくても 
愛された きのうがあるから 
がんばれる 今日がある 
たとえば お弁当作ってもらって 
たとえば そこは危ない .... 
待ってユウ!待ってよ!
何だよ、サエ
私が、私が悪かったわ
もう、いいよ!
良くないわ、だって私、
あんなこと言って、ユウを苦しめた
だからお願い言わせて
もう、いいって!
ダメよ、正 .... 
クロッカスは一斉に咲く
身を寄せ合って揺れている
つめたい春の風に
小さくなって震えながら
ちょっと離れて
鉢植えの福寿草 まだ一輪だけ
太陽の親戚筋とでも言いたげに
少々毒気のある .... 
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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