深い森の中を彷徨っていた あの頃
草木の名も 花の色さえも知らないで
認識は ぽっかりと開いた陽だまりの草地に
唐突に現れて 「境界」 を教えた
黒い雲の切れ間から洩れる 血のよう ....
雨の夜
国道には死があった
帰り道を急ぐ車の
その一台一台に生があるその対極に
或いは
その隣りに
ぴくりとも動かない人間の脚はまるで
精巧なマネキン人形の部品のよう
アスファ ....
私のからだをかつらむきにして下さい
分かり合いましょう
虫喰い穴から覗く月
遠吠え 断頭台
塔は沈黙をしながら
夕空へと
突き出していて
旗は海から吹く
旋風にそっと
揺らいでいる
Emblemの袂とは
勝負を切り結ぶ戦士たちの
闘いが始まっても
互いの信義をもとにして ....
知らないことは罪悪だという人がいる
ぼくは知らないことが多くて困ってしまう
辞書をひも解いてもわからないことが多い
知らない事の無い人はいるのか疑問に思ってしまう
知らないことが多いの ....
調教しても
メスブタはメスブタだ
ええい、メスブタッ!
ブヒーッ!
メスブタッ!
ブヒーッ!
お隣さん今夜もお盛んね
そうだな・・・・
ねえ、私たちも・・・ ....
マリィのハイヒールはとても紅かった
紫煙の漂う酒場で踊る彼女はスロウダンサー
男たちは沈黙にうずくまり
琥珀をあおる
ピアノが鳴れば彼女は踊り出し
深海の漂いに沈んでゆく
カウンタ ....
今日は仕事がお休み
掃除して
洗濯して
の予定のはずが
結局昼まで寝ていた
なんか疲れていたのかなぁ
夕方から友達とご飯を食べにいく
....
嫌な感情を打ち消そうとして為る創作の何て悪しきこと
自分のことを棚にあげて人のことを評価するのと同じだね
ちがうかもしれないけれども多分同じだよね
やっちゃいけないことじゃないけれども気持ちのい ....
坂を上りきったところには思い出が宿る。
僕は持ってきた手帳を開き、使い古した万年筆でそっと言葉を描く。
生命の継続。生命の継続。生命の継続。
三回繰り返すと不思議とその場所には新しい ....
息切らし生き抜いた
結果は骨だった
信じる神は居なくとも
常識に囚われ骨になる
人は燃えれば骨になる
魂は煙と共に天へと昇る
拝啓、極楽浄土は如何かな
見下ろす景色は何色かな。
人生に意味はない。
毎日に意味はない。
考えれば考えるほど
その想いが強くなってくる。
長く考えてしまうほど
深く考えてしまうほど
その想いが強くなってくる。
人生の
無意 ....
夜、虫のこえ
秋がそこにいた
でも、まだしまえない名残のTシャツ
平和運動の集会に参加した
ジジイとババアが恋に落ちた
ババアには痴呆の夫がいたが
特養老人ホームに入れたまま
半年会っていない
平和運動が忙しかったから
恋の相手のジジイは
妻を射殺 ....
女の一番臭いところを
知りたい
人によって違うとか
そういうスカした言い方は
要らない
それなら
おまえの一番臭いところを教えろ
髪とかって
またスカしたことぬかしたら
ただじゃおか ....
ジプトーンの天井を見つめながら
病院のベットに横たわったブタは云った
俺には心臓が無いんだよ
看護師のマチ子はブタの脈をとった
どういうわけかしらね?
ブタはもう一度云っ ....
どこまでもたかい空を
ことばたちが
ゆったりとおよいでゆく
どこかで
水晶のわれる音がする
こんな日には
不機嫌なおまえなど
ポケットにしまって
あかね色の風になろう
玩具は既に壊れており
木張りの床に見棄てられていた
夕陽から親しげな香りが溢れ、
窓辺に置いた花瓶に纏わりつく
私たちは 壊れていた 跡形もなく
{ルビ抑=そ ....
雨の中 新宿を歩いていた
友達の誰もいなかった 風景の中を
どこも満員だった通りの喫茶店
そして見ている ファッション すれ違う人たちの姿
ゴールデン街で今もあの子は働いているのかと思い ....
翠の赤子がぶら下がっている
そう思い シャッターを切った
もこもこの身体は 温かろうもん
今日び ブームを迎えている
ゆるキャラの仲間入りを
お前も 果たしたいのかと問えば
....
今日も 辛い 一日だった
へとへとになりながらも
私は 今日も 生きながらえた
深夜 重い革靴を ひきずりながら
アスファルトの道を ひとり 歩いて帰る
空に 満月が かがや ....
夜明け前
鶏の鳴く声で目を覚ましたのは
もう遠い昔のことのようだ
今では
ゴミ場を漁る カラスの声で
目が覚める
僕がまだ寝床のなかで
うつらうつらしている時が
カラスの食 ....
恋の果実を
収穫することを待ちながら
暑かった夏空は
熟れた林檎を
真っ赤な彩りに染めている
大切な人へと
恋を想って約束を
するときのように
真夏に夕焼けを
埋め尽くしたばかり ....
君が君になるために見てきた世界
君が君でいるために作り続けた笑顔
そして 失ったものたち
私が私になるために受け入れた悲しみ
私が私でいるために許さない依存
そして選んだ沈黙
....
人間から灰汁が抜けてくると
虚飾を脱ぎ捨てどんどん謙虚になる
ええ、抜けたのは髪なんですけどね
もう不毛という言葉を使うことすら厭わしい
人々の罵り合いを見ても
大抵は五 ....
持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持持 ....
金木犀が静かに燈る
花びら一枚一枚が
一つずつ詩を破壊しながら
自らを誰にも捧げず
何物をも説明しない
人間の意味づけを
ことごとく拒絶することから
あの橙色が生まれているのだ
....
澄んだ水溜りの傍で
ずっと待っていた
水溜りは濁っては また
澄み
その度に違うものを映す
扉が閉まる音
近づいてくる猫の足音 どれも
聞いたことがあるような気もするし
初めて聞く ....
変わらず、
愛娘と手を繋いで歩いた
川沿いの遊歩道はあり
愛娘だけ不在となり
果てなく伸び行く
変わらず、
いずれ銀に光る川も遊歩道も消え
巨大な途方もなく巨大なチカラが
噴き上げ ....
1605 1606 1607 1608 1609 1610 1611 1612 1613 1614 1615 1616 1617 1618 1619 1620 1621 1622 1623 1624 1625 1626 1627 1628 1629 1630 1631 1632 1633 1634 1635 1636 1637 1638 1639 1640 1641 1642 1643 1644 1645
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