無垢な聖域で飛び回る小鳥
そして口のきけない少女が笑っている
パンドラの最後の希望は
この地で淡い松明に囲まれて飛び立つ瞬間を待つ
百年の孤独から目覚めた太陽が泉から怱怱と昇る
....
ウエートレス
スカートをひるがえし
乙女はテーブルからテーブルへと
昼のオリーブ・キッチン
妻・子との食事
微笑みさえして
給仕し、皿を集める
テーブルからテブルへ
忙しく働 ....
夕焼け小焼けは ビルの先
から降りて来ない都会
谷間でうごめく人々は
電飾を着飾っていて
日暮れがない
○○山の△△寺(でら)はビルに飲み込まれ
夕暮れの梵鐘は口を閉じて
頭の中で鳴 ....
真空が風になったら
有が無になるのだろうか?
インターネットを通じて世界は
僕に逐一指示を出してくる
でも、時々、僕はそれを
風の中の雑音と聞き間違える
大学生 ....
父が帰ってきた。
白い靴下
プーマのニット帽
それらに合わぬ羽織袴を着て。
「お父さん、格好いいよ。」
母にほめられ
少し照れたように見える父は
布団の中で微笑んでいる。
....
郵便配達の仕事が余りにも忙しいので
命令とか責任とかで目の前が真っ暗になったので
思い切って溜まった郵便物を池に投げ捨てた
私は仕事から解放され池の縁に座っていた
はがきが水に濡れ ....
花柄の便箋。
「大事なときに、使うんだ。」と
丁寧に取っておいた。
人を出迎え
父を送り出す合間を縫いながら
新しいボールペンで文(ふみ)をしたためる。
ちゃぶ台を ....
私のことを
ずっと
見ていてくれると
勝手に思い込んでいた
誰の心も
拘束することなど
できないことを
知ってはいても
わかっていなかった
あなたを苦しめた時間を
きれいに
....
春の深いところへキスが届かない
桜の木を切って秋まで寝る
桜が見える間息を止めている
せかい、せかいって曖昧にうなづいてることが正義だって、あなたは太陽のあたっている洗濯物っぽくにこにこしていた。ぱぱぱぱ、ってはじけとぶはな、実?なんだったっけ、これを聞くのが何回目だったのか思い出せな ....
お蕎麦を食べながら
昔の話をしよう
学生時代
君のタイプを盗み聞きして
私に当てはまることがないと
ひどくがっかりしたんだよ
もっと可愛くなれるように
お姉ちゃんに化粧してもらっ ....
あたし、オナニーが止められないんです
こんなことしちゃいけないって
思うんだけれど
気がつくと手が
パンティの中に入っていて
指が一番敏感な部分を
「汚れっちまった」って
なぞるんです
....
明日
今日を乗り切れば明日
産まれてから続いてる生き地獄
明日
今日と変わらない明日
今日の延長みたいな今日がくる
明日
明日から頑張るつもりの明日
今日を頑張らないや ....
花吹雪舞う道を ひとりで歩いた
分かれ道で手を振って きみは去った
あたしのことは すぐに忘れる
夏が来れば 陽の光に夢中になって
花びらは風にのって どこへともなく
青い月夜の ....
握りしめ
ぐちゃぐちゃになった紙に
伝えられた君の苛立ち を
手のひらで
そっとのばしてみるけれど
私には解読できなくて
悲しみが沁みだす
苛立ちと悲しみの染み込んだ
シワだら ....
空の真ん中
風がぐるぐる回る
頭の中がからっぽで
君のことが嫌い
マムシに噛まれた右手が痛い
だらだらと血が流れる
そういうのに甘えている
目ん玉に焼き付いた
君の嘘
くだら ....
道徳なんか無視して金を稼げ
金を稼げば女も寄ってくるし
好きなもんを好きな時に好きなだけ
食える 好きなところに行って
好きなところに住める
掃除や炊事をしてると
心が弾む
....
ハロー、ハロー、聞こえますか?
そちらの調子はどうですか?
こちらは相変わらずといったところです
今日もどこかで戦争です
死んでいく子供達に
誰かが可哀相だと言いました
とりあえず僕も ....
わたしはターヘルアナトミア
あなたの皮をペロリと剥いで
思惑の筋や経絡がどれほど緻密にヒクついているか
白日の下に晒してご覧に入れます
わたしはターヘルアナトミア
飲み込 ....
固い財布の紐を緩めて
スタバの二階から見下ろす
足下をオシャレな人たちが
てくてく てくてく歩く
ぶち壊れたMacをストアに
ボロいキャスターに載せ運ぶ
黒いTシャツを着たお兄さんが僕 ....
地球の最も深い場所には
信じられないような形をした
魚たちが住んでいる
しかし非常に暗いので
その姿は
お互い知らないままである
春の海はまぼろし
蜃気楼の楼閣さえ彼方に浮かんでいる
わたしを呼んでいるように
遠い海鳥
緩慢な波
割れた貝殻
ただ砂にうずもれて
あの子のか細い肩甲骨はもうさびしくなか ....
ビュツフェ
ビュッフェの絵
左右に見て
4月の長閑な日
テレビに映る
婦人いとよし
庭の植物いきいきと
今日も明日も
ビュッフェと
テレビの婦人
床に散る
花 ....
心と身体が離れている
その隙間に不安が滑り込む
いちいち手足に呼びかけないと
動作しない人間型ロボットみたいで
いろんなものを詰め込んだ
底の抜けた南京袋
唇から直腸まで
排 ....
良い薬を取り混ぜて
頭を平均化していく
世界に耐えれるように
人に耐えれるように
平均化された脳みそで
ピッキング作業をし箱にひたすら物を詰めていく
きっとその人には巨大なだれもの ....
真新しいパンプスを
履きながら歩く
晴れわたる春の路地裏
靴づれはひりひりとして
ドラッグストアに立ち寄る
店員へ傷跡に貼る
ばんそうこうを下さいと云う
*
少し無愛想 ....
閉められないままの真夜中
瞳孔が少し開かれていて
部屋の片隅まで見えている
隣の君は
無音で横たわる温かい肉塊
言葉もなく
思考もない
閉じられた身体の内側で
ひたすら ....
歌いはじめまして
花が咲いてますよ
野辺の生き物たちも忙しなく動き出しました
道端からはみ出る雑草は強いですね
そうか、 春なのか
、もう衣替えの季節がやって来たんだ
(え ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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