たとえば
自分だけの力業で
どうにかしてしまうのではなく
ながれを汲んで
自然に意思の至る地点へ
たどり着けば、良い
わたしが、ではなく、
あなたが、どう動くか、
そのながれに
身を ....
河をゆく
死骸の映える
水だ、なまぬるい水だ
{引用=
青白いくちびるに痩せた指がすべる、きみの
かたちがすきだ、八月がいなくなったら手を
つなごう、つよく、きみだけがこいしい ....
お母さん、私ね、学校にin loveなboyが八匹もいるんだよ
金魚に餌をあげていたら
次女が後ろで不意に大きな声を出すものだから
目の前の水槽に
突然金魚が九匹飛び込んできて、
その ....
一夏で日焼けした手
この手で夏をもいで
冷やして
子どもと食べた
子どもは手も足も
パンツの跡以外みんな日焼けして
初めてカブトムシに触れた
怖くて煩かった蝉は
道端に落ち ....
ダブルの電車が通り過ぎた後
遮断機が上がり始め
僕は右足から前へ踏み出した
触れそうな肩先をすり抜ける術が
この身につ ....
卒寿のおひとりさまにあって
それは
昼さがりの うたたね でも
まどろみ でもなく
ただ 無聊に
まぶたを 閉じていたとき
隣家からもれてくる
....
嘘みたいに
ネコと遊ぶと
いつも私は
満たされるの
怒りや
悲しみが
原点に 戻ってゆく
生きてることも
いいなと思えるの
だから
大切なのは
言葉だけじゃな ....
感情は
神様から人間に与えられた
ある種の
罰じゃないかと思う時がある
沈みかけた夕陽を
ゆっくりと 眺めてる
これに 出会いたくて
猛暑の中 出掛けた 海岸
なんて 仰々しい
何て せわしない
こんなにも 近くに 有ったこと
普段は 忘 ....
骨の出た傘をさして晴天の空を歩いた
嵐はわたしを押し流して川まで来させた
川の様子を見に来たのよ
川の様子を見に来たのよ
川はすごくおだやかだったのよ
そうすごくおだやかだったのよ
....
凍結した大地
彷徨する雄の白熊
雌の匂いを頼りに
年に一度の交尾求め
蒼白い氷壁の上
雌雄は獰猛に唸り
出逢い対峙スル
選択の余地はない
生き残って来た自然
彼らの ....
自称詩が嫌いな理由の1番目は
出だしの2語を読むだけで
つまらないことが分かるからだ
例を上げると
「世界のはずれ」で始まる文章がある
世界にしたって
はずれにしたって
どんなバカでも
....
知らない人と話しちゃだめってお母さんに言われてから
ずっとテポドン飛ばしてる
知ってる人とうそ言いあって
悪気はなくて喜びあって
それはそれでラッキーなんだ
テクノカットは夏 ....
入れ墨者は
八丈帰りが
当たり前だった時代は
終わりを告げ
今や普通の人も
ファッションとして
入れるようになった
んな、分けねえだろ!
今だって
顔に毒蜘蛛の
入れ墨している
....
甲羅のように 硬い黒炭
割れた体に 赤いくまどり
ひとたびパッと 喜び吹かば
血潮のごとくに 真っ赤に燃える
黄色い火の粉が パチリと爆ぜた
ぐるぐる回る 水車を鞭打つ
しとどに流るる ....
虫の鳴く夜は ベランダの
ガラス窓 半分ほども 開けまして
虫の声なぞ 聴きましょう
虫の鳴く夜は ワインなど
ちびり ちびりと 飲(や)りまして
虫の唄なぞ 聴きましょう
そ ....
胸のファスナーを下して
白い綿毛に包まれた
幼い夢の息の根を止めて
そうして入り日の燃え落ちる
血だまりへ
交わることで違え
意味を失する言葉のように
縺れたまま ひとつの肉塊となり
....
朝、歩いていく道が開けている
青く高い空が輝いていて
私は
コンビニで買ったコーヒー缶を飲み
煙草を吸いながら
駅までの距離を歩いて ....
空いた穴
開いた穴は
茫漠と広がり広がり続け
秋雨に濡れ
崩れ落ち
瓦解を止めない黒土の縁
喪失の上塗りは
肉を蝕み
麻痺する魂
一人生の円環は閉じかけ
独りから独りへ
....
はす向かいから
零れ落ちる夕陽が
暮れなずむ坂みちの
眩しい道のりに
差し込んでいて
初秋の太陽に
焼かれた自転車は
夕焼けにすっかり染められて
たったひとつの恋を
こいでゆく
....
夜の公園は
虫の声しかなくて
やたら大げさなブランコの音が
理由も訊かずに付き合ってくれる親友
みたいで嬉しくて
でも
ずっとこいでいると
息が苦しくなる
なんにもない一日
....
ご飯をたべると、虫歯がずくずくと痛みます。
割れた歯の、その根元。
歯茎の奥にできたしこり。
女の人の肌を見ると、心がざわざわと毛羽立ちます。
誰にも言ってはいけないような、ぬめぬめとした ....
現実と
取引なんてしないよ
誰も
何も
売り渡したりしない
魔物、吸血鬼、魔法使い
みんな
ここに居ていいよ
私の胸の中に
アロエはなかなか枯れない
独りで過ごす夏の朝に
アロエに水をやった瞬間
水玉が肉厚のアロエの葉の上を転がる
里帰りをしたあなたは
この透き通った朝の真珠に気づいているだろうか
戻っ ....
浴衣の帯が苦しくて 不機嫌な顔をしていた
それでも金魚の袋は しっかり握って
夜店の光が届かない 闇の狛犬が怖くて
握った手に力が入った 小さい弟の小さな手
田舎の家の 広い居間で ....
カーテンの隙間から
穏やかじゃない光が差す
透き通る君の横顔は
夢のような気がした
触れられないのは
きっとそのせいである
いつの日か
別れの時が来る
ということも ....
剣のような針が
私の背中を追いかけてくる。
私は追いやられている。
70年前に首都や広島、
長崎をめちゃくちゃにした、
機銃掃射もこんな風に逃げ惑う人々を
追いやったに違い ....
アサシ新聞の捏造が
明らかになった日を
捏造記念日と名付け
「過ちは繰り返しません」
とかってスローガンで
数週間前から
特集組んだりしたらいいのに
しないのは
きっと共産主義者の陰毛 ....
満月の夜、月はやさしく犬を見ていた
犬は不思議そうに眼をあけ、すっくと立ち
濡れた鼻をしながらあたりを一瞥した
犬は初秋の虫の音を
一心不乱に聞いていたのだが
ふと月明かりに、自らの何かが微 ....
見上げた夕暮れの青空が
迫り来る夜の黒に飲み込まれてゆく光景
その時僕が感じたのは
何も恐怖だけでは無かった筈なのに
自分が抱いた感情さえ
忘れている
こんなにも忘却が悲し ....
1612 1613 1614 1615 1616 1617 1618 1619 1620 1621 1622 1623 1624 1625 1626 1627 1628 1629 1630 1631 1632 1633 1634 1635 1636 1637 1638 1639 1640 1641 1642 1643 1644 1645 1646 1647 1648 1649 1650 1651 1652
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
2.95sec.