収穫もできずに
ただ腐らせるしかないような
果物を育てるひとはいない
いたとしても続かない
両面の鏡なんだ
鏡のなかのまたその鏡なんだ
自分だけ棚にあげておくな ....
花が住み
朧気に見る
槍ヶ岳
先切る春も
哀れぞと
かなしみは降り積もる
綿雪のように
歓びは萌え出づる
泡沫のように
さみしさは染み透る
五月雨のように
怒りはさんざめく
木漏れ日のように
苛立ちは ....
こんな暑さを生み出すなんて
太陽はとんでもない偽物だ
それだけではなく
空も海もすべて偽物で
言うまでもなく
実は私も偽者である
では本物は一体どこに?
偽者の私の本物はどこ ....
*
白いシーツが晴々とはためく青い午後
大きな風にのって君の嬉しそうな声が疾走る
思い切り抱きしめればまるでお化けのようなカタチ
くすぐったいと笑う君をすっぽりくるんだその存在を
ぎ ....
泥まみれの夕立一粒に願懸け命懸け
立ち上がろうと 己に跪き独眼に見渡す
屍の点描
永遠の夕立 その隙間で呼吸を呼吸を途絶えないように
大事に大事に膝に触れ 感触の泥まみれを皮肉にも このだ ....
大切な
ひとり息子や
ひとり娘が
路上に
打ちすてられている
もちろん
レイプの後で
それが
政治だから
ラの音ではじまる
骨をかかえて
演説をしにいく
....
ぼんやりとニュースを眺める
オナニーを終えて暇だからである
ニュースは、事件と事故がばかり放送する
あとは天気か
つげ義春の漫画に出てくる朝鮮人の李さんは鳥語が話せるが
それでも鳥は脳が小さ ....
世界は膨張していく
それは進化だとか進歩だとか
そんなことではなくて
ただひたすらに、
闇雲に、
手に触れるものすべてを
引き寄せて飲み込んで
不格好でもなりふり構わず
雪だるま式 ....
ジュラ紀 白亜紀 吐く息 といき
おととい以前のことは
みんな みんなおなじです
忘れた。
2156年 第四次世界大戦
氷河期 歯みがき ゴシゴシ
あさって以降のことは
みんな ....
む おん
移動していくモノの影、
独り在る茫漠の床で
眠りの底から掻き分け掻き分け
異界の異様な感触を
意識の触手、体に刻む
ム オン
夜陰にひっそり回帰し。
。リフるき生
。リフの人い良
。リフの人い悪
。リフい良のりかわのも
。リフるいてし愛
。リフのいぱっい精
。リフう笑
無意識につく
ため息が
僕を不安にする
心がキュッとなる
ため息は
白い影になって
僕を睨んでいるみたいだ
そんなことも知らずに
貴女は
また、ハア~
とため息をつく
....
キミだね
ね、キミだろ
キミは音楽のようです
メロディのウラ側に
ウソがかくれていない
そんな音楽です
キミの中に
声がわり前の少年が ....
自動の機械を
自動で作る機械を
自動で作る機械を
自動で作る機械を
自動で作る機械を
自動で作る機械を
手作りする
結局、手作りすんのかいっ!
「職人」
注文に応じて
....
この腐った国は
みんなを傷つける
この国の裏路地には
なんでもそろっている
本当の地獄は
愛する人の苦悩を見ることだ
長い
ろくでもない夜になった
ここは
死体の街
ここは
終焉の先
固く縛った荷を解いて
その椅子にかけなさい
誰に遠慮することもない
ここには永く客など来ていない
何か食べる ....
栃木や群馬が
海の日を休日にすることに
疑問を感じる人は少ない
山梨や岐阜なら
どうだろう
埼玉や長野は?
ま、いっか
好きにすりゃいいさ
「膿み」
虫歯を放 ....
湘南へ向かう
電車に乗りながら
私は流れていく風景を見つめるでもなく
友達との話に 夢中になっている
こういった時間は
もう長くは持てなくなるだろうと思っていた
そして そうしようとも ....
(孤独を知りたい)
その声のする方へ
足を向けると
ビル街から住宅街に迷い込んだ。
そこでは人々の匂いはあるが、
人の姿はなく、
窓辺から聴こえてくるやかんの音と、
乾きき ....
くたびれたTシャツみたいな月曜日が
このまま金曜日にも土曜日にもつながっていって
いつかダメになるのかな ごめん
みんないつもなんとなく不安でしょうがないのね
で、何をしたかったの? って ....
木影に影を重ね 静かに見送る
蟻たちに運ばれて往く
ことば 肉から零れ落ち
熱い 取っ手を掴んだ
わたしは夏に生まれた
きっと夏に死ぬだろう
光の色彩が教えてくれる
....
陽射しが強くこの地方を焼き、蝉の声が激しく響いている夏のある日、実家の旧家の建屋の中で姪の一歳の誕生日パーティを開いた。かつては無垢であった姪も、繊細な感情を抱くようになり、羞恥や恐怖や興 ....
どんなに惨めな境遇にあっても
どんなに酷い苦しみに襲われていても
光の感覚が
懐かしい思い出のように
余韻を響かせる時、
魂は生き生きした理念に満たされ
霊の光を神の温もりを体験す ....
いっちょまえに
子(娘)が親(母)に意見(もんく)をいう
いっちょまえに
子の方が稼ぎが多くなってきた――
一緒に道を歩いていたら
いきなり娘に腕を掴まれた
「なにするん?」
背後か ....
周りを見渡すと数々の光が見える
例えば、
太陽
例えば、
虹
例えば、
子供の笑い声
君が笑顔で会釈する
長い髪を耳にかける
黄色いボールが
青空に吸い込まれる
それを追 ....
月が描く円を
薬指に通して
遥か未来を見つめ
星の道を歩く
物語の優しさで
今は肩を寄せる
やはり、深い、苦しみは、救われず、気付かれず。
涼しいうちだけの華、肌が感じているその一時。後片付け、そこには誰もいないのさ。
いっそ簡単に、あなたの心を奪えてしまえれば、それとなく呟いた ....
空の青さが気に障る
ポストの赤さが目障りだ
風が吹くのも厭味だし
花が咲くのも虫唾が走る
大好きな漫画の新刊も
大好きなバンドの新作も
もうどうでもいいような
今はそんな気分なのです ....
次へ向かうと決めた
太陽が過ぎ去ると
予定時刻に合わせ
それを追う角度で
君は近づいた
偶然を装って
通り過ぎた雨音は
静かさだけを
置き去りにして
星が滲む銀の夜を ....
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