色彩を失った街の
無個性な大群のなかに
歩くぼくは
生き損ねた一生物
孤独に気づいた時
時間は止まり
空間を彷徨い
いくべきあてもない
社会の僕(しもべ)である
生き恥晒すために ....
双子だった祖母方のまたいとこはすこし胸が大きい
潤んだ神秘的な瞳は深くて
同い年なのに
大人に見える
意味深な暗号のように念仏がくりかえされるなか
むかし いっしょに あそんだはず ....
この先には 庭があり
庭の先には 塀があり
塀の先には 道があり
道の先には 川があり
川の先には 海があり
海の先には 浜があり
浜の先には 道がある
この先には なにもかも
....
ダンデライオンを
口に隠してキスをしたら
あなたは苦味に驚いて離れようとしたから
顔を抑えて あなたの口に移してあげた
慌ててむせながら吐き出した
私は「体にいいらしいよ」と教えてあ ....
木漏れ日が飽和していた。梅雨の晴れ間の日差しを歩いていた。
髪の毛やスーツは熱をおびてゆくのに、からだの芯というか、心臓というか、食道あたりというか、からだのどこかが冷えているような気がして息切れし ....
Equality / 壊れた文房具
後ろへ後ろへ回される答案用紙
それを見て私達の時代もきっと未来に先送り?なんて顔してる君に消しゴムを当てて振り返らせる
「ねぇ 二人で答えあわせしない?」 ....
終わりよければすべてよし
終わりよくなくても
途中までよければよし
途中がだめなら始めがよければよし
始めも・・なら、準備がよければよし
つまりすべてよし、
よし。
何もしなくとも
腹は減る
爪楊枝咥えるにも
銭がいる
腹が鳴るたび
苛ついて
何もしなくとも
腹が減る
何もしなくとも
税はくる
督促の手間
知る由もなく
ゼイゼイゼイ
....
生きててつまらないかい?
まだわかりません
生きてる途中なので
冷たい窓ガラスに
一匹のヤモリがいた
わたしとヤモリは
互いの存在を
ほんの一瞬で認め合う
空気がほんの少しだけ
動いた気がした
目が合ったのだよ
確かに
あの時
人間と虫
....
キリストよ、早く降りてこい!危ないぞ!”
と教会の屋根の先端で十字架に張り付いたままのキリストの自殺行為を一応止めたのは禿げ頭の吟遊詩人である。
彼は文字通りあの神の国、或いはこどもの国に禿 ....
「食べる事は、最高の幸せ。」だと
病気の父を見て思う。
炊き立てのご飯と葱納豆。
よく噛んで食べて
完食出来るという事は
何よりも尊いと
味付けの薄いお粥を父に差し出した。
....
「人の、役に立つ事を考えなさい。」
ある晩
淹れたてのお茶をすすりながら
父は諭すように言った。
今でも
(何があるのか?何なのか?)を片隅に置いて
職場の受話器を取り
職場のパ ....
ひとつ足りないと
この団子は出来ません。
(あんこ・ごま・きなこ・ずんだ・醤油・みたらし・よもぎ。)
たくさんの味のものを食べても
お腹がいっぱいになったとは思えないのです。
「 ....
耳をふさいだ
魚をたくさん入れたバケツをひっくり返したように
空は近距離で
青かった
今夜あたりが祭りの頂点か?
ぼくは彼女の心を缶詰に入れて
持ち歩きたい気分だった
完全に ....
太りすぎて
ウエスト周りを気にしている
ボクもアナタも社会も地球も
あふれる物資を
自分の中に投げ込んでみても
消化しないことばかり
なのにどんどん食べている
痩せの大食いがいつ ....
海へ 出よう
山にいくために シュラフを詰めた
ザックを 捨てて
擦り切れた 重いキャラバンシューズを
脱ぎ捨てて
海へ 出よう
空への幻想は 捨てて
海の波のうねりの
な ....
そよ風 さがしに行こう
やさしい風の吹く街
何処かに きっと あるだろう
住み慣れた街だけど
この次 この街に立ち寄るときは
ぼくは ひとりの 旅人だろう
この街に生まれ ....
―歩いていたのは七〇年前―
前方は霧に閉ざされて
先導する人は見えない
が 上空に山の頂が透け
笛の音は聞こえる
山の頂き
そは 蜃気楼か 実象か
先導する者は知っていると ....
私は髪を切った
地元の美容室で
彼女はもう二十五年も美容室をやっているらしい
そんな話を聞いた ひどい眠気の中で
以前は 二人 男女の従業員がいたらしいが
結婚して独立したのだという ....
冷えた世界で
燃え上がる身体が熱い
沸き立つ血に咲く薔薇は
皮膚を突き破って
あなたへの月を探す
握って、にぎって、
悲しみで切りつけたこの腕を
潰して、つぶして、
....
水のない駅でした
蝉の音がしました
産まれた日もあやふやなままに
服の端が揺れて
私たちは何か話をしました
並んでいました
指を伸ばせば届きそうなほど
影になるとすべ ....
毎晩LINEで吐息を聞きながら眠る。
距離も年齢も現実的な障碍も、
切ない迷霧に隠れてしまう。
二次元の恋を三次元にするという提案は、
ゆっくり常温で解凍すべきなのかもしれない。
....
肛門に水素ガスを注入し
ライターの火をかざして
発射すると
きみの身体は
あっという間に
成層圏を越え
遥か彼方
銀河系の一等星になった
きみが旅立った後には
大きな
ちょっと ....
こんな潔癖に晴れた朝でも
新しいものなど何もないのだ
木にしても空にしても光にしても
すべては太古からの使い回し
真に新しいものなど何もなく
きわめて古いものが形を変え
手を変 ....
人は見下ろしてばかり
自分よりも高いものがあると
それよりも高いとこに行っては見下ろす
さらに雲や空を見下ろす為に飛行機を作り
やがて自分たちの住んでいる
地球さえも見下ろす
でもそんなに ....
翼と靴を売って、歌を買いました
神様は意図的。
巡り合わせを信じる貴方の方が意図的。
またしてもカウンターの前に表れた、感じがいいから 、だとか、 好みだな、 だとか…
一瞬の煌めき
…ああ この人はひょっとしてこん ....
出会ったペルシャ猫
妻と連れだって
1つ家から1つ家へと
伝道に歩いた
中頃の家で
黒い衣装をきた
奥さんが、出てきて
話し合いに応じた
妻がしきり話した
「猫がいるんです ....
黒髪ボブに茶色いメガネな顔色悪いな文学三十路
(ルビ:ぶんがくしょうじょ)をこうだと決まれ
ば突っ走るしる二十歳に二年たりない歳からフラ
フラっとな根無し草くさ知りたいなってな一冊の
詩集が私 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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