(明るさに滲みた空があり
 されど傘は閉じられず
 雨はぽつりぽつりと降っては消えて
 湿りを立って眺めるばかり)
秋雨のうっすら青いなかを
ほのかに明るいほうへはからずも振れて
ふわ .... 
手首の傷は
一昨年の
5月5日の夜
ブサイクだし
ポエムなんか書いてるからキモい
と言われフラれた時に
同情するなら
アソコを舐めろ的に
勢いに任せて
やったリスカの跡
この跡を
 .... 
 
夕暮れだろうか、明け方だろうか。
深い森の中に薄紫色の光が差している。
薄い霧のかかるどこか懐かしい空間で
いくつもの死と生命の誕生とが
上品な絹のように織り交ぜになっている。
遠くか .... 
色々なことがありました
でももう少し
いやまだまだ欲しいのです
いつまでたっても消えることは無いでしょう
僕は生きてる 
何をするかはどうでもいいの
あなたはあなたでいてほしいから
好きなようにして
それすらなくなったらい今まで以上に
私を愛して
私は今まで以上にあなたを愛せるでしょう
だってあなたは傲慢だか .... 
ちっこい白と赤の金魚
ちっこい赤の金魚
それより大きい赤の金魚
目の飛び出た黒い金魚
妙に細長い白と赤と黒の金魚
ぶくぶくと飛び出す泡っ粒
広がる水草と背の低い尖った造草
みんな仲良く餌 .... 
人 人 おまえは
ひと
噛み砕き
噛み砕かれ
野にあいた
暗い穴の淵に横たわる
天気雨
小さな蜘蛛が隠れる場所
風が
少しずつ少しずつ
強くなってゆく
 .... 
リル 
このあいだ 21日のことについて話したよ
あれはある種の アノマリーだったんだ。
たった一度の命を
祈りに変えた経験は?
そしてその気持ちは?
この手紙は必ず届く
問 .... 
喋ってはいけない夜よはやくはやく
ぼくらは一人一人潰されていく
空気をすうようにかおをあげると
そこだけが赤くあとは青い
ぼくらは祈り祈られる
望まない死を望むようになるまで 
こんなこと
どんな顔をしていえばいいのか
笑って誤魔化したいけど
こんなこと
一度しか言わないから
笑って吹き出すなよ
キスする理由は一つしかない
でもキスしない理由は2つ
男 .... 
イラク戦争で
子どもを連れた現地の女性が
米軍に向かって
手榴弾を取り出したとき
米軍の狙撃手が
彼女を撃ち殺したことは
正当な行為
なのだろう
狙撃手が
自分は同胞のために戦っ .... 
えげつないカステラ
三切れ
夜に鰻を食べると
骨が喉に刺さる
本を飲むと痛み
ブックマーク
「今宵は月が綺麗ですね」
満月から三日目の今日
「ええ解らないぐらいに欠けてる具合がとても」 .... 
しだをもらった
めずらしい種類のものだというので
別に鉢を新調して植えつけてやる
さほどうまくはない手つきで
子供の手指ほどの根を土に埋めて
ひとまず一鉢を仕立てる
それを枕辺に置いて眺め .... 
佐世保高一女子と名古屋女子大生が
反戦活動を行っている
彼女達の言い分はこうだ
人殺しは
人を殺すことだけに
価値を見出だすものであり
人を殺すことが目的そのものなのだ
従って何か他 .... 
押し入れに
妙なキノコが繁殖しても
俺はそのキノコを食いながら
生き続けてゆける
何は無くても
生きてゆく 
貝のような耳をそばだてて
微かに
波の音をきく
貝は何処にいるのだろう
貝はどこに居ても家を持っているんだ
じっと蹲りながらも
家を持っている
波にさらわれたとしても .... 
この暴風の中で
どうしても僕が吹き飛ばされないのが
とても不思議だった
こんなにも無価値で
こんなにも無意味で
泣きそうになるくらい軽く脆いのに
自己分析をして
捜し出した犯人は .... 
着いて翌日の朝は
マスタード色の
プラスチックのコップに注がれた
オレンジジュースで始まった
初めて見るプラスチック製のコップに
本物の生のオレンジジュース
九つになったばかりのこどもには .... 
久し振り
雨粒 一つ 一つが
ゆっくりと 煌めいて
わたくしに
挨拶をして くれているかの ような
錯覚
それでも
嬉しくて
幾つもの 笑顔が
惑いながら
揺れた  .... 
ポエジーは
朝の光りだ
目覚めれば
其処に在る
生活に在る
卓袱台にだ
靴を履いて
路傍の歌に
耳を澄ます
空を見上げ
今日を思い
店頭の魚の
記憶を辿り
海を目指し
陽が .... 
やさしいくまは
なんにも食べずに
やせている
かつてつややかだった毛並みは
ぼうぼうにとがって
やさしいくまは
そのうちひとかたまりの茶色になって
ちょうどきのうの晩ふきあれた強 .... 
「本」という字は一画ひくと「木」になる詩、育てるからには木からと思い立って種を買う。なんの木だか知らないけれど窓辺に置いたプランタへ植えて水をやる。「水」という字に一画たしたら「氷」になるから水やりは .... 
諸行無常
是生滅法
生滅滅已
寂滅為楽
宇宙の果てはあるのだろうか
だが
その宇宙の外にも宇宙があると感じている
そしてまた宇宙がある
閉じていながら
解放されていた .... 
大根の葉についた青虫を
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
青虫を見つけては
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
そして小さな畑を一周する
朝の仕事を終え
しばし畑を見つめ .... 
千円で二冊
手頃なんだから、
、と、擦りきれた本にきれいなままの文庫本  
何故か捨てようにも捨てられない
同じような顔をして段ボール箱の中に眠ってる 
たまに取り出してページをパラパラ .... 
「もう誰も、必要とは思わないのですね・・・・。」と
黄ばんで染みだらけのまま
段ボールに詰められて家を出る文庫本の呟きが聞こえた。
 私は
父の遺骨の欠片をぽっけに入れたときのように
読 .... 
胃が悪化してきつい朝
今後のことを考えるためにわかばに火をつけた 
ほら、また、咲いた、
本の花
読むたびに
ひとつ、また、ひとつ、
書店に種を選びに行き
本棚に種をまく
パラパラと
水をまく
色とりどりの
本の花は
読まれる時を
待って .... 
人は
なんどころんだら
上手に歩けるようになるのだろう
人は
なんどないたら
上手に笑えるようになるのだろう
だいじょうぶだよ
まるでごむまりのように
やわらかいきみをだきしめる
 .... 
夜、雪が降り止んだ頃、夜行性のノウサギはいっせいに跳ねだす
カンガルーのように飛び跳ねる後ろ足の腿の筋肉は巨大で
前足と後ろ足は途中で交差し、雪原を跳躍する
むき出した前歯をそっと樹皮にあてがい .... 
 
 
 
 
1586 1587 1588 1589 1590 1591 1592 1593 1594 1595 1596 1597 1598 1599 1600 1601 1602 1603 1604 1605 1606 1607 1608 1609 1610 1611 1612 1613 1614 1615 1616 1617 1618 1619 1620 1621 1622 1623 1624 1625 1626 
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